箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

「夏の終わり」と聞くと「夏の終わりのジグソーパズル」を思い出す。

皆さんは「夏の終わり」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?

 

ちなみに、グーグル検索で「夏の終わり」と打ち込むと、森山直太朗の「夏の終わり」か、井上陽水・安全地帯の「夏の終わりのハーモニー」がヒットする。

僕は世代ではないので後者の楽曲は知らないが、森山直太朗の「夏の終わり」はめちゃくちゃ大好きであり、楽曲リリースから20年経った今でも、夏の終わりになると聞きたくなる名曲である。

 

・・・ただ、今日話題にしたいのはそのどちらでもない。

僕が紹介したいのは「夏の終わりのジグソーパズル」なのだ。僕にとっての「夏の終わり」といえばコレである。

 

「なんじゃそら」と頭の中に大量のハテナマークが発生した人のために補足説明をしておこう。

 

むかし、ネプチューンがMCをしていた「力の限りゴーゴゴー!!」というフジテレビの番組があった。

この番組は、「ふんどし先生」や「ハモネプ」といった人気企画を輩出したことでも有名であり、「ハモネプ」については現在でも実施されている超人気アカペラ大会である。ウィキペディアで確認すると、番組自体は1999年10月から2002年9月まで放送されていたらしい。

 

そして、この番組の中で、ネプチューンのホリケンが勝手に作っていた謎のドラマが「夏の終わりのジグソーパズル」だった。

 

ただ、「夏の終わりのジグソーパズル」は、「ドラマ」と言いつつ、特に明確なストーリーがあるわけではない。毎回毎回、意味ありげな次回予告シーンが流れるだけなのだ。

その次回予告を見ていると、どうやらシリアスなストーリーであることは分かるのだけど、それ以上のことは何も分からない。役者さんが意味ありげなセリフを言ったり、思わず「えっ!?」と驚きの声を漏らしてしまうようなシーンが流れたりして、「この先どうなるの!?」と視聴者の興味を惹きつけたところでいつも終わってしまう。

 

じゃあ、翌週になったら、その続きを見れるのかというと、もちろん続きは見れない。翌週に流れるのも次回予告だけなので、前週との間で何が起こったのかサッパリ分からず、視聴者を置いてけぼりにして全く新しい別の展開になっているのだ。それがずーっと続いていく。

 

普通だったら、そんなの面白くも何ともないはずなのだが、この「夏の終わりのジグソーパズル」は熱狂的なファンを生み出し、「本当にドラマ化して欲しい」という要望も多数寄せられるほどだった。

それもそのはず。この「夏の終わりのジグソーパズル」の次回予告は、演出やキャストがズバ抜けていた。特に、超豪華俳優・女優さんが毎回出演するのが目玉になっており、いつしか「今週は誰が出るんだ?」と皆が楽しみにしていて、ホリケンが適当に作った架空ドラマの次回予告シーンのために、超有名俳優・女優さんがわざわざスケジュールを空けて、真面目に演技しているのが面白くて仕方なかった。

 

結局、「力の限りゴーゴゴー!!」自体が終わってしまい、「夏の終わりのジグソーパズル」はドラマ化されずに消滅してしまったが、テレビ全盛期を象徴する番組のような気がして、僕は「夏の終わり」と聞くと、いつも「夏の終わりのジグソーパズル」を思い出してしまう。

 

そんなこんなで、あの謎のドラマを思い出しながら、今年の夏もそろそろ終わる。