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【バンコク初心者向け】バンコク旅行で参考になりそうなことを書いてみる。

はじめてのタイ(バンコク) 

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 GWに初めてタイ(バンコク)へ2泊3日の旅行に行ってきたので、これから初めてバンコクへ旅行するという、バンコク初心者の方にとって参考になりそうなことを書いてみたいと思います!なお、2017年5月時点での情報です。現地の最新情報は、適宜ご確認ください。

 

※注1 今回の記事は、何度もバンコク渡航されている方にとっては常識的な話ですので参考にはならないと思います。悪しからず…。

※注2 本記事に掲載している画像は、筆者が撮影したものであり、無断でのご使用はお控えください。また、引用される際は公正な慣行に従い、引用元を明示するなど、適切なご引用をお願い致します。

 

1.エリア別

 バンコクは、大きく分けると、①スクンビットエリア、②王宮・カオサン通りエリア、③シーロムエリア、④サイアムエリアに分かれています。ほとんどのガイドブックでも、こういうエリア分けをしていると思うので、これに沿って、それぞれのエリアの特徴や注意点などをまずはご説明します。

 

スクンビットエリア(ナーナー、スクンビット、プロームポン、トンロー周辺)

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(ナーナー駅近くの交差点)

 

 スクンビットエリアは、BTSスクンビット線沿いに形成されたいかにもバンコクらしい車やタクシーが激しく行き交うストリート(スクンビット通り)です。地理的に言いますとバンコクの東部エリアですね。

 スワンナプーム空港から電車で行く場合は、空港の駅からエアポート・シティ・リンクに乗ってマッカサン駅まで行き、MRT(地下鉄)に乗り換えてスクンビット駅で降りるか、終点のパヤタイ駅まで行って、BTSスクンビット線に乗り換えてアソーク駅(スクンビット駅の乗換駅)ぐらいまで行くか、どちらかでしょう。

 

 このエリアでの楽しみ方は、ずばり「街歩き&リフレッシュ」です。何の目的もなくブラブラしてもいいですし、ガイドブックに載っているお店でタイ料理を堪能してもいいですし、スパやタイ古式マッサージを体験してもいいですね!

 

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スクンビット駅前のショッピングモール Terminal 21)

 

 スクンビット通り沿いには、上記写真のように大きな商業施設やホテルがあり、少し路地に入れば地元のタイレストランなどもあります(ただし、女性1人の場合は、下手に小さな路地に入ったりするのは避けた方が良いと思います)。

 

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 プロームポン駅の近くには日本人街があり、↑こちらはプロームポン駅から徒歩10分ぐらいの場所にある日本人の方が経営している「ニア イコール」。外観からしてオシャレ〜なお店です♫(有名なお店ですので、大抵のガイドブックには載っています)。

 1階が雑貨屋になっており、2階がレストランという感じです。日本人観光客向けの可愛いタイ雑貨が置いてあり、タイ雑貨のお土産も購入することができます。また、日本語がほぼ通じますので、オーダーも日本語でOKです。英語やタイ語に自信のない方でも安心して訪店できますよ。

 日本食もありますが、地元のタイ料理もバッチリ堪能できます。ちなみに、上記写真は、筆者がオーダーした「グリーンカレー炒飯」。めちゃくちゃ美味しかったです!

 

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 ↑こちらはトンロー駅前の屋台街。タイの屋台を堪能したいのであれば、ここがオススメです。100〜200Bぐらいあれば、あれこれ食べられて満腹になります。

 あと、注文は指差しで大丈夫です。数字ぐらいなら英語でも通じますし、屋台の人も観光客慣れしているので、コミュニケーションは心配要りません。

 

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 ↑ここの屋台で注文したカオマンガイバンコクに来たら一度は食べてみてください!

