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ちょっと気になる最近のフリゲーをプレイしてみた。

フリゲーをもう一度・・・

 前回、昔プレイしてみて面白かったフリゲーを紹介する記事を書いたんですが、そんな記事を書いているうちに、「最近のフリゲーってどうなんだろう?」と気になり始め、比較的新しい作品をプレイしようと思い立ちました(フリゲーにハマっていたのは随分と昔の話であり、最近の作品をよく知らなかったので、丁度良い機会だと思いつつ)。

 

 正直、どれが人気の高い作品なのかよく分からず、レビューサイトや人気の実況動画などを参考にしながら、「あ、面白そう」と思った作品をプレイしてみたので、そのレビューを書いてみます。ネタばれはしない方向でいきます。

※ 一応、全部クリアしましたが、一部攻略サイトを参考にしながらクリアしたものもあります。

 

 

Margikarman(マージカルマン)

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(画像引用元:http://yuyak106.wix.com/area106

・制作者:ゆうやけ 様

・ジャンル:RPG

・公開年:2013年

・クリア時間目安:7時間程度

 

どんなゲーム?

 現世にやり残した事・思い残した事のある死者が、<境界人>となって、狭間の世界と現実世界を行ったり来たりしながら、己の死と向き合い、前へと進んでいく異色の学園RPGです。

 近年公開されたフリゲのRPGの中でも特に高い評価を受けており、雰囲気のある絵に惹かれたので、思わずDLしてプレイしてみました。

 

猶予システムについて

 まず、このゲームの大きな特徴として、HPが「猶予」という独自の固有名詞で呼ばれており、この猶予の回復手段が極めて限られているという点を挙げることが出来ます。シナリオの枠組みとしても、猶予が無くなってしまうと境界人は消滅してしまう・・・みたいな設定になっていて、がっつり物語に絡んでいます。これが作品全体を通して凄く良いアクセントになっていたと感じました。というか、この点が全てと言っても過言じゃないくらい。

 

 初めから猶予が8000ぐらいあったりするので、一瞬「HP高っっ!」と思うんですが、徐々に回復手段がほとんど無いという事に気づき始めます。一般的なRPGで言うところの宿屋みたいな施設はありませんし、希少価値の高い回復アイテムにしても回復量は雀の涙。こういう重大な事を敢えて説明せず、プレイヤーに気付かせるという手法を用いたのは巧いと思いました。

 まあ、序盤に出てくる敵は大して強くないですし、戦ったところで大したダメージも受けないんですが、出来れば無駄な戦闘は避けたいという心理が働きますし、常に猶予を気にする事になるので、独特の緊張感を楽しむことが出来ます。限られた回復手段の中で、どうやって戦闘を組み立てていこうか・・・と。これは作品全体を引き締める効果として、大成功だったんじゃないでしょうか。

 

 また、序盤において、アイテムでしかHPを回復させる手段が無いわけですが、主な回復アイテムの入手方法が「モブキャラに話しかけること」となっており(夜のお店でも購入可能)、積極的にモブキャラと会話する必要があります。そして、モブキャラとの会話によって進行するサブクエストなどもあるため、「回復アイテムを入手すること」と「サブクエストを進行させること」が見事に連動しているんですね。ここらへんのゲーム構造は凄く巧いと感じました。

 もっとも、モブキャラとの会話が必須のような作りにしてしまうと、あちこち移動する羽目になって、下手するとダレる原因になってしまうのですが、そこらへんについても、このゲームは見事に解決策を用意しています。ゲーム後半になると、「フィールドや街を歩くと自動でHPが回復する」というチートスキルが手に入るため、プレイヤー自身が、「HPを回復するついでにモブキャラに話しかけてサブクエストを進行させる」というプレイ方法へと変化させる事が可能なんです。「モブキャラに話しかけるのが面倒臭いなぁ」と感じ始めた頃に、このスキルが手に入るため、思わず感心してしまいました。プレイヤーを飽きさせないようにする作りとしては本当に巧いですね。

 ちょっと分かりづらい説明かもしれませんが、プレイしてみたら猶予システムのバランスの良さに気づくと思います。

 

戦闘システムについて

 うーん。特に目新しいとは感じませんでした。

 ザコ敵なら物理攻撃オンリーでもなんとかなりますし、ちょっと手強い敵だと、ガードしながらTPを溜めて→強力な固有技というワンパターンになりがちです。通常攻撃に状態異常が付加されたりするのですが、せっかく状態異常にしたのに、同一の敵を攻撃して状態異常が解除されることが多く、「これ、何の意味があるの?」と思うことがしばしば。

