考えれば考えるほど、ノート沼にハマっている気がする。
ここ数日で目まぐるしくノートに対する意見が変わってしまい、最初は「良い」と思っていた「ミドリMDノート」についても、今は微妙だと感じてしまっているし、「無印良品の再生紙ノート」を使っていこうかなーと思ったものの、このノートについても正直あまり感触が良くない。
そんなこんなで、今日は、「使うことが確定しているノート」を説明したあとに、iPadとの棲み分けというか、絵をアナログで描き残していくことの意義みたいなものをちょっと考えていきたい。
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ノートの使い分けとして確定したところから説明する。
まず、「思考の吐き出しノート(書き殴り・アイデアノート)」は、もはやどんなノートでも良いんだけど、セリアで買ったA6サイズのメモ帳にひとまず決定した。
A6サイズなので、簡単に持ち運べるのが良いし、100円なので、あまり気を使わずに適当に書き殴れるのが良い。紙質もザラザラとしていて、シャーペンで書くのが非常に気持ち良い。「メモ帳なんてこんなので良いんだよ」という代表格の気がする。
次に、「プロット・絵コンテノート」については、「無印良品のA5方眼」と「コクヨ・マルマンのA5無地」のルーズリーフを使い、リフィルノートで管理していこうと思う。
最初は、ミドリMDノートを使おうと思っていたんだけど、そんなに言うほど万年筆の相性が良いとは思えないのと、iPadでネームラフを見ながら描こうとしたときに、綴じノートだと、ノートを折り畳めないのが地味に痛い・・・ということが判明した。常にノートを180度開いた状態にしないといけないからだ。自宅でしか使わないならまだしも、外出先でネームを描きたいときに非常に困る。
だけど、リフィルノートならパタンと折り畳んで使うことが出来るし、当たり前だけどルーズリーフを1枚1枚分離できるので、ページの追加・差替えも簡単にできる(必要なページだけ持ち運ぶこともできる)。
ちなみに、リングが手に当たる感覚が嫌いなので、リングノート形状のものを使いたくないんだけど、僕の場合、裸のルーズリーフに内容を書き込んでから、それをリフィルノートに収納していくので、あまりその点はマイナスにはならない。
また、プロット・絵コンテを作っていると、キャラ・背景のデザインを練りたいというときがあって、それをひとつのノートにまとめて管理したいんだけど、ミドリMDノートは絵の描き心地が良くないため、この部分だけ別のノートを使う必要があった。
しかし、コクヨやマルマンの無地ルーズリーフは、インクの裏抜け・裏写りもなく、描き心地も非常に良いため、そんなに本格的な絵を描かない限り、別にこれで問題ないと感じている(ミリペンや万年筆で線画を描いて、水性ペンで着色するぐらいなら全く問題ない)。
要するに、リフィルノートなら作品に関する情報が一元化ができる。
また、紙質が気に入らないなら、別のルーズリーフに変えれば良いし、本格的なスケッチを描きたいというなら、イラスト用の画用紙ルーズリーフもある。自分の好きなようにカスタマイズできるところが良い。
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続いて、先日僕が「コレクションノート」と名付けたノートについては、当初「ミドリMDコットンノート」を使おうと思っていたんだけど、紆余曲折あって、これも使わなくなってしまった。
このノートは、裏写りが激しいうえに、インクによっては全く裏抜けしないわけでもなく、僕の好きなLAMYブルーブラックインクとの相性も悪い。
無理やり使おうと思うなら、裏写りしてしまう左ページには何も描かず、右ページにだけ描いていくやり方もあるが、ぶっちゃけ、1,400円もするノートなのに、半分しか使えない意味が分からない。
また、その代用品として、無印良品の再生紙ノート(無地)を使うつもりでいたんだけど、こっちもLAMYブルーブラックインクとの相性が悪い。
また、MDコットンノートほど裏抜け・裏写りはしないものの、物凄く中途半端な立ち位置のノートに感じてしまって、絵を描きたいならスケッチブックにすれば良いし、文字を書きたいなら筆記に適したノートにすれば良いじゃんと思ってしまった。
というわけで、コレクションノートについては手帳型のスケッチブックを使うことにした。ネット界隈では超有名なターレンスアートクリエイションブックである。
同じような手帳型サイズのスケッチブックとしては、モレスキンが有名なんだけど、あっちは3000円以上もする高級品であるのに対して、ターレンスは「ハードカバー」かつ「80枚」なのに、たった1,320円である。僕は「コスパの塊」と呼んでいる。
