箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

人との繋がりの大切さを感じた話。

人との繋がり

 現在、駅から徒歩20分ぐらい離れた物件に住んでいるんですけど、さすがに毎日歩いて通勤するのもしんどいので、自転車を使っているんですね。雨の日とか、すっげー大変ですけど。

 んで、安物の自転車だったせいか、あるいは、俺の使い方が悪かったせいか、備え付けの鍵の接触が段々悪くなってきたんです。うまく閉まらないといいますか。そこで、ワイヤーロック式の鍵を購入し、それを使ってました。

↓ こういうやつです。

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 購入したときに、合鍵が一つ付いてきたんですけど、それを別に保管せず、そのまま本鍵と一緒にくっつけてました(皆さん、絶対合鍵は別に保管しておきましょう)。

 

 ある日のこと。いつものように、駅前の駐輪場から家に向かって自転車を走らせてました。ワイヤーロック式のチェーンは前カゴに入れて、鍵は挿しっぱなし。マンションの駐輪場に到着し、自転車を停め、前カゴからチェーンを取り出して、後輪に施錠した瞬間。俺は気づいてしまいました。

 

あれ…鍵がない…(;・∀・)

 

 チェーンに鍵が付いていないんです。10秒ぐらい固まりました。ポケットの中や鞄の中も調べましたが、あるはずありません。だって、いつもチェーンに挿しっぱなしにして、そのまま前カゴにポイですもん。おそらく、走っている途中で、鍵だけ取れてしまったのでしょう。既述のとおり合鍵は別に保管していません。ということは、ということです。

 

鍵を開ける術がないんです。

 

 次の日が休みとかならまだしも、その日は月曜日。もちろん次の日には仕事があります。かと言って、家にはノコギリやペンチもありませんし、暗い夜道を引き返して、鍵を探す体力も気力もありません(というか、見つけるのはほぼ不可能だろう)。その日はもう断念するしかありませんでした。

 

あなたは神か…。

 ネットで調べてみたところ、こういったワイヤーロック式のチェーンは、自転車屋のほか、警察や消防署でも切ってもらえるということが分かりました。それだけでなく、自転車屋によっては出張サービスなどもやっているそうです。しかし、そのような自転車屋は近くになく、警察・消防署も駅前まで行かないとありません。

 ということで、週末になったら切りに行こうと思い、次の日から金曜日まで、徒歩で通勤する日々が始まりました。辛かった…。実に辛かった。良い運動にはなったけど。

 

 んで、いよいよ休みの日になり、後輪を持ち上げた状態で自転車を駅前まで持っていくことにしました。これ、ほんと地味にキツイんすよ。ヨイショヨイショと、途中休みながら、自転車を運んでました。

 

 すると、散歩中のおじさんが、ジロジロとこっちを見ているじゃないですか。やべえ。盗難車を運んでいるように見えるのかな。。白昼堂々と自転車窃盗なんてしないよっ!おじさん!ていうか、自転車窃盗自体しないよっっ!!(笑)

すると、

 

「兄ちゃん、どうした?」

 

 と、声をかけてくれました。「え?」と思いつつ、事情を説明すると、

 

「俺ん家、すぐ近くだから、そこまで持ってきな。チェーン切ってやるよ」と。

 

 

 あざっっす!!!!!(`;ω;´)

 

 

 ほんと感謝の気持ちしかなかったですね。ほんの1〜2分で、そのおじさんの家に到着し、家からペンチを持って下さり、その場でパチン。無事、俺の自転車は本来の機能を取り戻しました。何度も御礼をし、謝意を告げると、おじさんが一言。

 

「礼なんか要らねえよ。人との繋がりってそういうことだろ?」

 

 

 (`;ω;´)

 

 

 当たり前のことだと思っていましたが、ついつい忘れていました。人との繋がりの大切さや、人の温かさ。困っている人、悩んでいる人に手を差し伸べる勇気と心遣い。世間では心を痛めるニュースを毎日のように目にしますが、今回の件を機に、再度、自分は本当に大切なものを再認識したように思います。今度は失くさないようにしよう。一番大切な鍵を。