箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

僕の好きな絵柄を挙げながら自分の好みを整理していく。

僕には、4つの絵の好みがあって、

 

  1. 線やベタの使い方がパキッとしている印象の絵(コントラストがハッキリしている絵)
  2. キャラや背景の造形が記号化されているデザイン性を感じる絵
  3. スタイリッシュでカッコいいor可愛い絵
  4. どこかノスタルジックに感じる優しい絵

 

ずばりこの4つのどれかに当てはまっている絵を見ると、思春期真っ盛りの麗しき乙女のように、頬を赤らめながら「好き!」と告白してしまいそうになる。

 

というわけで、本日は僕が好きな絵柄の作家さんを順不同(敬称略)でズラーッと並べながら、その作家さんの「好きポイント」を僕なりに整理しつつ、今後の絵柄の参考にしたいと思う。

 

全く興味ないと思いますがどうぞ。

 

中村佑介(イラストレーター)

以前も言ったけど、イラストレーターの中村佑介さんは、学生の頃から大好きであり、初画集「Blue」は発売日に購入したし、先日も書店にて氏の画集第2弾「NOW」も購入させて頂いた。

 

アジカンのCDジャケットの絵を描いていることで有名であり、僕の大好きな「四畳半神話大系」のキャラデザも担当されている。おそらくサブカルが好きな人で知らない人は居ないだろう。

 

上記条件でいうと、中村さんの絵柄は、僕の好みの「2」「3」「4」に当てはまっている。女の子のイラストについては「アンニュイな可愛さ」があると思っていて、表情が大人しく、ポーズや構図も平面的な絵であるにもかかわらず、なぜかグイグイと引き込まれる不思議な魅力で溢れている。

例えば、可愛い女の子を描こうと思ったら、女の子に可愛いポーズをさせるとか、フェミニンな表情をさせるとか、そういう風に描くのが普通なのに、中村さんの描くキャラクターの可愛さはそうじゃなくて、「内側から自然と湧き出てくる魅力」を絵に落とし込んでいる点に凄さがある。こんなの普通は描けない。

 

そういう点でも、間違いなく天才イラストレーターだなぁと思う。真似したくても真似できない絵柄の筆頭じゃないだろうか。最近はよく中村さんの絵を見ていることが多い。

 

副島成記(グラフィックデザイナー・イラストレーター)

副島成記さんは、アトラスでゲームキャラクターのデザインを担当している方であり、「ペルソナ」のキャラデザで一躍有名になった。ペルソナ3〜5のキャラデザを見たら、副島さんのことを知らない人でも、思わず「あーこのキャラを描いている人ね」と合点がいくと思う。

 

副島さんの絵柄に関してはとにかく「スタイリッシュでカッコいい」という一言に尽きる。僕はなんとなく貞本義行さんに近しいものを感じていて、目と目の間隔をちゃんと空けて描くところが大好き(最近の作家さんは目と目の間隔がやたらと狭い人が多い)。あと、めっちゃスタイルが良くてカッコいい。こういうところは女子ウケしそうな絵だなーと感じる。

 

副島さんの絵についても、真似出来そうで真似出来ない筆頭格であり、漫画・イラスト界隈で、あまりこういう絵柄で描いている人を見かけない。まさに唯一無二という感じがする。

 

 

popman3580(イラストレーター)

副島さんの絵のストロングポイントが「カッコよさ」だとしたら、popman3580さんの絵は「可愛さ」で群を抜いている。たぶん、リアル頭身のキャラデザに限って言うなら、日本で一番可愛い女の子が描ける人だと思う。

 

中村佑介さんともまた違った視点を持っていて、popman3580さんは、とにかく「女の子が可愛く見えるポーズ、表情、アングル」を研究しまくっているのがヒシヒシと伝わってくる。画集「CITRUS」はパラパラとめくっているだけで本当に楽しい。

 

僕は、popman3580さんの絵柄も「ありそうでない」という感じがしていて、漫画界隈で流行っている美少女キャラのデザインともまた違ったものを感じる。あと、鉛筆っぽいブラシで柔らかい雰囲気に仕上げているのも好み。この方も唯一無二だと思う。