 

 その他、スクンビットエリアには、タイ古式マッサージやスパを堪能できるお店が結構あります。筆者は、プロームポン駅から南へ徒歩15分程度の場所にある『リフレッシュ@24』というお店でマッサージを受けてきたんですが、店内はめちゃくちゃ綺麗ですし、マッサージは最高ですし、かなりオススメです。

 

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 ↑プロームポン駅の近くには、こんな感じの公園もあります(ベンジャシリ公園)。芝生の上に寝転がってお昼寝している人もたくさんいました。タイの日中はうだるような暑さなので、街歩きに疲れたら公園でのんびり過ごしてもいいかも。

 

② 王宮・カオサン通りエリア

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 王宮・カオサン通りエリアは、バンコクNo.1の観光名所である三大寺院(ワット・ポー、ワット・アルン、ワット・プラケオ)のほか、バックパッカーが集う有名なカオサン通りがある西部エリアです。チャオプラヤー川沿いに形成されており、ボートでの移動も可能。このエリアでの楽しみ方は、言うまでもなく「観光名所巡り」ですね。

 

 なお、このエリアを巡るのであれば、①ワット・プラケオ(王宮)→②ワット・ポー→③ワット・アルン→④カオサン通り周辺という順に巡るのをオススメします(その逆のルートでもいいですが)。

 と、言いますのも、ワット・アルンに行くためには対岸までボートに乗るしかなく(4バーツ)、ワット・ポー近くの船着場からしか行けません。また、王宮エリアからカオサン通りまでは若干距離があるので、タクシーやトゥクトゥクを使ってもいいですが、ボートで行くほうが便利です(ワット・アルンの船着場から、プラ・アティットというカオサン通り最寄りの船着場まで行けます)。

 ですので、ワット・ポーの隣にあるからと言って、先にワット・プラケオから巡ると、ワット・アルンに行くために、再びワット・ポーまで戻らなくてはならず、後々面倒臭いことになります(筆者はまさにこれでした笑)。

 

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 王宮エリアに朝早く到着したため寺院内に入れず、ワット・ポー周辺をぶらついていたら路地にこんな感じの市場がありました。

 

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 朝早く到着しても、周辺にはモーニングを食べられるお店もあるので大丈夫。写真は筆者の朝食。

 

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 ワット・プラケオ&王宮の入場口。「NO ENTRY」と書いていますが、IDチェックを受けたらちゃんと入場できます(パスポート必携)。テロを警戒してか、チェックは厳し目でした。

 なお、昨年10月にプミポン国王陛下が崩御されましたが、未だに追悼に訪れる人が絶えず、喪服姿のタイ人の方がたくさんいらっしゃいました(観光客は喪服じゃなくても大丈夫ですが、半ズボンやキャミソールなどの露出の多い服装はNGです)。

 

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 ワット・プラケオ&王宮の中は観光客でごった返していました(^_^;)

 ワット・ポーやワット・アルンはそうでもなかったんですけど、ワット・プラケオは格別に人が多いと思った方がいいかもしれません。そのため、スリには注意です。

 

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 ワット・アルンに渡るためのワット・ポー近くの船着場(ター・ティアン)。船着場の前にカフェがあったので、ちょっと休憩してからボートに乗りました。

 

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 対岸に渡るボートの中はこんな感じです。波があるので結構揺れますし、風が強いので帽子などが飛ばされないように注意してください。

 

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 向こう岸に見えるのがワット・アルン。なお、ワット・アルンを巡った後、カオサン通りに向かいたいのであれば、PIER2(PIER1は川を下るルート)から出ているボートに乗って、「プラ・アティット」という船着場を目指しましょう。

 

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 プラ・アティットは、こういった露店も軒を連ねています。

 

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 ここがカオサン通り。プラ・アティットからの距離は、徒歩15分程度といったところでしょうか。通り沿いには安宿や雑貨店、レストランが立ち並んでいます。写真では分かりづらいかもしれませんが、バックパッカーらしき人たちで賑わっており、めちゃくちゃ活気に溢れています。

 筆者は昼のカオサン通りしか知りませんが、夜も盛り上がるらしいので、もし機会があれば是非夜のカオサン通りも体験してみてください!

 

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 王宮エリアより南に位置していますが、もし時間があればアジア・ティークも!

 買い物も出来ますし、リバーサイドレストランで食事をしたり、ショーを観たり、観覧車に乗ったりできる複合型商業施設です。

 アジア・ティークへの行き方ですが、プラ・アティットからボートに乗ってサートーンという船着場の次の船着場が最寄りとなります。ボートのチケット売場や船員さんにはアジア・ティークまで行きたいと伝えましょう。所要時間はプラ・アティットから40分程度です。

 

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 アジア・ティークの中には色んなお店があります。結構広いのでブラブラ歩いて見て回るだけでも楽しいですよ(*^^*)

 

シーロムエリア

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タニヤ通り

 

