箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

普段アニメを観ない人にオススメしたい作品3選

おすすめアニメ

 どうも、隠れオタクのまさぽちです。

 今回は、普段アニメを観ないという人にもオススメできるアニメを3つほどご紹介したいと思います(まあ、完全に自己満レビューなんですけど)。

 

四畳半神話大系

 森見登美彦氏の原作小説をアニメ化したもので、知る人ぞ知る傑作です。

 主人公(私)が通っている大学はおそらく京都大学だと思うんですが、何度もタイムリープを繰り返しながら、大学生活をやり直すというストーリー。なかなか充実した大学生活を送ることができない冴えない主人公のハチャメチャな大学生活を描いた物語です。

 大学生活を営んだ人であれば、誰しもが抱く「大学時代にもう一度戻れたら」「大学生活をもう一度やり直せたら」という願望を投影した作りとなっています。明石さんや小津といった個性豊かな登場人物たちの魅力もさることながら、この作者独特の言い回しや、超絶長いセリフも見どころの一つ(声優さんすげえ…と思います笑)。

 

 京都を舞台としているので、京都が大好きな人は、観ていてホッコリすると言いますか、「京都行きてえ!」「京都で青春してえ!」という衝動に駆られること間違いなし。観終わった後は、何とも言えない爽快な気持ちになれます。私は、好きなアニメを3つ挙げろと言われたら、そのうちの1つとして必ずこのアニメを挙げますね。

 

四月は君の嘘

 とある理由によりピアノが弾けなくなってしまった天才ピアニスト・有馬公生が、自分の友人のことが好きだという、バイオリニスト・宮園かをりと出会い、止まっていた運命の歯車が徐々に動き出す…というストーリーです。

 高校生の葛藤とか恋愛を描いているので、30代のおっさんが観ると眩しすぎて目がチカチカするんですが、ピアノやバイオリンの演奏シーンの描写は圧巻そのもの。クラシック音楽について素人が観ても凄い再現性だと分かります。

 私は、若者向けのアニメについて、絶賛することはほぼ無いんですけど、このアニメについては素晴らしかったと思います。ちなみに、最終話で有馬公生が弾くショパンのバラードNo.1は今でもたまに聴いています。

 

プラネテス

 

 個人的に、これまで観てきたアニメの中で、このプラネテスがNo.1です。

 近未来を描いた物語であり、舞台は宇宙。主人公たちは、テクノーラ社という会社のデブリ課に所属し、宇宙空間に漂う「デブリ」と呼ばれるゴミを拾う仕事をしています。物語の前半は、新人社員であるタナベと先輩社員・星野(いつもハチマキを巻いているので、通称「ハチマキ」)の絡みを中心として、会社内の個性豊かなキャラたちによる群像劇が繰り広げられます。

 前半とは打って変わって、後半以降は、哲学的テーマを含んだ重々しい展開となり、楽しい軽いノリはどこにいっちゃったの!?というぐらい別のアニメとなります。

 

 私は、このアニメが放映されていた当時、ハマりすぎて、原作のコミック(全巻)&公式ガイドブックを購入したほか、宇宙に興味がわき、宇宙のことについて書かれた小難しい洋書を購入して読んだり、大学で宇宙工学の講義を受講したりしました(笑)。その後、スピンオフ小説「家なき鳥、星をこえる」なども読了。

 青春時代に観たアニメということもあって、思い出補正がかかっているかもしれませんが、それぐらい特別な作品です。働き方や生き方に躓いてしまったとき、是非このアニメを観て欲しいと思います。

プラネテスについては、また別の記事でも書きます。

物件探しは縁だなーと思った話。

 どうも、まさぽちです。

 単身サラリーマンが住む部屋は1Kで十分ですが、「食べる」「くつろぐ」「勉強する」「寝る」という、それぞれの生活スタイルにメリハリをつけるために、1DKまたは1LDKの物件に引っ越すことにしたんです。

 洋室にベッドと勉強・PCデスクを置き、ダイニングまたはリビングダイニングに、ソファとか、ダイニングテーブルを置くという感じですね。

 

↑ 以前、こちらの記事で、ソファとかテレビは不要という記事を書きましたが、友人が引っ越すにあたって、「ソファとテレビを買い替えることにしたから、貰ってくれないか?」と頼まれ、なんだかんだで2人掛けソファとテレビを持っています(笑)

 