 

 

マテウシュ・ウルバノヴィチ(水彩画アーティスト)

マテウシュ・ウルバノヴィチさんは、ポーランド出身の背景画を専門とするアーティストであり、新海誠監督の作品にも背景美術として携わった経験を持たれている。マテウシュさんの画集「東京店構え」「東京夜行」などでその存在を知ってから大好きになった。

 

マテウシュさんは、宮崎駿監督の作品が好きらしく、同じく宮崎先生を勝手に師と仰ぐ僕も同じ匂いを感じている。僕の好みで言えば「4」に該当する絵柄である。

宮崎作品の影響により、日本が好きになったのか、理由はよく分からないが、東京の風景をモチーフにすることが多く、同じく東京の風景が大好きな新海誠監督からお声が掛かったのも決して偶然ではないだろう(ちなみに、奥様は日本人であり、漫画を描かれている)。

 

僕はキャラクターを描くのと並んで、同じぐらい背景を描くのも好きであり、現代都市を舞台にして描くのであれば、マテウシュさんのような優しいタッチで描きたいと思っている。また、マテウシュさんのYoutubeチャンネルのメイキング動画が作業用BGMとして本当にちょうどいい。

 

 

道満晴明(漫画家)

道満先生の絵については、Pinterestでたまたま見かけたのをきっかけに好きになった。とにかく独特なデフォルメ絵柄であり、漫画作品自体もブラックユーモアというか、不思議な世界感で満ち溢れていて、まさに「好きな人は好き」という感じの作家さんである(悪く言うなら「読む人を選ぶ」とも言える)。

 

ちなみに、僕は道満先生の作品の中では「ニッケルオデオン」が圧倒的に好き。

 

道満先生は、僕の好みで言うと「2」に該当する絵柄で、昔のアニメっぽいデザインの可愛いキャラクターなんだけど、かなり独特に記号化されており、他の作家さんには無いデザイン性を感じる。ちなみに、同人活動を長らくされていたこともあって、作品の随所にエロ要素が垣間見える。

 

僕は、道満先生の絵柄を真似しようと思った時期もあったが、何と言うか、同人誌をやっていた人じゃないと身に付かないデザイン感覚のようなものがあると感じていて、自分にはこういう可愛いエロ路線のデフォルメ絵柄は無理だなーと思ってしまった。ある意味で、自分には無いものを持っている人への憧れ的な感じかもしれない。

 

ちなみに、道満先生は年齢非公開なんだけど、「53歳のG=ヒコロウ先生と親交がある」「1993年の時点で同人活動をされていた(Wikipedia情報)」という2点から、おそらく50歳前後じゃないかと勝手に想像している。

 

岩原裕二(漫画家)

岩原裕二先生は、1996年にアフタヌーン四季賞を受賞してデビューを果たした漫画家であり、「DARKER THAN BLACK -漆黒の花-」「Dimension W」などの本格的なSFバトル漫画を主に描かれている。最近はLINEマンガに活動の場を移し、「クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-」というファンタジー漫画を連載されている。

 

岩原裕二先生は、僕の好みで言えば「1」に該当する絵柄であり、ほとんどトーンを使わずに、太い線とベタを使って、コントラストがハッキリとした絵を描く点に大きな特徴がある。僕が知る限り、カケアミなどのグラデーション表現もほとんどせずに、太い線だけで影を表現したりする。

キャラのデザインは「王道の少年漫画」という感じであり、岩原先生だけの特別な個性をあまり感じないものの、逆にデッサンの狂いもほとんどない非常に安定した画力を持たれていて、とにかく読みやすいという印象を受ける。僕はこういうコントラストがハッキリとしている絵が大好きで、たまたま岩原先生の作品を書店で見かけた時に、思わず心を奪われてしまった。最近は、また岩原先生の絵柄を勉強し直そうかなと考えている。

 

ちなみに、初投稿から掲載デビューまでに2年の歳月を要している点も、なんだか勇気づけられるというか、「僕も頑張らないと!」・・・と、自分を奮い立たせる材料になっている。

