箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

2022-01-01から1年間の記事一覧

【ストーリーは重要ではない?】漫画と映画の着眼点の違いについて

僕がよく参考にさせて頂いている「佐渡島チャンネルさん(元モーニング編集部)」に、以下の動画がある。 www.youtube.com この動画は、青年誌と少年誌の両方を経験したことのある稀有なキャリアをお持ちの村松さんという編集者が、青年誌と少年誌の違いを語…

「マンガ脚本概論」は物語を作る人にとって一番大切なことを伝えている。

世の中は、数多の脚本指南書で溢れかえっている。大きな書店に行けば、必ずシナリオ制作に関するコーナーがあって、そこには花屋の店先に並んだ色とりどりの綺麗な花のように、「物語とはこう書くんだよ」と訴えかける本がズラリと並んでいる。 物語創作に関…

僕が抱えている線画の悩みの原因が分かった気がする。

僕は自分の描く絵について、「線が弱い」「余白が多い」と感じることが多くて、ペンの入れ方や線画の考え方に問題があるんじゃないかと長年思ってきた。それこそ線画に関する動画をどれだけ漁ったか分からない。 そして最近、「ああ、やっぱりそうだよな」と…

漫画の情報提示に必要なのは「ワクワク感」だと思う。

本日は、漫画の「情報提示」についての考察を少し。 漫画は物語であり、キャラの感情だけを切り売りしているわけではないので、オチに行き着くまでの前フリが必要になる。つまり、キャラが怒ったり泣いたりしているところだけを見せて感動が生まれるわけがな…

空気清浄機なんて要らん・・・という話

今年の4月頃に買ったSHARPの空気清浄機が盛大に逝った。まあ、もっと平たく言うと壊した。 僕はアレルギー性鼻炎や喘息を持っていて、ハウスダストとかペットの毛とか花粉といったものにものすごーく敏感である。今年に入ってからアレルギー症状がひどくなっ…

漫画のキャラクターが「立っていない」とは何か?

漫画では「キャラが弱い」とか「キャラが立っている」とか、キャラの重要性を説かれることが多い。 ただ、これは別に創作に限った話ではなく、我々の日常生活においても全く同じであり、学校や会社においても、「キャラが立っている人」や「キャラが弱い人」…

漫画におけるダイアローグの位置付けとモノローグ構成の重要性

僕は、映画やアニメといった映像作品を観ることの方が好きで、どちらかと言うと、漫画よりもそういう映像コンテンツをこよなく愛してきた。漫画を描いていながらこんなことを言うのもアレだけど、純粋に1人の消費者としてどちらの方が好きかと言われたら、…

【レビュー】「すずめの戸締まり」は物凄く現代的な感覚の作品だった。

「すずめの戸締まり」を映画館で鑑賞してきた。何というか、良い意味でも悪い意味でも、今風だなーと感じてしまった。 (以下、ネタバレあり) セカイ系なのは別にいい。「君の名は。」以降は、毎回同じような展開であり、毎回同じような映像を見せられてい…

年齢が理由で漫画持ち込みが断られてしまう話

久しぶりに創作関連の話題を。 最近、SNSで「編集部に持ち込みに行っても、年齢が理由で断られる」みたいなことを言ってる人がいた。その人は「年齢が理由で将来性が否定される」「作品ではなく、年齢しか見てくれない」と、いささか年齢のことを気にしてい…

擁護派と言う名の隠れアンチについて

何の企画か分からないが、脳科学者の茂木氏と堀江氏がオンライン対談をしていて、その中で堀江氏がゆたぼん君のことに言及する場面があった。 その中で堀江氏はゆたぼん君に対して「別に興味ない」とバッサリ切り捨て、「なぜ注目されているのかが分からない…

Breaking Downが面白い理由をウダウダと考えてみた。

格闘家の朝倉未来さんが主催している「Breaking Down」という格闘技イベントが盛り上がりを見せていて、普段格闘技を見ない僕でもYoutubeの関連動画を漁ってしまうぐらいには面白い。 ただ、本当の格闘技ファンが見たら、怒るというか悲しんでしまうのではな…

友達不要論について改めて考えてみる。

何年か前に、林先生がテレビで「友達は少ないに越したことはない」という話をしていて、友人不要論が一躍脚光を浴びたこともあったんだけど、これについては僕の中で既に答えが出ていて、「価値観の合う友人が居るなら、その友人と仲良くしていけば良いし、…

風景と記憶はどう繋がっているのかが知りたい。

風景というのは不思議だなーと思う。一度も見たことがない景色なのに、どこかで見たことがあるような既視感が頭をよぎることもあって、「子どもの頃に過ごした地元の商店街」の風景がフッと頭をかすめたり、「大学時代に住んでいた京都の街並み」が記憶の中…

SNSの終焉と「人と距離を取る時代」の到来

岡田斗司夫さんは、人間がSNSにハマってしまう理由について、自己承認欲求を充足させたいからではなく、人間の生存本能に基づくものである…ということをYoutube動画で力説されていた。面白いので、興味がある人は是非見てほしい。 www.youtube.com まあ、岡…

「反応しない」ということ。

僕は今年で36歳を迎える。四捨五入すれば40なので立派なアラフォーだ。 恐れながら、健康マニアの方であれば既に知得している情報だと推察するが、日本人男性の平均健康寿命は約72歳であり、健康寿命という観点から見れば、僕は既に折り返し地点に差し掛かっ…