 シーロムエリアは、MRTシーロム駅、BTSシーロム線・サラデーン駅周辺に形成された歓楽街(昼はオフィス街)であり、バンコクの中心に位置しています。「パッポン通り」は世界的にも有名な歓楽ストリートであり、雰囲気だけ味わってもいいかもしれません。このエリアでの楽しみ方は…。言うまでもありませんね。「夜遊び」です(笑)。

 

 上記写真は、日本人向けのキャバクラやカラオケ店が多く集う「タニヤ通り」です。日本語で書かれた看板がすぐに目に飛び込んでくるので、「あぁ、そういうところかぁ」といった印象を受けます。この通りを歩けばひっきりなしにキャッチが声をかけてきます。女の子と遊ぶ目的でもない限り、うかつに通らない方が良いかもしれません(正直、治安も悪いと思います)。

 

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 こちらは、パッポン・ナイトバザール。このパッポン通りには、いわゆる「ゴー・ゴー・バー」というキャバクラみたいなお店があり、こちらもキャッチによる客引きが盛んです。

 

④ サイアムエリア

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(セントラル・ワールド)

 

 最後にご紹介するサイアムエリアは、BTSサイアム駅を中心に形成されたショッピング街です。アクセスも便利ですし、バンコクの最先端を垣間見ることができます。このエリアでの楽しみ方は「ショッピング」ですね。

 サイアムパラゴン、セントラル・ワールドが有名ですが、他にも様々な商業施設が集中しており、外を出歩くのがしんどいのであれば、このエリアで買い物をしながら1日過ごしても良いかもしれません。

 

 タイのお菓子や、日本人観光客をターゲットにしたお土産も置いてあるので、会社の人にバラまくお土産はここで購入することをオススメします!

 

2.その他のタイ事情

 はじめてバンコク旅行に行く人のために、気になるタイ事情を色々ご説明したいと思います。

 

① 充電

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 海外旅行で気になるのはコンセントの形や電圧かと思いますが、プラグ・コンセントの形状は日本と同じAタイプです。ただし、電圧は220Vとなっており、電圧のみ日本と異なります。

 もっとも、iPhoneのように世界対応している電化製品であれば、変圧器などを使わずに何の問題もなく充電出来ますし、日本の電化製品でも、今は世界対応している製品が増えてきているので、一度身の回りの電化製品の対応電圧をチェックしてみてください。

 

② 国民性

 気性が荒く、がさつな印象を受けますが、基本的にタイ人は皆陽気で根は優しいです。自分は大阪出身なので、どことなく大阪人に通じるものを感じましたね(笑)。バンコクに滞在していて、嫌な思いをしたことは一度もありませんでした。

 また、バンコクは世界でも有数の観光都市なので、タイ人も外国人観光客の対応に慣れており、道を尋ねても笑顔で教えてくれます。

 

③ 言語

 公用語タイ語なので、基本的に会話はタイ語です。英語がどのくらい通じるかといいますと、

  • ホテル:通じる。
  • レストラン:通じる。
  • 屋台や地元料理屋:ほぼ通じない(数字ぐらい)。
  • コンビニ:ほぼ通じない(数字ぐらい)。
  • タクシー:通じない(たまたま英語で会話できるレベルの若いタクシー運転手に巡り会えましたが、年配の運転手はほぼ通じないと思ってください)。
  • その他観光施設:通じる。

 

 という印象です。観光施設で働いているスタッフのように、観光客の対応に慣れているタイ人は英語で会話できるレベルです。英語もタイ語も全然出来ないという人はしんどいかもしれませんが、英語が多少話せるという人であれば何とかなります。

 

④ 物価

 安いです。感覚的には5分の1ぐらいでしょうか。

 2017年5月5日現在の円バーツの為替レートは、1バーツ=3.2円ぐらいですが、例えば、ペットボトル水1本が5バーツぐらい(16円)であり、日本で500mlのミネラルウォーターを買おうと思うと、100円以上かかることを考えれば、めちゃくちゃ安いことがお分かり頂けるかと思います。

 その他、タクシーはぼったくられると言いますが、どんなにふっかけられても200バーツぐらい(約640円)です。この値段でひとつ先の駅に行くだけなら高い気もしますが、日本であれば2〜3000円程度かかりそうな距離でもこの値段ですし、値切るのが苦手な人でも、安心してタクシーやトゥクトゥクを利用出来ると思います。

 

