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とある法務部員の備忘録。

某IT企業に務めるお気楽法務部員が、法律、ゲーム、生活、その他諸々を書き綴っております。

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取引の事情も調べずに契約書修正してくんなよって話。

法務

ちょっと怒っています。

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 企業法務をやってると、相手方から契約書の修正依頼を受けることがあります。

 至極真っ当な修正依頼の場合もあれば、自分たちに有利になるように修正依頼を出してくるケースもあります。んで、それは別に良いんです。というか普通です。お互いの妥協点を探りあう交渉の場として、法務として腕の見せ所でもありますから。

 

 しかしですね。たまーに、意味の分からない修正依頼がくるケースがあるんですよ。今回は、この意味の分からない修正依頼について、ちょっと憤りを感じている…という話をしたいと思います。

 

取引内容をちゃんとヒアリングしたのか!?

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 通常、契約書は営業担当者が最初に受け取り、そのあと法務のところに回ってきます。このとき、「契約書チェックお願いしまーす」ぐらいの軽い感じで、営業担当者は中身を見ていないことがほとんどです。その後、法務がレビューするわけですが、必ず営業担当者へのヒアリングを行います(少なくとも自分は)。どんなに定型的な取引だったとしても、です。

 「なぜこのような条項が入っているんだろう」と疑問に感じたら、「パワーバランス的にうちが弱いのかもしれない」「今回取り扱う案件は少し特殊なのかもしれない」「営業担当者レベルで既に合意されているのかもしれない」と、ありとあらゆるケースを想定します。このような想像力が欠けている人は、はっきり言いますが法務失格です。

 営業担当者は、自分から取引の詳細内容を説明しないといいますか、それが契約書をチェックするうえで、重要な要素であるという認識を持っていないことがほとんどです。だからこそ、法務がヒアリングを行い、取引内容を聞き出す必要があります。それが法務の責任だからです。ヒアリングをしているうちに、「え、そうだったの!?」と驚くような事情が出てくることもあります。

 

ケース① 外部弁護士による修正

 ある日のこと、先方から契約書の修正依頼があり、見てみると、ほぼ全ての条項に手直しが加えられていて、そのいずれも先方が有利になる条件でした。ご丁寧なことに、細かい文言の微調整まで入れて(「その修正要る?」と思うようなものばかり)。よく見ると、コメント欄に「○○○法律事務所」という表記があり、「ああ、社内に法務がいないから、顧問先の事務所に依頼したんだな」と理解しました。

 ところが、既に営業担当者ベースで合意されているはずの条件まで反故にされているではあーりませんかー。すぐに営業担当者に確認し、営業担当者から先方に連絡すると、「すべて顧問事務所に丸投げしていたため、担当の弁護士が取引内容を理解していなかった」との返答とともに、「大変失礼しました。すべて原案通りで構いません」と謝罪されました(お言葉に甘えて、全て原案で飲んでもらいました)。

 

 このケースは、社内に法務担当者がおらず、顧問先の事務所に契約書を丸投げしちゃったっていうパターンです。特に取引の詳細内容を説明することなく。しかし、その後、担当となった弁護士が、取引内容をヒアリングすべきだったところ、忙しかったのか面倒くさかったのか理由は知りませんが、それをせずに、全て依頼者に有利になるように契約内容を修正し、「はい、これでいいでしょ」と言わんばかりに、契約書を投げ返してきたわけです。既に合意されているはずの条件までちゃぶ台を返して。

 先方の営業担当者が、さすがにマズいと思われたのか、こちらの原案で飲んでくれましたが、もしそこで突っぱねていたとしたら、取引自体が白紙になっていたかもしれません。もし、そうなっていたとしたら、どこぞの弁護士か知らないけど、あんた…

 

どう落とし前つけるつもりや、ボ〇ェ!!!

(# ゚Д゚) by アウトレイジ ビヨンド

 

 何でもかんでも依頼者に有利になるように契約書を修正したら、それが全て依頼者の利益になると思っていたら大間違いですよ。取引が白紙になっちゃうリスクだってあります。

 てか、ちゃんと取引内容をヒアリングして、修正ポイントを絞って交渉していれば、修正に応じることができた部分もあったかもしれないのに、それを省いちゃったために、全て原案で妥結することになり、結果として、依頼者に不利益になっちゃったわけです。あーあ。

 

ケース② 社内法務による修正

 上記のケースは、外部の弁護士による修正であったため、うまくコミュニケーションが取れなかったという事情があったかもしれません。ですが、ちゃんと社内に法務部が存在しているにもかかわらず、営業担当者とろくにコミュニケーションを取っていないというケースにも出くわします。

 ある取引先から契約書の修正依頼があり、内容を確認すると、うちが負担している業務を出来ないようにする条項が入っていました。「あれ?取引内容が変わったのかな?」と思い、営業担当者に確認すると、「いや、そんなことはない」との返答が。早速、先方に確認すると、「取引内容を法務に伝えていなかった」とのこと。

 ああ、なるほどね。てかさ、法務さん。同じ社内にいるんだったら、

 

営業担当者のところまで行ってヒアリングぐらいしろや!!コミュ障か!てめぇは!!(# ゚Д゚)

 

 すみません。取り乱しました。でも、基本的な取引内容をヒアリングせずに、契約書に修正を入れるとか、自分には信じられません。「正気ですか?」と、問い詰めたいです。自分の部下だったら、厳しく指導してますよ。はい。

 

法務としての自覚と責任を持とうよ。

 偉そうに言える立場にないですけど、法務なんだったら、最低限の自覚と責任を持ってほしいです。法務1年生のときに上司や先輩から習ったはずです。それが出来ていない法務さん、ほんとに相手の反感を買ってますよ?

 あと、外部の弁護士さん。依頼者の利益って何なのか、もっと考えてから契約書を修正してください。いやほんとまじで。