「住みやすい街」は自分の物差しで判断したほうが良い。

最近、「住みやすい街とは何か」ということをウダウダと考えている。 世間的にも興味関心の高い分野であり、巷間では「どこに家を建てようか」「どのあたりにマンションを買おうか」みたいな不動産購入の話題と相俟って、「住みやすさ」が語られることが多い…

商業漫画家ではなく同人作家を目指す理由を分析してみる。

漫画家として活動をしていくにあたって、ほとんどの人が「商業漫画家としてやっていくか(プロを目指すか)」または「趣味や同人活動としてやっていくか」の二択を迫られる。 fumufumunews.jp 例えば、この記事でインタビューに答えられている小田桐さんは、…

イラスト自動生成AIが描く漫画の未来について

最近読んだ記事。 nlab.itmedia.co.jp これは、イラスト自動生成AI「Midjourney」が描いた絵だけで漫画を作ったって話なんだけど、この作者さんは、自分で絵も描けないし、漫画の作り方も知らないらしい。 つまり、この人は、AIが描いたイラストを "漫画っぽ…

アニメ・漫画における顔の素体のバランスについて

どうもこんにちわ。今日は珍しく絵の創作に関するメモ的なものを。 Youtubeに「hide Channelさん」というアニメーターの方がいらっしゃって、顔や全身の描き方について、めちゃくちゃ参考になる情報を発信されているんだけど、その中で気になるノウハウがあ…

物語の内容よりも先に描きたい絵を描き出していく。

いつの話だったかな。 確か、Twitterとかブログで読んだ話だと思うんだけど、何でも良いから思いつきで絵を描き始め、それが上手くいきそうならそのまま最後まで描き続けて、ダメそうならさっさと諦めて次の絵を描く…みたいな人がいた(ちょっと違うかも…だ…

物語の内容が分かりづらいことはそんなに問題ではない。

これは岡田斗司夫さんの受け売りだけど、最近のアニメ制作では、「とにかく分かりやすく作ってくれ」と製作委員会が現場に要望を出すらしい。 鬼滅の刃なんかが良い例で、「そんなことまで説明しなくていいだろ」と思うようなことでも、セリフを増やしてわざ…

【感想・レビュー】FFタクティクスが現代社会に与えたメッセージ

SRPGの名作と名高い「FFタクティクス」について、今更ながらiOS版をクリアした。 僕が初めてFFタクティクスをプレイしたのは、中学生ぐらいの頃であり、FFタクティクスの "最大の難所" と言われているリオファネス城のウィーグラフ戦で詰んでしまったことを…

「イジメはどうやったら無くなるのか?」という議論をさっさとやめるべき。

「イジメはどうやったら無くなると思いますか?」みたいな議論テーマって昔からずーっとあるし、「真剣10代しゃべり場」のような討論番組でも散々議論されてきた(今の若い人は知らないか)。 それどころか、「イジメる側とイジメられる側のどちらが悪い?」…

近年の漫画作品は「官能性」を蔑ろにしている。

最近の漫画作品を読んでいて、世界観に引き込まれるものが少ないなーと感じる。 誤解のないように伝えておくと、今の漫画家さんは純粋に画力が高い。マジでビビるぐらい高い。キャラクターデザインも凝ったものが多く、背景の作画もレベルの高いアシスタント…

CLIPSTUDIO TABMATEが逝ったので2代目を購入した。

表題のとおり、長らく愛用していたCLIPSTUDIOの左手デバイスTABMATEがついに逝ってしまった。 背面にあるボタンがボコッと陥没。 実は、このTABMATEはホイールも壊れているのだが、ホイールに設定していた拡大・縮小は、Propen2のサイドボタンでも代用できる…

虚実的な作品における現実と虚構の連続的転換について

記事タイトルにある「虚実的な作品」というのは僕が考えた造語であり、現実と虚構が入り混じった世界観を有する作品のことを指す。 ただし、現実的な要素と虚構的な要素とが合わさっていれば、それ即ち「虚実的な作品」というわけではなく、僕の定義によれば…

抽象的なイメージを共有することの重要性と多様性社会の実現

僕は普段趣味で漫画を描くことが多いが、出版社の編集者と打ち合わせをしながら、仕事として漫画を描くときもある。 まあ、要するに、連載を持っていない売れない作家…というやつだ。本日お話する内容は、そういう売れない漫画家が言う戯言だと思って聞いて…

現代人にとって正しい言葉遣いはタイパが悪い。

最近、活字メディアの誤字・脱字の多さが目につく。 ちょっと気になるというレベルではなく、ものすごーく気になる。いや、何だったら目も当てられないほど酷いと思っている。 例えば、↓この記事。 kusanomido.com 現在は既に修正されているが、当初の見出し…

【キャンプ場紹介】大岳鍾乳洞 大岳キャンプ場

東京都あきる野市の山奥の秘境にあるキャンプ場「大岳キャンプ場」。 大岳鍾乳洞の近くにキャンプ場のサイトが2ヶ所(上流・下流)あり、車での乗り入れが可能なフリーサイトです。 大岳鍾乳洞の受付がキャンプ場の受付も兼ねているので、ここで受付を済ませ…

働かないおじさんが無敵の人の受け皿になる社会

まだ会社員をやってた頃の話。お得意先の会社にいわゆる "働かないおじさん" がいた。 まあ、実際のところ、その人が働かないおじさんかどうかは知らない。本当はめちゃくちゃ働いている人なのかもしれない。なので、今回の話は、私の中で勝手にそう思ってい…