あと、岩原先生も年齢非公開となっているが、専門学校卒業後にハドソンに入社し、その後に漫画家デビューを果たされていることから、おそらく岩原先生も50歳前後だと推測している。

 

 

山本和音(漫画家)

山本和音先生は、2007年にジャンプ十二傑新人漫画賞を受賞してデビューを果たした漫画家であり、現在はハルタで「生き残った6人によると」を連載されている。山本先生のご経歴については、過去に詳しく書いたことがあるのでここでは割愛する。

 

山本先生の絵柄は、僕の好みで言うと「1」「2」に当てはまっており、岩原裕二先生と同じく、ハッキリとした線を描かれる点に特徴がある。Wikipedia情報によれば、ペン入れにミリペンを使われているらしい。

あまり細かい描き込みをせず、カケアミなどのグラデーション表現もほとんどしない。これも岩原先生と同じであるが、同氏の短編集に収録されている「雨は止んだか」という短編作品では、細かい描き込みがなされているので、山本先生がそういう作品を全く描かないわけではない(作風との兼ね合いだろう)。

 

岩原先生が少年漫画らしい「カッコよさ」を追求しているとすれば、山本先生はどちらかと言うと、「可愛い」「優しい」という要素を持っており、この雰囲気が山本先生独自の世界感を演出しているように感じる。このデザイン感覚もあまり他では見られないんじゃなかろうか。

 

ちなみに、連載中の「生き残った6人によると」は結構シリアスなゾンビサバイバル漫画であり、絵柄とのギャップが面白さを加速させているように思う。僕が大好きな作家さんの1人であり、これからも応援し続けたい。

 

 

久正人(漫画家)

久正人先生は、アフタヌーン四季賞を複数回受賞した後に、2003年に「グレイトフルデッド」で連載デビューを果たした漫画家である。僕の好みでいうと「1」「2」「3」に該当している。

 

久正人先生の絵柄は一言で言うなら、「白と黒のコントラスト」であり、描き込み量が少ない山本和音先生よりもさらに描き込みが少なく、ほんとに線とベタしかない超独特な絵柄である(アメコミから影響を受けているとのこと)。

キャラクターの造形は、怪獣・アメコミ・特撮が好きなだけあって、デザイン性に優れており、久正人先生の描く1枚絵は「カッコいい」と感じるものが多い。何と言うか、いつまでも少年の心を忘れていない人が描いた絵という感じがする。

 

大衆受けする作風ではないかもしれないが、僕はめちゃくちゃ好き。

 

 

羽海野チカ(漫画家)

羽海野チカ先生は、高校卒業後にサンリオに就職し、会社員をやりながら同人誌活動を継続され、2000年に「ハチミツとクローバー」で連載デビューを果たされた漫画家である。2007年から「3月のライオン」を連載され、現在も執筆中。ちなみに、羽海野先生の連載作品は、いずれもアニメ化されてヒットを記録している。

 

羽海野先生は、僕の好みでいうと「1」「2」に該当する絵柄であり、少年少女たちの瑞々しい感性を、優しくて可愛い絵柄できめ細やか(ときにコミカル)に表現していく点に特徴がある。デザイン的には、細かい描き込みでリアリティを追求するというよりは、ハッキリとした線で記号化して描くという画風であり、背景もデフォルメして描いていることが多い。

 

ちなみに、僕は羽海野先生の画面づくりが物凄くツボで、ワチャワチャしている感じがすごく好きだし、その一方でキャラが感情を爆発させているシーンでは、ちゃんと真面目に描いているところも作品の中にギャップがあって好きだ。

系統としては、先述の山本和音先生も近しいものがあるんだけど、山本先生はコメディ要素が薄めで、キャラの感情表現も映画みたいな演出をすることが多いんだけど、羽海野先生は、「これぞ漫画」という表現が多い気がする。

 

 

新井すみこ(漫画家)

新井先生は、ここで挙げている漫画家の中で、唯一SNSを中心に活動されている漫画家であり、「気になってる人が男じゃなかった」がバズりまくっている注目の作家である。

 

