箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

アイデアノートの使い分けを考えたい Part2

最近、ノートのことばかりブログで書いているが、ご承知のとおり見事に「ノート沼」にハマってしまっているワタシである。

 

うむ。というわけで、今日もノートのことについて書く。愉快、愉快。

 

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・・・さて、最近こういう記事を書いた。

 

 

要するに、ノートを3種類に分けようという話なんだけど、それぞれのノートをどれにするか、何を使って書くのか・・・と、色々と考えているうちに、ちょっとずつノートの棲み分けが出来てきたので、自分の頭を整理するために書いてみる。

 

まず、「思考吐き出しノート」すなわち「アイデアノート」については、Seria(セリア)で買ったA6サイズのクラフトノートにしようと考えている。

 

 

このノートは、ページ数も多く、小さいので持ち運びにも便利だし、カバンに入れても嵩張らないという利点がある。欠点としては、すぐにパッと180度に開けない点だけども、適当に書き殴るだけのノートなので別にそこは大した問題ではない。

 

紙質については、「100均のノートにしては凄い」と言えるレベルであり、万年筆で書いても裏抜けしなかった。こちらの記事でも触れているのでご参考までに。

 

 

さすがに、本格的な絵を描くのには適していないが、このノートで絵を描くにしても、シャーペンでラフ絵を描くぐらいなので、現時点では何の不満もない。

(ただし、後述するように若干迷いもある)

 

次に、「プロットノート」については、「ミドリMDノート」の「A5方眼」を使用することにした。

 

 

ぶっちゃけた話をすると、「A5サイズ」「180度に開く」「方眼」という条件を満たしているノートだったら何でも良かったんだけど、MDノートの「コットン紙」との違いを知りたいがためにこれを購入した。

 

両者を比較した記事はこちら。ご参考までに。

 

 

さらにぶっちゃけた話をする。

 

MDノートは万年筆のインクに合うように作られたノートなんだけど、悲しいことに、僕はこのノートで万年筆を使うことはおそらく無いので、その恩恵を受けることはない。

と言うのも、プロット(コマ割りのラフ)を書き進めていくにあたって、区切り線(枠線)はミリペンで書くものの、肝心の中身はシャーペンで書いているため、万年筆どころかインクペンの出番さえ無いのだ。

 

なので、MDノートの特性を活かそうとして、無理やりプロットの隅っこの方に、キャラの絵を万年筆で描こうとしたんだけど、それもしっくりこなかった。

なぜなら、MDノートの強みである「万年筆に合っている」というのは、「文字筆記に適している」という意味であって、「絵やスケッチといったドローイングに適している」という意味ではないからだ。

 

なんというか、MD用紙は表面に凹凸がなく、ツルツルとし過ぎていて、引っ掛かりがなさすぎる。そのため、ペンの走りこそ良いものの、インクが馴染むというより、紙に「乗る」という感じがして、僕はあまり好きになれない。

万年筆愛好家がいう「万年筆に合ったノート」というのは、大抵の場合、こういう凹凸がないツルツルとした上質紙であり、インクが裏抜けしないノートのことを指している。ここらへんは誤解しないようにしなければ。

 

そのため、このノートにも少し絵を描こうかと思ったけども、完全にプロットに振り切ろうと思う。

 

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最後に「ビジュアルイメージノート(スケッチノート)」なんだけども、その話をする前に、僕がずっと愛用してきたノートについて触れておく。

 

僕は、この記事でも触れたとおり、Flying Tigerで購入したコルク表紙のA5無地ノートをずっと愛用してきた。

 

 

 

僕は、このコルク表紙がたまらなく好きだ。

 

紙質はMDノートとは逆にザラザラとしており、厚みのあるクロッキー紙みたいでドローイングにも適している。僕にとっては、文字を書くのも、絵を描くのも、どっちも楽しい最高のノートなのだ。

もし仮に、このノートが今でもずっと販売されているのであれば、僕は迷わずもう一度このノートを買う。

 

ただ、残念ながら、もうこのノートは販売されていない。メルカリなどのフリマアプリでも探してみたが、全く同じものを見つけることは出来なかった。

つまり、僕にとって、「ビジュアルイメージノート」を探すということは、このノートの代わりを探す・・・ということに他ならない。

 

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そして、まず真っ先に思い浮かぶのは、「絵を描くならスケッチブックでしょ」という考えだ。

 

ただ、僕はすでに「マルマンのクロッキー帳」と「ターレンスアートクリエイションスケッチブック」を持っており、それぞれの課題も見つけている。

 

