箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

ソシャゲに飽きた人にオススメしたい買い切り型ゲーム② ~ ペルソナ4 ザ・ゴールデン ~

ペルソナ4

 さてさて、前回オススメした ケイオスリングス3 に続き、 今回オススメしたいのはペルソナ4 ザ・ゴールデン、通称「P4G」。

 と言っても、ペルソナ4のオリジナル版(無印版)が発売されたのは今から7年前の2008年ですし、今回ご紹介するリメイク版「P4G」も2012年に発売されており、今更感が強いのは承知しております。ましてやP4Gは累計30万本以上を売り上げ、PS VitaのゲームソフトとしてはNo.1を誇る超人気ゲーム。僕が紹介するまでもないんですが、ちょっと訳あって最近1周目をクリアしたので、その感想も兼ねて記事を書きたいと思いました。

 

 「ペルソナって人気らしいけど、なんか取っ付きにくそう・・・」と、食わず嫌いをしている方に対して、「面白そう」「ちょっとやってみよう」と思えるような記事にしたいと思います。勿論、ネタばれは一切しないのでご安心下さい。

 

  

最近になってようやくプレイした理由

 昔、PS2を持っていた頃に、ペルソナ4を購入し、最初のオープニングムービーを観たところで、しばらく放置し、その後何故かゲームソフトを紛失・・・。買い直しても良かったんですが、「ま、そのうち見つかるだろう」って思っていたら、結局見つからず、そのままプレイすることなく時が経ちました(PS2も手放しちゃいました)。

 それから何年か経って、何気なく PSP を購入した際、 ペルソナ3ポータブルを中古で買ってプレイしてみたところ、雰囲気とかBGMとかは最高だったんですが、肝心のRPGの部分、特にタルタロスの探索がダル過ぎて、最初の10時間ぐらいで挫折。そのままクリアまでプレイしていたら、面白いと感じたかも知れませんが、「ペルソナって面倒くせえな」ってのが、そのまま印象として残ってしまいました(最近までP4Gをプレイしなかったのはこれが一番大きな原因)。

 

 んで、最近になって、学園ジュブナイルものと言いますか、やり込み要素の多いRPGをガッツリやってみたいという気持ちが強くなり、昔ほとんどプレイすることなくソフトを紛失してしまったP4をやってみよう、と。最新作のペルソナ5も今年発売されるみたいですし、その前にP4やっとかないとっていう気持ちも多少はね。

 運良く、友人に PS Vita が埃をかぶってるって奴がいたので、そいつからPS Vita本体を借り、P4Gはパッケージ版を中古で購入(発売から3年経つのに、未だに値崩れしていないのは凄い)。プレイし終わったら、ソフトを友人にあげる予定でした。

 

総評

 ナニコレ・・・。面白すぎだろっっっ!

 ってのがクリアするまでの感想。最初から最後まで、飽きることなくプレイ。どんな面白いゲームでも、多少中だるみしたりするもんですが、P4Gはそれが無かった。僕の場合、1周目で全コミュをMAXにしたり、その他のやり込みプレイをするつもりも無かったので、自由気ままに学園生活を送っていたのが良かったかも知れません(但し、後述するとおり、1点だけやっちまったことアリ)。

 

音楽・グラフィック ★★★★★

 音楽については、「さすがペルソナ」って唸るレベル。てか、P4Gの音楽を低評価する人は居ないでしょう。ペルソナ3の戦闘曲(ベイベベイベってやつ)は大好きだったんですが、P4Gも随所に耳に残るBGMが満載。個人的には、冬のシーズンに街に流れるBGMとか、ボイドクエストのダンジョンBGMが好き。あとED曲も。

 次にグラフィックですが、普通に綺麗ですね。土手で見える遠くの空などの背景は、ハッと息を飲みますし、茶の間のテレビ映像とか、食べ物とか、小さな物までキチンと描写されているところは本当に芸が細かい。グラフィックに関しては、ゲームをプレイしていて不満を感じたところは一つもありません。

 

操作性 ★★★★★

 ほとんど不満点は無し。□ボタンで行きたい場所までひとっ飛び出来るので親切設計となっています。コミュ活動等で、学校や商店街を行ったり来たりすることになりますが、移動速度が速いですし、マップ切り替えのロード時間も無いに等しいので、苦痛ではありません。

 

