箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

日本の高校野球における金属バットについて

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先日、U-18の高校野球日本代表が、アジア大会に臨み、韓国・台湾といったライバル国に敗れ、3位という結果に終わりました。

 

私は、夏の甲子園が終わった後に定例的に行われている国際大会が好きで、いつも見ているのですが、何というか、「あんまり日本チームって打たないな…」という印象を持っていました。

今回の大会は、左打者が多い打線を組んだ結果、見事に左投手をぶつけられてしまい、打棒が振るわなかったという見方も出来ると思いますが、それ以外の試合を見ていても、「守備が上手かったら、本来はアウトだよね?」という打球が多かったように思うのです。昨年、清宮選手が出場したU-18ワールドカップを見ていても同じ印象です。

 

当初、私は、金属バットと木製バットの違いと思っていました。

日本の高校野球は金属バットが主流ですが、国際大会では、高校生も木製バットを使うことになります。そうすると、まずは木製バットに慣れるところから始めなくてはならず(普段から木製バットで練習している選手もいると思いますが)、ただでさえ攻略が難しい韓国・台湾のレベルの高い投手を相手にして、全く対応が間に合っていないのではないかと。

では、韓国・台湾と同じように、日本の高校野球も木製バットを導入すれば良いじゃないかと思えますが(導入というより、かつて木製バットが主流だった時代に戻すと言った方が正確ですかね)、木製バットは芯を外すと簡単に折れてしまい、どうしてもコストが高くなってしまいます。一般的に、金属バットより木製バットの方が寿命が短いとも言われていますしね。

 

うーん、これは非常に由々しき問題だなぁと、完全に部外者である私が要らぬ心配をしていたところ、凄くタイムリーな記事を発見しました。

toyokeizai.net

 

反発係数が高い金属バットは日本だけという事実。

上記の記事によりますと、日本と同じように金属バットが普及しているアメリカにおいては、反発係数が木製バットと同じ程度になるバット(BBCOR規定)の使用しか認められておらず、反発係数の高い金属バットを使用しているのは日本だけだと指摘されています。

 

news.yahoo.co.jp

 

アメリカにおいて、BBCOR規定が導入されるようになった経緯を調べてみたところ、上記記事は次のように説明しています。

近年アマチュア選手たちも積極的に筋力アップのトレーニングを取り入れるようになり、アマチュア野球界も急激なパワー化が進んでいた。特に大学野球などでは、金属バットによる打球があまりに速すぎ投手らが対応できないアクシデントが発生するなど、危険性が指摘されるようになっていた。その問題を是正するために登場したのが『BBCOR』仕様バットというわけだ。

 

確かに、メジャーリーガーの卵たちが、金属バットをブンブン振り回しているところを想像しただけで恐ろしいですよね。ピッチャー返しとか殺人級でしょう。

そして、普段から、このような木製バット並に反発係数の低い金属バットを使用していたことから、木製バットにも抵抗なく対応し、U-18ワールドカップにおけるアメリカ代表の打撃成績は日本代表よりも良いと上記記事は指摘しています。

 

日本の高校野球もBBCOR規定を設けてはどうか。

というわけで、木製バットに切り替えることが経済的理由等により難しいのであれば、ひとまず、アメリカと同じように、木製バット並に反発係数を抑えた金属バットを順次導入していってはどうかと思うのです。

メーカーによる開発等の調整が必要となってくるため、直ぐに実現させることは難しいかもしれませんが、金属バットに依存した日本の高校野球を少しずつでも変えていかないと、高校レベルでは世界に勝てなくなるんじゃないかと心配になります。