 あと、後半になるとスキルが強力になって、「これバランス大丈夫かな?」と心配になるんですが、そのぶん敵もめちゃくちゃ強くなるので、バランスは保たれていると思います。ただ、後半に出てくるボス敵は、ほとんど「状態異常無効」と「物理無効」のワンパターンで、どのボス戦も戦略が共通していたのが惜しまれるところです。

 もっとも、固有技を発動するときに挟まれるボイスが良い感じでした。あと、ボス戦では胸熱展開が多く、戦闘もストーリーテリングの一部と捉えるのであれば、凄く良い味出していたと思います。

 

グラフィック・BGM

 BGMはめちゃくちゃ良かったです。BGMを聞くためにこのゲームをプレイしても良いぐらいのレベル。また、キャラデザを含めたグラフィックも綺麗だと思いました。元々そこに惹かれたわけですしね。

 ただ、少しだけ残念だったのは、背景がどこかで見たことのあるフリー素材を多用されていたことです。主人公はカメラが趣味っぽいので、フリーのイラスト素材ではなく、オリジナルの写真素材を使っても良かったのでは?と思いました(主人公が撮影した街の風景・・・という感じで)。ところどころ印象的な写真素材を使用されていたので、個人的には全て写真素材で統一して欲しかったです。

 

シナリオやキャラ描写

 個性的なキャラクターたちが、時にはギャグ要素満載のお馬鹿なトークをしたり、時には思い出を振り返ってしんみんしたり、またある時には力を合わせてシリアスな問題へ立ち向かったり・・・。キャラクター同士の掛け合いを見て楽しむというタイプのシナリオで、王道の青春学園モノって感じです。

 物語最終盤の展開は、「え!?マジで??」と非常に驚かされましたし、素直に感動しました。このゲームが人気なのも分かる気がします。

 

 ただ、基本的に主要キャラ全員がプラス思考の明るい性格なので、そういう性格のキャラ同士が会話しても、会話の着地点が直ぐに読めてしまったのは残念。あまり意外性はなく、肝心の会話内容が冗長に感じました。キャラを一人一人の単体で見れば、凄く良い味を出しているんですけどね。

 個人的には、もっと色んな性格のキャラクターを登場させ、「このキャラとこのキャラが絡んだら、どんな化学反応を起こすんだろう?」とプレイヤーに想像をかきたたせるような余地があれば良かったと思いました。

 

 また、「死」という重いテーマを扱っているにもかかわらず、登場人物たちはやたらと楽観的なので、作品全体を通して、閉塞感や危機感といった雰囲気はほとんどありません。何か問題が起こっても、プレイヤーがその問題の意味を考え、自分の中で消化していく前に、登場人物たちの間で実にスピーディーに事案処理されていくため、気づいたら既にトラブルが解決していたという事もしばしば。

 「死」という事実を乗り越えるための葛藤や苦悩も描かれているのですが、その描写がさらっとしているため、「死に対する向き合い方が軽すぎないか・・・?」と感じてしまい、安っぽい印象を受けました。その点は凄く残念です。ただ、暗い雰囲気が苦手な人であれば安心してプレイ出来る内容だと思いますし、そういうプレイヤーをターゲットにした作品として見るのであれば、十分成功していると思います。

 

  

Chime

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(画像引用元:https://sites.google.com/site/galantigame/chime

・制作者:galanti 様

・ジャンル:ミッション遂行型アドベンチャー

・公開年:2013年

・クリア時間目安:10時間〜20時間

 

どんなゲーム?

 露麻町という海沿いの小さな街で起こった3日間の出来事を、色んな主人公の視点から追っていくゲームです。時間軸が複雑に交差しており、ある時間軸での行動が、後の時系列における別のキャラに影響を及ぼすという、いわゆる「ザッピングシステム」を採用しています。

 「ミッション遂行型」とある通り、各ステージにそれぞれクリア条件というものがあって、鬼ごっこをしたり、謎解きをしたりします。

 こういったザッピングシステムのゲームをプレイしたことがなく、レビューサイトでもとても人気だったので、興味本位でプレイしてみました。

 

ストーリー・キャラ描写

 まず、ストーリーは青春群像劇という感じで、見ていて大変微笑ましく、全てのストーリーを見終わった後に、何とも言えない爽快感が残ります。ゲームをプレイしていて、これだけの爽快感を味わったのは本当に久しぶりです。メインストーリーの部分は、間違いなく太鼓判を押せるレベルですね。