本格的な水彩画などを描きたい人にとっては、ややスペック不足かもしれないが、万年筆や水彩筆ペンなどを使って、「ちょこっとスケッチがしたい人」にとっては、本当に「丁度良いスケッチブック」だと思う。
それなりに紙に厚みがあるので、水分の多い滲みやすいインクを使っても裏抜けすることはないし、水筆を使って染料インクを滲ませながら塗る画法でも問題なかった。
ミリペンを使ってペン画を描くとか、水性マーカーで線を引くとか、それぐらいだったら余裕で大丈夫である。相性の悪いペンやインクが全く思いつかない。
ただし、コピックのようなアルコールマーカーは裏抜けしてしまうので、唯一難点を挙げるとすればそこだけかな。
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だったら最初からこのスケブを使えよって話なんだけども、なんというか、僕の中でスケッチブックは「オーバースペック感」があって、もっと手軽なノートがあるんじゃないかと思っていた。
しかし、結論から言うと無かった。
普通のノートだと、「紙質は好きなんだけど裏抜けしてしまう」とか、「相性の悪いインクがある」とか、「自分のやりたい塗り方に合ってない」とか、何かしら弱点が出てきてしまう。絵を描くために作られていないからだ。
例えば、さっき挙げた「水筆で染料インクを滲ませながら塗る」というやり方についても、普通のノートだったら、インクが裏抜けしたり、すぐにフニャフニャになってしまう。水分に強くないのだ。
そのため、「スケッチ」という行為を介在させる以上、すべてを補完できるのは、結局のところスケッチブックしかない。
あと、「コレクションノート」とは別に、「ライフログノート」を書こうと思っていて、それは「無印良品のA5横罫ノート」を使おうと思っている。
コレクションノートもライフログといえばライフログなんだけども、自分が「好き」「良い」と思ったものと出会ったときにしか描かないので、毎日の日課にしづらい。
そこで、以前から僕が習慣にしている「その日、自分の感情がポジティブになれたこと」を記録するノートを作りたいと思い、せっかく買ったので、無印良品のノートを使うことにした。僕はほとんど横罫ノートを使わないんだけど、ただの文字記録だし、まあいいかと思っている。
というわけで、現時点でのノートの使い分けに関してはそんな感じだろうか。
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最後に、iPadとの棲み分けについてちょっと話したい。
「絵を描く」という行為に関して言うと、ほとんどすべてiPadで出来てしまうし、iPadの方が優秀だと言って差し支えない。
なので、さきほど作品資料の一元化の話をしていたけど、デザインを考えることに関しては、ぶっちゃけiPadでやる方が良いので、アナログのルーズリーフでデザイン案を描くことはほぼ無いんじゃないかと思う(本当に落書き程度のものなら描くかもしれないが)。
最近の僕の主流としては、iPadのProcreateで描いたラフ・下書きをiCloudでパソコンに同期し、PC・液タブで本番のペン入れをするということが多い。これが最高に便利であり、殊に漫画制作に関して言うのであれば、プロット以外の部分でアナログが介在することはほぼ無い。
ただ、僕は、アナログの紙でしか出来ないことが2つあると考えている。
ひとつは、紙ならではの質感を活かした絵の風味だ。
例えば、デジタルにも「水彩ブラシ」というのはあるんだけど、結局はテクスチャが加工されただけの均等な質感ブラシなので、アナログの水彩画には、風味・風合いという部分で絶対に勝てない。
先ほども例に挙げた「水筆で染料をボカしながら描く」というやり方についても、これをデジタルで再現するのはおそらく無理だろうと思う。まさに紙のスケッチブックでしか描けない絵だと感じる。
もうひとつは、パラパラとページをめくって、過去の絵を振り返るということがiPadなどのデジタルツールには出来ない。描いたイラストを写真アプリに保存し、スクロールしながら振り返るということは出来るんだけど、なんだか無機質に感じてしまう。
文字情報についても同様であり、ライフログをデジタルツールに書き残しても、これを気軽に振り返るということがやりづらい。なので、基本的には「記録して終わり」である。僕がライフログを紙のノートでやりたい最大の理由はそこにある。
というわけで、iPadとの棲み分けの話でした。
もし「Part5」を書くとするなら、ノート使い分けの総集編みたいなものにしたい。