 なお、クレジットカードが使える店は少ないので(ショッピングモールや高級レストランなどは除く。)は、現地通貨を多めに持っていくことをオススメします。大体の目安ですが、2泊3日の滞在であれば、4〜5万円分の現地通貨を持っていれば安心です。

 

⑤ 交通

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 バンコク市内での主な交通手段は、電車、タクシー、トゥクトゥク、バイクタクシーなど。東京みたいにどこへでも電車に乗って行けるというわけではありませんし、土地勘もないため、タクシー・トゥクトゥク利用がメインになると思います(王宮エリアまで電車は通ってないですし)。

 なお、ガイドブックを読むと、メーター制のタクシーが多数走っていると書いていますが、一度もメータータクシーを拾うことはできませんでした…。現地の人に話を聞くと、日本人観光客は値切るのが下手くそと思われているらしく、メーターで走るのは馬鹿らしいみたいです(笑)。

 そのため、タクシー運転手に行き先を告げ、値段交渉をする必要があります。英語が通じないため、紙とペンは必須です。

 

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トゥクトゥク

 

 あと、旅行プランを立てるにあたって、移動時間がどのくらいなのか分からないという人のために、大体の目安時間を書いておきます。

 

  • 空港→バンコク市内(電車):駅にもよるが40〜50分程度
  • スクンビット→王宮エリア(タクシー):混み具合にもよるが30〜40分程度
  • スクンビットシーロム(タクシー):混み具合にもよるが20〜30分程度
  • ナーナー→トンロー(徒歩):1時間程度
  • シーロムスクンビット(徒歩):1時間程度
  • プラ・アティット→アジア・ティーク(ボート):40分程度

 

 ボートの船着場図と時刻表です↓

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⑥ 料理

 料理については心配しなくても大丈夫です。たぶん適当に入ったお店でも美味いです。ただし、辛いものが苦手な人は、注文する前に確認した方が良いかもしれません(写真では辛そうに見えなくても、めちゃくちゃ辛いやつもある)。

 どのお店に入っても、こんな感じ↓の料理が楽しめます!

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Wi-Fi

 空港やホテル、レストランなど、至る所でWi-Fiが使えます。「あー、道に迷ったぁ」という場合は、場所によっては、Wi-Fi Freeのカフェなどに入って、GoogleMapを確認することも可能です。

 

⑧ その他

 その他、自分自身が今回の旅で気をつけた方が良いと思った点は以下の通り。

 

 まず、服は多めに持って行きましょう。バンコクは年がら年中暑いです。特に、3〜5月は1年の中でも一番暑い時期らしく、ちょっと外を出歩くだけで汗が滝のように滴り落ちてきます。

 夕方まで観光して、夜の街に遊びに行く前に、ホテルに戻ってシャワーを浴びて、服を着替えたいと思うこともあると思います。その際、2泊3日の滞在予定で3日分の服しか持ってこなかった場合、足りなくなっちゃいます(ホテルには洗濯機もあると思いますし、最悪、現地で服を買うという手段もあるっちゃありますが)。

 

 また、何故か駅の券売機や自動販売機では紙幣を使えないことがあります。そのため、硬貨が結構大事です(1000バーツ札のような高額紙幣を差し出すと、あからさまに嫌な顔をされることもあります)。

 

 あと、横断歩道があまりなく、下の写真のように、信号機がないというパターンが結構あります(笑)。どのタイミングで渡りだせばよいのか分からないときもあるため、周りの様子を伺いながら渡りましょう。

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 あとですね。観光雑誌を批判するわけではないですし、バンコク旅行に限った話ではないんですが、ガイドブックの情報は鵜呑みにしない方がいいです。自分が読んだガイドブックには鉄道市場が開かれているという情報が載っていましたが、現在閉鎖されています。他にも、この施設にはこんなお店があるよという情報も古かったりします(既に閉店していたり)。

 ガイドブックに載っているお店などに行く際は、事前に現在の情報を調べておくのが吉です。

 

さいごに

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 いかがでしたでしょうか?

 まだ書き漏れていることも思い出すかもしれないので、記事は更新するかもしれませんが、取り敢えずこのへんで!Have a nice trip!!