 んで、物件を探すにあたり、私が必須条件としたのは、以下のとおり。

  • 最寄駅まで徒歩10分以内
  • 徒歩で行ける距離にコンビニ、スーパー、薬局がある。
  • 通勤にあたって乗換なし(1本で通勤できる)
  • 40㎡以上
  • 家賃上限 9万円(共益費・管理費込み)
  • 風呂・トイレ別
  • 室内洗濯機置場
  • 日当たり良好
  • それなりの収納スペース

 

 んで、これらの条件を満たす物件がないか、エリアを絞るところから開始し、ネットサーフィンしながら探しつつ、2~3件ほど目ぼしい物件をピックアップして、不動産屋に連絡して、内見することになりました。

 

 すると、当日紹介してもらった物件のなかに「これや!」という部屋があったんです。

 間取りは1DK、広さは40㎡ほど。最寄り駅まで徒歩5分。職場まで電車一本で行けて、マンションの隣にコンビニがあり、綺麗にリフォームされた風呂とトイレ。ベランダ側は駐車場なので視界が開けており、日当たり良好だし、眺望も良し。洋室には広めのクローゼット。

 自分の要望を全て満たしていて、家賃は7万円ほど。そのエリアでの1DKの相場が8~9万円であることを考えると、超掘り出し物件という感じでした。これ運命じゃね?ww

 

 しかし、不動産屋に戻って調べてみると、衝撃の事実を告げられました。

 「大変申し訳ございません!問い合わせてみたところ、こちらの物件は既にお申込みがあったとのことです…」と。

 

 

工工エエェェ(´Д`)ェェエエ工工

 

 

 その日は悔しさで眠れなかったですね。

 

仕切り直しの物件探し

 一晩で自分の気持ちを仕切り直し、次の日、別の不動産屋に足を運びました。同じエリアで。

 

 希望条件を伝え、いくつかピックアップしといてくださいとだけ言って、不動産屋を訪ねると、昨日出会った運命の部屋を出してくるではありませんか。

(やれやれ…。情報が遅いな。この物件はもう決まっているんだよ)

 

 そう思って事情を説明すると、こちらの説明を聞きながら、なぜか担当者はニコニコしています。こちらが「ん?」という感じで戸惑っていると、

 

「はい。確かにお客様のおっしゃるとおり、こちらのお部屋はお申込みがあったんですが、昨日キャンセルの連絡がありました」

 

…え?

 

 

オォォーーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!

 

 

 俺氏、大歓喜&大勝利です(笑)

 その不動産屋は、その物件を直接管理しているらしく、情報が早かったのです。そのため、前日の時点では、まだ「申込済み」というステータスになっており、その不動産屋以外は、紹介できない状態になっていたというわけですね。

 

 やはり運命の部屋でした。

30代メンズ向けのおすすめ洗顔料【独断レビュー】

30代_洗顔料_おすすめ

◆ 最終更新:2017年6月2日

 

 私は、特に洗顔料にこだわりを持っていなかったんですが、20代後半頃から、洗顔料を選ぶようになり、今あれこれ試している最中です。

 

 そこで、私が試した洗顔料をあれこれレビューしてみたいと思います。

 なお、私の肌の特徴としましては、

  • どちらかと言うと乾燥肌。
  • ニキビはそんなにできない。
  • 肌アレルギーとまではいかないが若干敏感肌。

 

 …という感じです。近い肌質の人であれば参考になるかもしれません。

(なお、この記事は適宜更新します) 

 

 

① OXY ディープウォッシュ(オススメ度:★☆☆☆☆)

Oxy(オキシー) ディープウォッシュ 200g

Oxy(オキシー) ディープウォッシュ 200g

 

 私が20代前半から長らく愛用していたのが、こちらの商品。「とにかく汚れを落としてサッパリしたい! 」という、私の要望を最も満たしているような気がして、ずっと使っていました。

 洗い心地は爽快そのもの。皮脂という皮脂を全て洗い流してくれるような感じがします。ただ、必要な油分まで取ってしまうようで、風呂上りに化粧水などを使わないと、肌が乾燥して突っ張るため、乾燥肌の人やツッパリが気になる人には合っていないと思います。実際、肌質が変わってからはこちらは使わなくなりました。

 オイリー肌の人や、10代~20代前半頃までのよく汗をかく若者向けの洗顔料という印象です。

 

② OXY パーフェクトウォッシュ(オススメ度:★☆☆☆☆)

Oxy(オキシー) パーフェクトウォッシュ 200g【医薬部外品】

Oxy(オキシー) パーフェクトウォッシュ 200g【医薬部外品】

 

 薬局に洗顔料を買いに行った際、OXYディープウォッシュが品切れであったため、類似商品であるこちらを使ったこともあります。

 ディープウォッシュに比べると、爽快感はやや抑えた感じ。洗浄力は、同じぐらいでしょうか。OXYシリーズはとにかく「爽快」というイメージなので、全体的な評価としてはそんなに変わらないです。