 誰にでも経験のある「ほろ苦い初恋」が、作品のテーマ的なものとなっているのですが、キャラ描写がとても秀逸で、愛着の湧くキャラクターが沢山登場するため、「このキャラはどんな結末を迎えるのだろう」「このキャラには幸せになって欲しい」と、自然と応援している自分が居ます。

 物語の収束のさせ方、伏線の回収の仕方も申し分なし。恋愛モノが極端に苦手な人でない限り、オススメ出来る内容です。ただ、ちょっとだけ欲を言えば、もっと色んなキャラの組み合わせを見てみたかったなと思いました。それぐらい魅力的なキャラが多かったので。

 

ザッピングシステムについて

 各ステージには、クリア条件というものがあり、基本的には、それを達成することが別のシナリオの解放条件となっています。また、フラグを回収し損ねているステージは、プレイヤーに分かるようになっているため、そういう意味ではとても親切なゲーム設計でした。

 ただ、そういうゲーム構造になっているためか、シナリオ解放条件が事前に分かってしまい、「あー!あの時の行動には、こういう意味があったのか!!」といった驚きはあんまり無かったです。どちらかと言うと、「あ、やっぱりね」という感じです。

 多分、そういう作りにしないとプレイヤーがフラグに気が付かず、大量のフラグを残したまま、シナリオが進行する事に繋がりかねないからだと思うんですが、物語をもっと細かく分岐させてマルチエンディングにするとか、キャラ全員の個別ENDが見れるとか、もう少し工夫の余地はあったんじゃないかなと思います。シナリオ構成上、一つの結末に向かって収束していくという形になっているため、ある程度仕方ない部分はあると思いますが、同じシステムを用いた別の作品もプレイしてみたいです。

 というわけで、時間と手間を掛ければ、もっともっと面白くなる可能性を秘めたシステムだと感じました。

 

ミッションについて

 その難しさもさることながら、とにかく面倒臭いミッションが多くて、途中で投げ出しそうになりました。このゲームで一番苦言を呈するとすればこの点でしょう。制限時間のある鬼ごっことか本当に苦行です。

 後半になると複雑なミニゲームもクリアしなければならないのですが、ミニゲームの説明が十分ではなく、しばらく頭を抱え込み、何度も何度も失敗しながら、試行錯誤を繰り返し、やっとこさミニゲームの趣旨を理解できた時は、さすがに理不尽だと思いました。更に運要素もあったりするので、人によってはかなりイライラするかもしれません。

 最新バージョンでは、アクションゲームが苦手な人のために、即クリア出来るシステムも追加されているのですが、それをやっちゃうと達成感も何も無いので、ちょっと考えものですね。それならミッション自体の難易度を調整出来るようにした方が良いと思います。

 ・・・ただ、後半の塔内探索ミッションにおいて、人気ゲーム「ICO」のオマージュとも取れるシステムを採用していたのは、思わずニヤッとしてしまいました(笑)

 

 

霧雨が降る森

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(制作者様サイト:http://nanos.jp/hskzkrnkrn/

・制作者:星屑KRNKRN 様

・ジャンル:探索型ホラー

・公開年:2013年

・クリア時間目安:3時間程度

 

どんなゲーム?

 事故で両親を亡くしてしまった主人公(神崎シオリ)が、両親の部屋で偶然にも古い写真を発見するところから物語が始まります。その写真には、「阿座河村」という地名が表記されており、近しい親戚縁者の居ない主人公は、両親の面影を追い求めて、阿座河村を訪問するのですが、その村は・・・。

 といった感じのあらすじのホラーゲームです。僕は普段ほとんどホラーゲームをプレイしないタイプの人間でして、バイオハザードとか、最初の30分ぐらいで余裕で挫折しちゃいますし、フリーホラーゲームの金字塔である「青鬼」とかは、実況動画を見て満足しちゃったクチです。はい。

 ですが、こちらの作品は、「それほど怖くない」といったレビューも見受けられ、更に謎解きもそれほど難しくないということだったので、プレイしてみることにしました。あらすじだけ読んで凄く興味が湧いたので。

 

ホラー要素的なもの

 うーん。あんまり詳しく書いてしまうとネタバレになってしまうので書けませんが、確かに中盤以降はあまり怖くありません(ホラーゲームに慣れている人だったら序盤から怖くないかもしれません)。上述の通り、ホラーゲームが苦手な僕がそう感じたのですから、多分間違いないです。そうは言っても、序盤はドキドキしながらプレイしましたけど!(笑)