 

 

 

 

 

【契約書】SES契約の問題点や成果物に対する責任について

SES契約とは

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 SES契約とは、「システムエンジニアリングサービス契約」のことであり、簡単に言いますと、システムエンジニア(SE)のリソースをお借りして、その役務提供に対する対価を支払うという契約のことです。SEの経験や能力、工数などを考慮して単価が設定されます。

 

 SES契約とシステム開発委託契約は以下の点で異なっています。

 まず、一般的なシステム開発委託契約は、民法上の請負に該当しますが、請負契約では、「仕事の完成」が債務の内容となっており、当事者間で合意された仕事完成物の引渡しが必要となるのに対して、純粋なSES契約は、準委任契約ですので、仕事の完成は債務の内容とはならず、善良なる管理者の注意をもって、委任事務の処理(システム開発業務)に当たればそれで足りるということになります(民法第632条、第643条、第644条、第656条)。

 請負契約の場合、請負人は仕事の完成に責任を持たなくてはならず、目的物の引渡後においても瑕疵担保責任が課されるなど(民法第634条以下)、非常にシビアな契約類型です。そのため、請負契約たるシステム開発委託契約は、人員や工数が徒に増えて高額になるケースが多く、なるべく開発費を抑えたい発注元にとっては取りづらい選択肢となります。

 これに対して、SES契約の場合、役務提供に対する対価(人件費など)だけで済むため、開発委託契約に比べて安価であり、コスト削減に繋がりますし、自社で充足させることができない開発人員を補うことができて、一石二鳥といえます。また、受託側(ベンダー側)にとっても、仕事完成義務や瑕疵担保責任を負わないため、お互いにとってメリットが大きいわけです。

 

SES契約の問題点

 ただ、決してメリットばかりではありません。ここでは、SES契約の問題点と、個人的に最近感じた理不尽さを書き殴りたいと思います(笑)。すみません、ちょっと怒りも入っているのでご了承ください…m(__)m

 

偽装派遣偽装請負の問題

 SES契約は、あくまでも準委任契約ですので、SEは、ベンダー側の指揮命令の下で業務に従事する必要があり、発注元の指揮命令系統から独立していなければなりません。

 もし、ベンダー側が、労働者派遣事業者として許認可を得ていないにもかかわらず、SEを発注元に派遣して、発注元の指揮命令に服させていた場合、労働者派遣法、職業安定法に反し、違法です。これがいわゆる偽装派遣偽装請負の問題であり、過去に裁判でも争われているので有名ですね。

 しかし、実態としては、かなりこの線引きは曖昧になっているのではないかと思います。開発現場では、多少なりとも、発注元担当者が指示を出すこともありますし、いずれの指揮命令監督下で業務に従事しているのかよく分からないというSEさんもいらっしゃると思います。

 そのため、コンプライアンス上、SES契約はやらないという方針の企業もあるようです。もし、SES契約をご検討されているのであれば、事前に指揮命令系統を明確化し、業務管理の主従を間違えないように、現場との意思疎通を図ることが必須になるかと思います。

 

② 成果物に対する責任について

 偽装派遣偽装請負の問題も重大ですが、SES契約において、ベンダー側(場合によっては社内の人間)といつも揉めるのが成果物に対する責任についてです。

 上述のとおり、SES契約は準委任契約ですので、仕事完成義務も瑕疵担保責任も負いません。しかし、業界的にはこの部分だけが一人歩きして、「ベンダー側は成果物に対する責任を負わなくていい」という、決して正確ではない認識が蔓延しているように思います。社内の開発責任者も、「SES契約なので、成果物の責任はこちら持ちですよね」と言ってきたりします。いや、ちょっと待て。この点について少し整理しようぜ。

 

 まずですね。仮に、契約内容からして、純粋な準委任契約だったとします。たとえ、そうだったとしても、受任者は善管注意義務を負うため、かかる義務に反して、委任事務の処理を誤り、成果物に何らかの瑕疵を生じさせれば、当該瑕疵について、受任者の善管注意義務違反を追及することは十分に可能であると思われます。この点を理解していないベンダーがあまりにも多過ぎです。

 たまに、「これはSES契約なので、成果物の瑕疵等について保証できないし、一切責任を負えない」と回答されるベンダーがおり、「もし、成果物の品質について責任を負えというのであれば、追加費用が必要となる」などと説明したりします。しかし、個人的には違和感しかありません。

 何でもいいからシステムを作れば良いというのであれば、そこらへんのSEを連れてきて、所定の作業時間に当たらせ、全く使い物にならない適当なシステムを作っても契約上の義務を果たしたということになりかねませんが、それは、善良なる管理者の注意をもって委任事務を処理したとは到底言えないでしょう。そこまで極端な話ではなくとも、要件定義に沿ったシステムを開発するという部分も含めて、受発注工数を定義しているはずです。「追加費用が必要となる」とはこれ如何に…?

