箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

細い線でアナログ感を出すやり方が分かった。

今日はひたすら模写をやっていたんだけど、線画の概念とブラシの選び方が・・・少し・・・というか、かなり分かってきたかもしれない。今までずっとモヤモヤとしていた部分がパァッと晴れてきたような気分。

 

というわけで、忘れないうちにメモっとく。

 

これまでの僕は、ジワッとした質感のブラシで線に微妙な強弱をつけながら描く…という意識でやってきた。つい先日も「にゅるペン」という微妙なニュアンスが出せるブラシを紹介したばかりだけど、アナログ感のある絵を描くためにはこの意識が必要だとずっと思ってきた。

 

だけど、最近裏那先生の絵を模写するようになり、氏の描かれた線をジーッと観察しているうちに、裏那先生が「細い線を何本も重ねて描くタイプ」の作家さんだということに気づいた。たぶん・・・だけどね。

これは裏那先生だけではなく、「SPY×FAMILY」の遠藤先生もこういうタイプだし、「地獄楽」の賀来先生もそうだと思う。「細い線を何本も重ねて描く」というか、「細い線をラフに重ねて描く」と言った方が正確かもしれない。

 

僕はそういうタイプの作家さんが居るということは知っていたし、そういう描き方を真似しようと試みたこともある。だけど、僕はこのやり方がどうしても上手くいかなかった。

 

 

例えば、これは僕が以前描いた漫画の一部なんだけど、細い線を中心に作画をしようとすると、僕の場合はどうしても線がキレイになりすぎてしまう。どんなにアナログ感のあるブラシ(例えば「じわペン」とか)を使ったとしても、ブラシサイズを下げるとアナログ感が消えてしまい、普通の細い線になってしまうからだ。

 

だから、線を重ねて描くというよりも、ブラシサイズを上げて、一発でアナログ質感のある線を出すことを意識してきた(要するに、細い線を重ねて描くか、太い線で描くかという違い)。

 

しかし、この描き方だと繊細な描き方はできない。

 

細い線を描くたびにブラシサイズを下げるか、あるいはブラシ自体を別のものに変えるしかないけど、めちゃくちゃ面倒臭いし、毎回意識して出来るわけでもない。

なので、僕は自ずと太い線に合った絵柄を探しており、そういう絵に偏重してきた。僕の絵がデフォルメ路線だったのはそれも理由の一つだと思う。

 

***

 

・・・だけど、僕は裏那先生の絵を観察して気づいた。

細い線でアナログ感を出したいんだったら、線が掠れるブラシを使えば良いじゃん」ってことに。

 

裏那先生の線は、何と言うか、微妙にガサガサと掠れた線を重ねて描いているように見えるし、細かい描き込みを見ていると、途中で線が掠れて消えたりもしていた。そこで僕は、掠れた線が描けることで有名な「しげペン改」を再び使ってみることにした(やや設定を変更)。

 

assets.clip-studio.com

 

いやー、めっちゃ良い。

 

今までの僕は、「アナログ感=ジワッとした質感」と考えており、インク溜まりが出来るブラシを愛用してきたけども、逆の方向性もあったね。なるほど。線が掠れてもアナログ感は出るのか。全然気づかなかった。

 

あと気づいたことがもうひとつ。

僕は絵を拡大して描くことが多く、以前から良くないなーと思っていて、絵全体を見れるぐらいの縮尺にして描いてみたんだけど、これも功を奏したと思う。拡大して描かないので、細かい粗が目に入らず、それが結果としてアナログ感に繋がっている気がする。この点については後々記事にしようかな。

 

というわけで、「しげペン改」めっちゃ良かったです。色々試してきたけど、このペンでしばらくいこうと思う。

 

***

 

今後の課題としては、細かい描き込みのところかなー。

 

ハッチングとかカケアミを使って陰影グラデーションを表現している部分がどうしても上手くいかない。ここも試行錯誤していかないと。

 

というわけで本日は以上。