日常パート(主にコミュ活動) ★★★★☆

 このゲームの一番の核心部分である日常パート。学校の友達や堂島親子、バイト先の人などと絆を深め、主人公を成長させていくわけですが、キャラごとにストーリーがあって、絆を深めるごとに新たな一面が見えるようになるので、本当に「絆を深めている」って感じがします。女子との絆を深めていくと、中には彼女に出来るキャラもおり、二股、三股をかけることも可能。ギャルゲーが嫌いな人のために、「彼女にしない」という選択肢も選べます(浮気をせずに、本命の彼女とだけ付き合うことも可能)。

 ですが、攻略サイトを見るか、攻略本などを参考にしながら自分で相当綿密な予定を組まない限り、1周目の段階で全コミュをMAXにするのはほぼ不可能。僕は、パーティメンバー(千枝、陽介、雪子、完二、りせ、クマ、直斗)と、堂島親子、運動部、マーガレット、マリー、ナースのコミュだけMAXに出来ましたが、それ以外は全部半分ぐらい。家庭教師とか小西弟とか喪服のお婆さんのコミュとか、その存在自体知らないやつすらありました。

 まあ、コミュを全てMAXにする必要はなく、好きなようにプレイしてもクリアには影響ありませんし、全コミュMAXはやり込みプレイの一種だと思うので、周回プレイでやるものだと思うんですが、自分の興味のあるキャラ以外のコミュが若干作業となるのが気になりました。あと、興味がないキャラのコミュって、絆を深めてもやっぱり興味が湧かない。そこだけマイナス評価ですかね。。パーティメンバーは全員興味のあるキャラだったので、良しとします。

 

RPG(ペルソナ育成とか) ★★★★☆

 RPGの部分も、程よい緊張感があって楽しかった。NORMALモードでプレイしましたが、弱点とか敵の行動パターンとか研究して戦略を練らないと、序盤のボス戦でも苦戦必至。そう考えると、HARDとか、RISKYって、一体どんな難易度なんだろう・・・。また、自分好みのペルソナを育成出来るのも物凄い良かった。何て言うか、一部のチート級のペルソナを除けば、最強のペルソナはおらず、スキルカードを駆使していくらでも強いペルソナを作り出すことが可能(時間が掛かるけど)。このシステムがウケるのも頷けます。とか言いつつ、ラスボスには、ヨシツネとトランペッターの2体だけで挑んでますけど(笑)

 ほとんど不満点は無いんですが、唯一苦言を呈するとすれば、コミュ活動やストーリーの進行との関係上、ダンジョンに潜っていられる日数が限られていること。1周目で全コミュMAXにするためには、ダンジョンに潜れるようになった日に攻略するのが必須のような仕様になっているため、「よーし、今日はダンジョン探索して、レベル上げるぞー」➔「SP減ったし、家に帰って休むか」ってのが、あんまり出来ない(家に帰って休むと、強制的に日付けが進む)。キツネに頼んでSP回復したり、りせによるHP・SP自動回復が出来るようになるまでは、そういった気楽さが無いのはちょっとキツかった。

 あと、ダンジョンRPGの部分だけが独立しているわけではないため、例えば、2周目に隠しダンジョンや裏ボスだけやりたくても、そこまでシナリオ本編を進める必要がある(ストーリーは堪能したからもういいやって人にとっては面倒)。あと、主人公やパーティキャラのレベルはリセットされるので、レベル上げも必須。ここは、日常パートとダンジョンRPGを切り離してくれたらもっと良かった。

 

注意点

 今回、P4Gをプレイして、やっちまった事がひとつ。 

 このゲーム、田舎町で殺人事件が発生し、その事件の謎を解明するのが、物語の一番肝の部分であり、主人公たちの目的の一つでもあります。なので、先にネタばれ記事を見ちゃうと面白さが半減しちゃうわけですね。

 なので、「絶対にネタばれ記事は見ない」と心に決め、どうしても攻略に困った時だけ、攻略サイト等を見ていたんですが、色々とネットを見ているうちに、真犯人の名前がスレタイになっている2chのページが検索にヒットしてしまい、真犯人の名前を知っちゃったわけですよ。その時は、さすがに凹みました。。「わざわざスレタイに含めなくてもいいだろっっ」って、スレ主を5時間ほど問い詰めたかったです。

 

 そこで、これからP4Gをプレイする人へアドバイス(これが今回のブログ記事の目的の一つでもあります)。

 とりあえず、1周目は難易度を EASY か SAFETY に設定して、攻略サイトなんか見なくてもクリア出来るようにした方が良いと思います。低難易度であれば、攻略サイトなんか見なくても絶対クリア出来ますから。コミュMAXとか、やり込みプレイは2周目以降でも出来ますし、1周目で全コミュMAXとか、とんでもなく作業ゲーになるので楽しくないですよ。自分の好きなようにプレイした方が絶対楽しいです。