作品の内容自体は女性向けであり、百合が好きな女性をメインターゲットにした漫画なので、グッとくるポイントを理解しているわけではないんだけど、新井先生の絵柄は、パキッとした少年漫画っぽい部分があったりして、僕はめちゃくちゃ好きだ。好みで言うと「1」「3」に該当する。

純粋に画力が高いし、キャラの表情がコミカルで見ていて飽きない。1話4ページで構成されているので、顔漫画になることが多いにもかかわらず、キャラの心情がちゃんと伝わってくるのは画力が高いことの証拠である。

 

最近の読者を惹き付けるために必要なことが新井先生の絵には詰まっている気がしていて、とにかくよく見ている。

 

 

武井宏之(漫画家)

武井先生は、1994年に「ITAKOのANNA」で手塚賞を受賞し、1997年に「仏ゾーン」で連載デビューを果たしたガチのエリートである。1998年にはヒット作となる「シャーマンキング」の連載を開始するものの、人気低迷により2004年に連載打ち切りの憂き目に遭われている。

(その後紆余曲折を経て、講談社のマガポケでシャーマンキングの続編を連載中である)

 

僕の好みで言うと「2」「3」に該当する絵柄であり、キャラの造形・デザインに関しては、歴代のジャンプ作家の中で武井先生が一番好きだ。キャラを記号化・デフォルメすることに関しては、武井先生の絵柄が一番参考になると思っている。また、純粋に画力も高く、デビュー当時から既に上手い。天下のジャンプが武井先生を評価するのも頷ける。

ちなみに、連載開始当初の絵柄は、「THE・少年漫画」というデフォルメ絵柄であり、描き方もパキッとした線で描かれていた。現在のラフな絵柄も好きだが、この頃のハッキリとした絵柄も僕は好きだ(僕の好みでいえば「1」に該当する)。

 

キャラの描き方としては、現在の作家の中にも武井先生のような描き方の人もいるが、デザインという部分に関しては唯一無二であり、他の作家さんには無いものを持ってらっしゃると思う。

 

 

裏那圭(漫画家)

このブログでも再三にわたって「好き」と公言しているのが、現在少年マガジンで「ガチアクタ」を連載されている漫画家の裏那先生である。

 

これまでに挙げてきた漫画家の先生たちとは毛色が異なり、裏那先生の絵柄は、「超細かい描き込みでリアリティを追求するタイプ」といえる。また、キャラクターの造形・デザインが斬新であり、瞳の形、髪型、服装、アクセサリーの細部に至るまで、めちゃくちゃ凝っており、グラフィティデザインも超カッコいい。僕の好みでいえば、「2」「3」に該当する。

 

もともと、少年バトル漫画を描く人は、描き込みも多く、画力も高い傾向にあるが、裏那先生はその中でもトップクラスだと思う。ちなみに、ガチアクタの初期の頃は、わざとラフな描き方をされていて、僕はあの頃の描き方がめちゃ好きだった。最近は普通の綺麗な線になっていて、ちょっと残念(描きづらかったんだろうなー・・・)。

 

少年バトル漫画を描きたいなら、デザイン面で参考にしたいと思う作家さんの1人。

 

 

堀越耕平(漫画家)

少年ジャンプにて「僕のヒーローアカデミア」を連載されている説明不要の超人気漫画家。僕は、歴代のジャンプ作家陣の中でも画力はトップクラスだと思っている。僕の好みで言うと「2」または「3」に該当する。

 

堀越先生については、「これぞ王道の少年漫画」という絵柄であり、コミカルに描いたり、ド迫力のバトルシーンを描いたり、表現の幅が非常に広い。キャラの記号化も非常に上手いと感じる。

ただし、裏那先生のような奇抜さが無く、良い意味でも悪い意味でも「クセがない」という印象だが、裏を返せば、「王道のデザインを貫いた万人受けする絵柄」とも言える。だからこそこれだけのヒットに繋がっているんだろう。

 

 