 

 個人的には、委任契約において瑕疵担保責任が定められていない民法の趣旨に鑑み、委任事務の処理の過程において、受任者が善管注意義務に反して成果物に瑕疵を生じさせ、その結果、委任者が何らかの損害を被った場合、委任者としては、民法第634条に定めるような特別の法定責任を追及することは出来ずとも、受任者の債務不履行責任(民法第415条)を追及することは可能であろうと思います。

※ 近年の裁判例では、ITベンダーについて、善管注意義務の一種として、常に進捗状況を監視し、開発作業を阻害する要因の発見に努め、適切に対処するといった「プロジェクトマネジメント義務」を負うと判示するものもあります。

 

 準委任契約は請負契約よりも責任が軽い、あるいは責任を負わなくてよいと誤解しているベンダーが多いですけど、認識を改められた方が良いのでは…?と思いますね。

 

 上記については、純粋な準委任契約の話なので、まだベンダー側の言い分も分からなくはないです。

 しかし、SES契約の中には純粋な準委任契約とは言えないものもあり、当事者が別途合意することにより、仕事の完成および目的物の引渡しを定めることができるという契約もあります。要するに、準委任契約と請負契約の複合型無名契約ですね。

 仕事の完成義務を定めた場合、請負契約としての性質も有しているので、民法の請負の規定が適用されると考えられますが、この点を全く理解しておらず、「これはSES契約だから」という一点張りで、頑なに成果物についての責任を拒否しようとするベンダーもいます。

 

SES契約だから何だってんだよ…。

 

 契約の性質は当事者の意思を合理的に解釈して決せられるので、たとえ、契約書の表題が「SES契約」となっていようが、「準委任契約」となっていようが、その内容を見て、準委任契約なのか、請負契約なのか、その複合型なのかが決まります。

 中身がどうであれ、「SES契約」とさえ謳っておけば、成果物については免責されると考えているのであれば、あまりに法律に疎い安直な発想と言わざるを得ません。

 

結語

 別にSES契約に限った話ではないのですが、業界特有のルールみたいなものがあり、時にその歪んだルールが法務担当者を苦しめるときがあります。上記SES契約における成果物の責任についても、社内の人間ですら、最初はこちらの言い分が通じませんでした(今でも100%理解されているわけではないと思います)。

 この契約書シリーズでは、いずれまた業界特有ルールについて触れるかもしれませんが、今回はこのぐらいで締めたいと思います。

 

 

【契約書】誠実協議条項は本当に不要なのか?

誠実協議条項不要論について

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 誠実協議条項(以下、単に「協議条項」といいます。)とは、契約書における条項や文言において、「別途協議のうえ決定する」とか、「契約の解釈について争いが生じた場合は双方誠実に協議して円満な解決を目指す」というように、「話し合って決めましょう・解決しましょう」という旨を定めた条項のことを指します。

 

 この協議条項につきましては、契約実務において根強い不要論があります。不要論の論拠は、筆者の知る限り、概ね以下のようなものです。

 

  1. 契約は十分な交渉・協議を重ねて締結するものであり、協議条項を設けるということは何も決まっていないのと同じである。
  2. トラブルになれば協議を実施することが困難なケースも多く、そもそも、協議条項がなくとも普通は協議ぐらいする。
  3. 契約自由の原則に基づき、当事者は合意によって契約内容を追加・変更できるのだから、協議のうえ決定するというのは当たり前のことを言っているにすぎない。
  4. 英米契約においては協議条項など規定されていない。

 

 但し、不要論者の中でもニュアンスが異なっており、「完全に不要」という論者もいれば、「不要だけれども、規定しておいて損はない」という論者もいるようにお見受けします。

 後者の原則不要論を採る論者は、協議条項について、話し合いによる平和的な解決を好む日本人の特質に合っているという点において理解を示しつつ、契約書に定めのない事項について解釈が分かれた場合には、本来、法令や慣習に基づく解釈適用が優先されるべきところ、協議条項の法的拘束力を肯定し、いきなり訴訟などの法的手続に出るのではなく、当事者の意思を確認する協議を優先させることが出来る点においてメリットがあることを認めていたりします(但し、そのような協議条項の拘束力には強い懐疑感を示されていることがほとんどです)。