 

まず、クロッキー帳については、ザラザラとした紙質が鉛筆やシャーペンに合っているという強みがあって、意外にもミリペンや万年筆の描き心地も悪くない。

 

ただし、いかんせん紙が薄すぎて、色を塗るのには向いていない。せいぜい、鉛筆デッサンやクロッキーに利用するか、ミリペン・万年筆で線画を描くところまでしか出来ない。

あと、マルマンのクロッキー帳は、ほとんどすべてがリングノート形状になっているんだけども、僕はこの形状がどうしても好きになれない。リングが手に干渉する感触がなんだか気持ち悪いのだ。だからクロッキー帳を使うことはほぼ無い。

 

また、画用紙や水彩紙を採用しているスケッチブックについては、絵を描くことに関しては何の問題もなく、どんなペンを使っても問題ないし、水彩での色塗りも自由にできる。コピックなどのアルコールマーカーを使わない限り、裏抜けすることもないだろう。

しかし、今度は逆に紙がしっかりとし過ぎている。スケッチブックを開くと、「ちゃんとした絵を描かなきゃ」という気持ちになってしまい、全く気楽さがない。僕は普段デジタルで漫画を描いているので、ちゃんと描くならiPadや液タブで描くし、アナログのお絵かきにそこまでの「本格さ」を求めていないのだ。

 

(スケッチブックを使ってやりたいこともあるが、現時点ではまだ保留なので、今はその話題は置いておく)

 

つまり、以上を総合すると、「クロッキー帳」と「スケッチブック」の丁度中間ぐらいのノートが欲しいのだ。

 

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ただ、いざ探してみると、これが全然見つからない。

 

僕がかろうじて見つけたのは、「無印良品 再生紙ノート」か、先ほども紹介した「ミドリMDノート」の「コットン用紙ノート」の2つである。

 

www.muji.com

www.midori-store.net

 

同じ無印良品の「単行本ノート」も若干気になったが、パタンと180度に開くのが難しそうな上に、単行本サイズ(19.5mm×13.7mm)というのも引っ掛かってしまったため候補から除外した。

また、Amazonなどで本気で探せば、他に良いノートが見つかる可能性もゼロではなかったが、継続的に入手出来なければ意味がなく、そういう意味で、安価かつ手軽に入手できる「無印良品ノート」と「ミドリMDノート」に絞らせてもらった。

 

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ではまず、無印良品の再生紙ノートからご紹介しよう。

 

実際に、無印良品の売り場に行って、再生紙ノートを探したところ、「A5サイズ」かつ「それなりにページ数のあるノート」は、「6mm横罫ノート」か、「無地のリングノート」の2つしかなかった。

 

 

・・・いやなんでやねん。

 

無地で、それなりにページ数があって、パカッと180度に開くノートを出してくれよ・・・と思ったものの、グッと溜飲を下げる。

 

一応、「パカッと180度に開くタイプのノート」として、「30枚綴りノート」があったので、これを買うことにした。

 

 

価格は100円だったし、これが良いのか悪いのかもよく分からないので、まあ、お試しで買うには丁度良かったのかもしれない。

 

実際、紙を触ってみると、僕の愛用していたFlying Tigerのノートにかなり近い感じがする。少しザラザラとして、紙に凹凸のある感じ。無印良品が「鉛筆やシャーペンに合う」と言ってるだけのことはある(紙数が少ないけどデッサン・クロッキーにも使えると思う)。

 

早速、万年筆と水彩カラー筆ペンを使ってスケッチをしてみる。

 

 

これ、すごく良い・・・。

 

万年筆のインクの出方が凄くソフトで、クリーム紙の風味も相俟って、柔らかい絵に仕上がる感じがする。線に微妙なニュアンスも付けやすく、ツルツルとした紙にありがちな、インクがドバっと出る感じもしない。感覚的に言うなら、Flying Tigerのノートよりも、ややインクの滲みを抑えたような紙質という感じだろうか。

 

しかも、裏抜け耐性もしっかりとしている。

 

 

水気の多いセントロペンで描いたところだけ、少し裏抜けしているが、それ以外はほぼ大丈夫だった。裏抜けどころか、裏写りすらほぼない。これなら、ドローイング用のノートとしておおよそ合格である。

 

ただ、2点気になるところを挙げる。

 

まず1つ目は、水性のカラー筆ペンの色乗りがやや悪い。バーっと塗ったときに、うまく均等に塗ることが難しく、色のムラ(カスレ)が出来てしまう。「それも味があって良い」とポジティブに捉えられないこともないが、ややストレスを感じてしまう。これを回避するには色の塗り方を変えるしかない。