 1周目で真EDを堪能してから、2周目以降で、難易度を難しくして、最強ペルソナの育成とか、コミュMAXとか、トロフィーのコンプとか、やり残した事をやっていけば良いんです。最初から難易度を難しくしてしまうと、どうしても攻略サイトに目に行きがちですし、そうなると、僕のように不慮の事故に見舞われる可能性があるので。。

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キャラレビュー

◇ 花村 陽介

 今回、P4Gをプレイしていて、男キャラで一番好きだったのは陽介。

 ペルソナ3で言うところの順平ポジションのキャラかな?という第一印象で、どーせヘタレで、女たらしキャラなんだろって思っていたら、いやはやビックリ。女たらしなのは当たっていたが、全然ヘタレキャラじゃなかった(笑)

 問題に直面した時に一番頼りになったのは陽介だし、場を盛り上げるムードメーカーも陽介。モテモテの主人公くんが隣にいたら、ちょっとは嫉妬しそうなんだけど、そんな主人公のことを「相棒」と呼んで、絆を深めようとしている姿は、素直に感動する。こんな男友達が欲しいなって思えるキャラでした。一番幸せになって欲しいのも陽介です。一度もパーティから外さなかった。

 

◇ 里中 千枝

 正直、最初の印象はパッとしない。「ああ、こういうタイプの子って、どんなゲーム・アニメにも居るよね」って感じ。

 でも、戦闘中のカットインとか、勝利の決めポーズ・セリフとか見ているうちに、「あ、あれ?この子可愛いぞ・・・」って気持ちが芽生え、最後には女キャラで一番好きになってました。裏表の無い感じも良かった。料理さえ出来たらお嫁さんにしたい(笑)。

 チャージ➔ゴッドハンドが強力過ぎたので、ボス戦では常にレギュラーでした。

 

◇ 天城 雪子

 第一印象では女キャラNo.1。雪子のイベント後、少しづつキャラが変わっていく(というか、少しづつ自分をさらけ出していく)感じも好印象。「抑圧されたもう一人の自分」というのが、このゲームのテーマ的なものなので、それを一番体現していたのは雪子ではなかろうかと。

 最後まで好きなキャラでしたが、アニメーションの雪子がなんかちょっと微妙。もうちょい可愛く描いてよ(笑)

 

◇ 巽 完二

 意外にもイジられキャラだったのがツボでした(笑)。また、随所で見せるツッコミ(?)が切れ味バツグンで、このゲームで一番笑った。P4Gをプレイするなら、完二のツッコミは是非チェックして下さい!

 P4Gって、どいつもこいつも良い奴ばかりなんですが、ゾクを潰した経験のある完二まで良い奴って・・・。

 あんまりパーティに入れなかったけど、育てて使っても良かったかなとちょっと後悔してます。

 

◇ 久慈川 りせ

 りせちー最高。戦闘中のナビがウザいという意見も聞きますが、個人的にはむしろ好き。というか、りせのナビが無いと、なんかこう締まらない。

 総攻撃の時の「Are you ready?」「みんな準備オッケー?」っていう掛け声とか、思わず「オッケーだよ!りせちー!」って言いたくなる。「助けてコウゼオン!」とか、ペルソナを呼び出す時の声もなんか可愛い。そう、なんか可愛いんだ。

 ジュネスの屋上でのイベントを引き受ける時のりせの対応も良かった。さすがプロだな、と。

 

◇ クマ

 ボケ担当でもあり、ムードメーカーでもあるクマ。こういうマスコット的存在のキャラって必要だなって思わせてくれる存在でした。

 このゲームでは、それぞれのキャラが、普段の顔とは別に人には言えない影の部分を持っているんですが、表と裏のコントラストが一番はっきりしていたのはクマのように感じましたし、抱えている影が一番重かったのもクマ。一番支えてあげなきゃって思わせるキャラですね。

 ただ、バージョンアップ版のクマは不要でしょう・・・。あれは一体何のために登場させたのか未だに理解できない。。

 

◇ 白鐘 直斗

 可愛い。ただただ可愛い。

 このゲームで見ていて一番ホッコリしたのは、間違いなく完二×直斗。この2人の掛け合いをもっと見たかった。あと、あの年齢で、常に冷静且つ論理的思考を展開出来るのは羨ましい。。

 ただ、スキル構成的にボス戦ではなく、ザコ敵向けにもかかわらず、登場するのが後半になってからってのはキツい。後半になれば、ハマ・ムド系を使わずとも、陽介の開幕マハガルダインで敵一掃とか可能なので、あんまり使いどころが無かった。もっと序盤で登場させて欲しかったです。