 

 以上の議論を前提として、私は、「契約書の雑則規定としてよく見かける協議条項は不要であるが、個々の取引規定における協議条項は、場合によっては必要である」という立場です。この点について、以下詳述致します。

 

雑則規定としての協議条項

 契約書は、冒頭に目的規定や定義規定が置かれ、そのあとに支払条件などを含む取引条項が続き、最後の方に、解除条項や準拠法・合意管轄条項などの一般条項が規定されているということがほとんどです。

 そして、大抵の契約書には、一般条項(雑則規定)として、協議条項が定められており、その内容としては、「本契約に定めのない事項又は解釈上疑義を生じた事項については、甲乙協議の上、誠実に解決に当たるものとする。」といったものがほとんどです。

※ 契約書によって微妙に文言は異なりますが、ニュアンスとしてはどれも同じです。

 

 協議条項の不要論者の多くは、この雑則規定としての協議条項のことを指して、「不要」と主張しているのではないかと思いますが、この点については私もほぼ同意見です。

 理由は上述のとおりであり、多言を要しません。困ったら話し合いで解決するという考え方を貫徹するのであれば、そもそも、「契約自体が不要」という帰結になるような気がします。それに、どうしても訴訟ではなく、協議によって解決したいのであれば、協議条項に頼るのではなく、不起訴の合意をすべきです。

 

個々の取引規定における協議条項

 他方、個々の取引規定の中には、契約締結時点において、その内容を細部にわたって具体的に確定することができず、契約の履行過程における協議に委ねざるを得ないものや、そもそも当初から協議によって内容を決定することを予定しているものがあります。

 例えば、委任契約における費用負担などを想像してみてください。民法の規定によりますと、「受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後における利息の償還を請求することができる。」と規定されており(650条1項)、かかる規定は準委任契約にも準用されています(656条)。

 これが委任契約当事者間の費用負担の原則ですが、(準)委任契約においては、かかる原則は修正され、受任者が契約の履行過程で支出した費用は、原則として受任者の負担としつつ、別途協議したうえで、委任者の負担とされた費用について、受任者は当該費用を請求することができる、といった規定を置くことがあります。

 

 もし仮に、常に受任者の負担と定めたとすると、委任事務を処理するために、想定外の支出があった場合や、過大な支出があった場合であっても、受任者は当該費用を委任者に対して償還請求することができず、当事者の公平が害される結果となりかねません。

 それなら、受任者の費用負担の上限額や、受任者の負担とする費目を定めておけばいいじゃないかという考えも浮かびますが、単発の委任契約であるならばともかく、継続的役務提供契約のように、ある程度長期にわたって不定形的な業務を委託する場合、契約締結時点において、将来発生する費用をすべて想定することが不可能ないし著しく困難な場合もあります。そのような場合、上記協議条項は、有用なものとして機能するように思います(費用負担は、ほんの一例ですが…)。

 

 不要論者の主張するように、確かに、契約締結時点において、契約内容を全て具体的に定めることがベストですが、個々の取引規定の全てにおいて、それを貫徹することは、かえって取引を硬直化させ、不都合を生じさせる要因になりかねないというのが私の持論です。

 

まとめ

 私が思うに、不要論の根底には、「話し合いに応じてもらえないリスクを想定すべき」という性悪説があり、お互いの関係が良好であり、話し合うことが可能な状況であれば、協議条項など当たり前のことを言ってるに過ぎないというものです。この点については、まさにその通りですので、基本的には不要論に賛成です。

 ただ、最後の落としどころが「別途協議」になることも決して少ないわけではなく、不要論者が、協議条項を全て排斥して契約書を起案しているだとすれば、どうやって締結まで漕ぎつけているんだろう…と疑問に思ったりもします。

 

 なお、契約書においては、「合理的に判断される場合」「相当と認められるとき」「やむを得ない事由」といった曖昧・多義的な文言が使用されることもあり、個人的には、出来る限り、このような文言を使用しないように気を付けていますが、協議条項が不要というのであれば、このような文言についても、一義的な解釈しかできない表現にしているのでしょうか。

※ そうでないのであれば、いかなる場合をもって「合理的」「相当」「やむを得ない」と言えるのか、解釈が分かれてしまい、結局のところ協議が必要になるように思います。