まとめ

今回絵柄について自分の好みを整理したのは、「本当に僕が描きたい絵は何なのか」という部分をちゃんと確認するためであり、少しだけその部分が見えてきた気もするので、ちょっと言語化してみる。

 

*****

 

まず、ひとつ気付いた点があって、僕が好きな漫画家の中に、ジャンプやサンデーなどの大手少年雑誌での現役連載作家があまり居なかった。大手に限定するなら、堀越先生と裏那先生の2人しかおらず、過去に連載されていた武井先生を含めても3人しかいない。

ひとつ断っておくと、作品として好きなものはたくさんある。遠藤達哉先生の「スパイファミリー」も好きだし、末永・馬上先生の「あかね噺」も好きだし、藤本先生の「チェンソーマン」も好きだし、山田・アベ先生の「葬送のフリーレン」も好きだ。

 

ただし、それはストーリーが面白いとか、設定や世界感に惹かれるものがあるとか、そういう部分での「好き」であり、殊に絵柄に関して言うのであれば、あまり惹かれるものがない。何と言うか、現在の少年漫画の絵柄は「めちゃくちゃ画力は高いんだけど、デザイン面でのクセがあまりなく、大衆ウケする絵柄」という印象を抱いてしまう。

(・・・・ちなみに、僕の好みではないというだけで、タイザン5先生や藤本タツキ先生のように、キャラが記号化されていたり、独特な描き方をする先生がいるのは分かっている)

 

・・・そう。何と言うか、「上手い」という印象を抱いたとしても、「クセになる」という感覚があまりないのだ。

要するに、僕は「上手い」と感じる絵よりも、「クセになる」と感じる絵の方が好きであり、「描き方」「デザイン」「テーマ」「雰囲気」のどれか(あるいはその全て)にクセがある作家さんが好きなんだろうなーと分析した。

 

例えば、岩原裕二先生は、キャラの「デザイン」こそ普通だが、コントラストをハッキリ描くという「描き方」のクセがあるし、山本和音先生は、パキッとした線で記号化したキャラを描くという「デザイン」と「描き方」の両方にクセがある。そこに加えて、羽海野チカ先生は、ワチャワチャとした「雰囲気」にクセがあると言える。

逆に、裏那先生・武井先生は「描き方」こそ王道の少年漫画だが、キャラの造形が奇抜であり、「デザイン」にクセがある作家さんと言える。道満先生や久正人先生に至ってはクセしかない。

 

漫画家以外のイラストレーターやデザイナーについても同じである。マテウシュさんは、描いているモチーフこそ普通だが、外国人の目から見た日本の風景という「テーマ」が面白く、そのテーマに水彩画特有の優しく柔らかい「雰囲気」が合わさっている点に強烈なクセを感じる。

中村佑介さんは、キャラクターの造形や表情などの「描き方」「デザイン」に独特のクセがあり、それらが絶妙なバランスで組み合わさることにより、ノスタルジックというか、アンニュイというか、不思議な「雰囲気」が演出されている。これも中村さんならではのクセである。

副島さんは「スタイリッシュなカッコよさ」、popman3580さんは「女の子の可愛らしさ」という、他のクリエイターにはない唯一無二の「デザイン」を感じる。

 

*****

 

こういう風に、あくまでも僕の好みの話になってしまうが、僕の好きな作家さんには何かしらのクセがある。だけど、大手少年雑誌の連載作家の多くは、そのどれもが普通に感じてしまう。「クセのある独特な画風を目指そう」というより、「クセのない上手い画風を目指そう」という方向性のように感じる。

(人によっては、僕と見ているポイントが違っていて、「クセがある」と感じる絵柄かもしれないけどね。結局は個人の好みなので)

 

だから、今の大手少年雑誌の連載作品の中で、「この人の絵柄良いね!参考にしよう!」と思えるものが少ないのはそういう点に理由がある。

昨日の記事において、「全員が150キロの豪速球を目指すようになった世界」という話をしたけど、たぶん無関係ではないと思う。

 

ちょっと記事が長くなってきたので、一旦今日はここまで。