もうひとつは、やはりページ数が少ないのが気になる。30枚綴(60ページ)なので、すぐに使い切ってしまうだろう。僕は、ひとつのノートをずっと大事に使いたいと思うタイプなので、所有欲を満たせないというか、このノートに愛着が持てないのではないかと思ってしまう。

 

凄く良いノートなんだけどね。

無地にこだわらないのであれば、横罫線のノートもあるんだけど、うーむ、どうするか。

 

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もうひとつは、ミドリMDノートのコットン用紙である。

 

これは既に購入済みであり、書棚に保管していた。

 

 

ただ、このノートに関しては、少しだけ試し書きをしており、そのときに「あれ?なんか思っていたのと違う・・・」という感想を抱いてしまった。なんというか、思っていたよりも万年筆の描き味が良いとは思えず、やたらインクの出方が悪かったのだ。

 

ただ、紙とインクとの相性もあったと思うので、LAMYアルスターにプラチナのカーボンインク(僕が一番好きな黒インク)を入れて、これで描いてみることにした。

 

 

いや、これもめっちゃ良いぞ。

 

ちゃんと線に強弱を付けて描こうと思えば描けるし、インクが紙に「乗る」のではなく、「馴染む」という感じもする。あと、無印良品の再生紙ノートと比べて、水性のカラー筆ペンも凄く塗りやすい。発色が綺麗な気がする。

他のミリペンも試してみたが、ピグマも問題なかったし、プラチナのカーボンインクじゃなくて、普通の水性染料インクでもいけると思う。

 

 

裏抜け耐性もこのとおり。さすがMDノート。全く裏抜けしないわけではないが、滲みやすい水性染料インクでドバドバ塗っても大丈夫だった。

 

Flying Tigerのノートと比べたときに、ややインクの出方が悪いと感じる部分がないわけじゃないが、総合評価でいうなら、普通に合格点を超えている。100点じゃないけど、80〜90点ぐらいのノート・・・という感じかな。

ただ、そこに関しては、僕がFlying Tigerのノートに慣れすぎてしまっている部分もあるため、これからMDコットンノートを使っていくうちに、「これじゃないとダメ」と思うようになるかもしれない。

 

無印良品の再生紙ノートのクリームっぽい優しい雰囲気も捨てがたいが、総合点で言うと、MDコットンノートかなぁ。普通のMD用紙はダメだったけど、こっちは自分に合ってる気がする。

 

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はい、というわけで、ひとまず絵を描くノートについてはMDコットンノートを選びました。

 

理由としては、「描き心地(塗り心地)がややMDコットンノートの方が良い」という点と、「ページ数がそれなりにあるのでノートに愛着が湧く」という2点だろうか。

 

 

早速、無印良品の「ジーンズラベル」というカバーを装着してみる。MDノートの純正カバーよりも僕はこっちの方が好きだ。MDノートは裸で使う方が味があって良いんだけど、どうしても汚れとキズが気になってしまうので・・・。

 

無印良品のノートカバーと純正ノートカバーを比較してるので参考までに。

 

 

ただ、無印良品の再生紙ノートも捨てがたいと思っていて、なんとかノートを使い分けられないかなーと思ったりもする。

 

一瞬ちょっと思ったのは、セリアのクラフトノートではなく、無印良品の再生紙ノートをアイデアノートにするという案。

 

こっちの方が紙質は良いし、僕の好きなA5ノートだし、薄いので嵩張らないという強みもある。30枚というページ数が気になるのであればいくつか買い溜めしておけば良い。値段も1冊100円とお手頃だ。しかも、こっちは絵も描きやすい。

ちなみに、アイデアノートとして使うのであれば、さっき挙げた100綴の6mm横罫ノートよりも、こっちの30枚綴の無地ノートで良いと思う。100枚綴はアイデアノートとして使うには厚みがありすぎて、存在感が強すぎるように感じる。

 

うーん。しばらくはセリアのクラフトノートと併用しながら、ちょっと様子見しようかな。何となく、セリアのクラフトノートは、「急にメモを取りたいときに使うメモ帳」という役割になって、無印良品の再生紙ノートは、「プロットのアイデアやデザイン案を書き溜めていくノート」という役割になっていく気がする。何となくだけど、書いていて楽しいのは間違いなく無印良品の再生紙ノートなので。

 

というわけで、ノートの使い分けに関するPart2でした。

 

▼Part3はこちら。