 青鬼みたいな追いかけっこもありますし、グロ表現もあるのですが、そんなにしつこい感じではないので、徐々に慣れていきます。また、得体の知れない悪霊に追いかけられて、ただひたすら恐れ慄く・・・という感じではなく、途中からは考察がメインになってくるので、まるで小説を読んでいるような感覚に近いです。

 言ってしまえば、3時間程度で読み終えることのできる、民俗学的要素を含んだホラー小説、といった感じでしょうか。個人的には、このぐらいのホラー度だったので非常に助かりました。

 

謎解き要素的なもの

 ホラーゲームや探索アドベンチャーゲームなどに慣れている方でしたら、このゲームの謎解きは、あってないようなものだと思います。

 多分・・・ですが、テンポよくシナリオを見せるために、敢えて謎解き要素を簡素なものにし、その数も少なくしているんじゃないかなーと勝手に想像しました。がっつり謎解きをしたかったわけではないので、僕はこれぐらいの感じで丁度良かったです。

 

ストーリー・キャラ描写

 5種類のマルチエンディングとなっており、真ENDは素直に感動出来ます。

 特に、主人公のシオリちゃんと須賀君の関係が何とも言えない切ない感じで、別ENDでは、思わずウルッとする場面もあります。この2人の関係性が、個人的にツボ過ぎました。

 ただ、行動範囲が限られている上に、登場人物がかなり少ないため、阿座河村の全体像がぼんやりしたまま終わってしまったのが残念でした。資料館と森以外には出歩くことは出来ませんし、シオリちゃんと須賀君以外の登場人物は、中学生の佐久間ちゃん、望月巡査、村の役人の3人しかおらず(回想シーンで登場するキャラも居るが)、阿座河村にどんな人達が暮らしていて、村に伝わる伝承がどのように受け止められているのか、といった部分については、ゲームをプレイしている限りよく分からない感じになっています。曰くつきの村を舞台にするなら、そういった部分も細かく描写して欲しかったなーと。

 あと、ネタバレになってしまうので、具体的には書けませんが、説明不足で終わっている箇所がいくつか散見されます。「あの時のあのキャラの行動は何だったんだろう?」とか、「あの文献に記されていたあの内容は結局何だったの?」といった具合に、プレイヤーに抱かせた疑問が放置されたまま終わります。これって、小説などを読んで下さいってことなんでしょうか。うーん。

 

 

デンシャ

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(制作者様サイト:http://wheat.x0.to/game/densya/

・制作者:小麦畑 様

・ジャンル:探索アドベンチャー

・公開年:2013年

・クリア時間目安:2時間程度?

 

どんなゲーム?

 電車の中をウロウロと探索しながら、シナリオを追っていく感じのアドベンチャーゲームです。①エンディングが1種類しかない、②ゲームオーバーがない、③ホラー要素がない、④サクッとプレイ出来る、というのが特徴ですね(若干ホラーっぽい描写があるような気もしますが)。

 色んなレビューサイトで軒並み高評価を受けていたので、凄く気になって思わずプレイしてみました。後で気づいたんですが、こちらのゲームを作られた 小麦畑さん という同人ゲームサークルは、「冠を持つ神の手」など、超人気作品を手がけてこられたようですね。

 

謎解き要素について

 そんなに難しくない・・・という謳い文句を掲げておられますが、最初は「え?ほんとに?」と戸惑うぐらい、謎解きの仕組みを理解するのに若干時間が掛かりました。謎解きのセンス無いみたいです、はい。。

 ただ、プレートの回転の仕組みに気づいてからは、サクサクとゲームが進むようになるので、クリアまでの時間はきっちり2時間ぐらいでした。

 何て言うか、凄く凝ったギミックですし、物語・シナリオとも上手く調和していて、この不思議なデンシャの世界への没入感を助長しているように感じました。過去にプレイした謎解きゲームの中でも、トップクラスに印象的に仕掛けでしたね。

 

シナリオ・演出

 ラジオから流れる昭和歌謡曲、スイカ、蚊取り線香、モノクロテレビ・・・。

 レトロな昭和の雰囲気を前面に押し出したような、どこか昔懐かしい感じがする日本人の心の原風景を見せてくれるような、そんな演出です。これがまあ本当に良い感じなんですよ。

 誰かの思い出を振り返るようなシナリオを追っていくんですが、最後は圧巻。鳥肌が立ちました。よくまあ、フリーゲームでこれだけのクオリティのものを作れるなと思わず感心してしまうほど。

 

とりあえず、今回はこんなところで。