 

◇ マリー

 個人的に、女キャラで千枝の次に好きなのはマリー。

 ちょっと自己中の性格なんですが、放っておけないと思わせる不思議な魅力を持っています。多分それが製作側の意図だと思うので、見事にハマっちゃいましたね。主人公の前だけデレデレするのはご愛嬌ということで。

 ただ、一つだけ疑問点を挙げるとすれば、主人公以外のキャラが、皆マリーに好感を抱いていく構図は見ていて「え?」って感じでした。別にマリーって一緒に戦うわけでもないですし、普段から付き合いがあるわけでもない。いくらP4Gの登場人物が良い奴らばかりとはいえ、こんな自己中の奴と、例外なく仲良くなれるってどんだけだよ・・・。

 

◇ 堂島 遼太郎

 堂島さん、1年間お世話になりました!主人公が一番御礼を言わなきゃいけないのは、間違いなく堂島さんですね。

 本当に良い保護者です。主人公からしたら親戚の叔父さんに当たるわけですが、実の親子じゃないんだから、正直主人公のことをもっと放任しても良いのに、夜の外出禁止等、預かった以上、ちゃんと育てようとしているところは尊敬します。

 同僚の足立に対して終始厳しい態度ですが、実は同僚思いの一面があるところも垣間見えるので、やっぱ堂島さん良い人だなって感じます。

 

◇ 堂島 菜々子

 この子、本当に小学1年生か!?って思うぐらいにしっかりした女の子。

 巷では「ナナコン」なんて俗語も生まれるぐらい菜々子ちゃんにハマる人続出なんですが、いやはやゲームをプレイしてみて、その理由が分かる気がします。こんな妹がいたら、誰でもシスコンになりそうですね。それぐらい全ての言動が可愛い。

 個人的には、ペルソナ使いになって戦闘に参加して欲しかった(笑)

 

◇ 一条&長瀬

 バスケ部とサッカー部のナイスコンビ。この2人の掛け合いも見ていて面白かった。

 1周目はバスケ部を選択して、一条のエピソードをプレイしたんですが、もし2周目をプレイするならサッカー部ですね。こういう2周目の楽しみ方を与えてくれるだけでもこの2人良いよ、うん。

 個人的には、一条&長瀬と、特別捜査隊との絡みを見たかったなーと思う。あと、一条の声が顔に似合わずかなり渋かったので、運動部のコミュ活動をする度にちょっと笑ってしまった(笑)。

 

結びに

 ちょっと辛口レビューの部分もありましたが、とにかく学園ジュブナイルRPGとしては、他の追随を許さないレベルのゲームであり、僕と同じようにペルソナ3でつまづいた人でも是非一度はプレイして欲しいと思います。冒頭にも述べたとおり、今更感が強いですけど。

 

 んで、ここから先は、願望も込めて。

 今後、ペルソナ5が、PS3とPS4で発売されるわけですが、ペルソナ3・4をスマホやタブレットのゲームとして移植出来ないのかなーと日々感じています(カードゲームのようなソシャゲではなくて、ペルソナシリーズそのもの)。

 例えば、以前紹介した ケイオスリングス3 は、PS Vita版とiOS版/Android版の両方でリリースされていますし、技術的に不可能ではないと思うんです。

 

 と、こんな事を言いますのも、今回P4Gをプレイするに当たって、一番の障壁になったのはゲームハード機でした。現状、P4Gをプレイするためには、PS Vita しかないわけですから、何とかしてこのハード機を用意しなくてはいけません。ですが、P4Gのためだけに2万円近くもする PS Vita を購入しようとはさすがに思えませんでしたし、既にスマホやタブレットを所持している人にとっては、全てそちらの端末だけで完結させたいと思うんじゃないでしょうか(なお、PS Vita には、ブラウザ閲覧機能やメール機能などが付いていますが、全て蛇足のように感じます。スマホ・タブレットを持っている人からすれば、これらは不要です)。

 ましてや、これだけスマホが普及したのですから、マーケットの規模からしても、スマホ所持者をターゲットにしないのは、なんかズレているような気がします。ペルソナぐらいネームバリューのあるタイトルであれば、有料アプリでも十分成功すると思うんですけど、どうなんですかね。

 

 僕はPS3もPS4も持っておらず、しばらく購入する予定もないので、ペルソナ5をプレイするとすれば、ずっと先になりそうですが、その頃には、スマホやタブレットのゲーム市場も変わっていて、普通にプレイ出来るようになっていることを願いつつ。今日はこのへんで♪