 

③ メンズビオレ 泡タイプ(オススメ度:★☆☆☆☆)

メンズビオレ 泡タイプ洗顔 本体 150ml

メンズビオレ 泡タイプ洗顔 本体 150ml

 

 泡タイプの洗顔料として初めて試し買いしてみたのがこちら。

 うーん、なんていうか自分としてはイマイチでした。洗った後の爽快感はあまりなく、 しっかり洗い流さないと洗顔料そのもののヌメり(?)が取れず、人によっては1~2日ぐらいで使わなくなるかも。

 メンズビオレシリーズは、「ディープモイスト洗顔」が高評価ですが、使う機会があればレビューを書いてみます。

 

④ キュレル 泡洗顔料(オススメ度:★★☆☆☆)

キュレル 泡洗顔料 150ml

キュレル 泡洗顔料 150ml

 

 友人の家に置いてあったので、何度か使わせてもらいました。

 乾燥性敏感肌を考えた商品というだけあって、優しい洗い上がりです。ツープッシュぐらいした泡を肌に乗せ、そんなに強くこすらなくても、すーっと肌を滑る感じがして、しっかり汚れも落としてくれます。

 ただ、ポンプ式の洗顔料全般的に言えることですが、泡がそれほどモコモコしているわけではなく、肌全体を包み込むような感覚に欠けます。それでも、コスパは良いと思いますね。

 

⑤ クリニーク チャコール フェースウォッシュ(オススメ度:★★★★☆)

クリニーク フォー メン チャコール フェース ウォッシュ 200g

クリニーク フォー メン チャコール フェース ウォッシュ 200g

 

  私が過去に試した洗顔料の中では、こちらがNo.1です。普段、このような高い化粧品を買うことはありませんが、たまたまプレゼントで頂いたので大事に使っていましたが、国際線に持ち込んで没収されました…( ノД`)

 「チャコール」「カーボン」というだけあって、中身はドロッとした黒い液体です。一瞬「あれ?」と思いますが、泡立たせるとモコモコとしたキメの細かい泡へと変身し、この泡が毛穴奥の汚れをしっかりとキレイに洗い流してくれます。洗浄力ハンパないっす。

 洗い心地としましては、突っ張る感じもなく、かと言って皮脂が残っている感じもしません。乾燥肌の人にとっては、本当に丁度良い。この洗顔料を使っている期間中は、毛穴が目立たないもちっとした卵肌でした(めちゃ肌キレイですね、と褒められる回数が増えました)。

 ただ、薬局などで1000円以下で購入できる市販の洗顔料と比べると、こちらの商品は4000円ぐらいしますので値は張りますね。コストに見合うだけの効果はあると思いますが、手頃さはないという感じです。今後、これを超える洗顔料に出会いたいという願いも込めて、星4とさせて頂きました。

 

⑥ ニベアメン モイストフェイスウォッシュ(オススメ度:★★☆☆☆)

ニベアメン モイストフェイスウォッシュ 100g

ニベアメン モイストフェイスウォッシュ 100g

 

  まず、勝手な妄想ですが、他の市販洗顔料と同じ価格帯でありながら、容量は100gと少な目であり(他商品は150~200g程度)、「良い洗顔料なんじゃないか」と思っちゃいます(?)。

 洗い心地ですが、油分を取り過ぎず、適度に汚れを落としてくれるという感じ。肌のツッパリが気になる人には丁度良い洗い上がりかもしれません。ただ、洗った後、凄い爽快感があるかと言われるとそうでもなく、洗浄力は普通ぐらい?でしょうか。無難な洗顔料という感じです。

 

⑦ ロゼット 洗顔パスタ 海泥スムース(オススメ度:★★☆☆☆)

ロゼット 洗顔パスタ 海泥スムース 120g

ロゼット 洗顔パスタ 海泥スムース 120g

 

 市販のおすすめ洗顔料を紹介しているサイトで、必ずと言っていいほど取り上げられているのが、こちらのロゼットシリーズ。その中でも特に高評価を受けているのが、この「海泥スムース」です。

 洗い上がりはサッパリしますが、「毛穴すっきり」という謳い文句を掲げているものの、毛穴に対して効果があるかと言われると、「うーん…?」という感じ。肌がキュッとする感覚もあまりないような。口コミを見ていると、乾燥肌の人はツッパリが気になるという人もいたので、注意が必要です(私はそのような感覚はなかったですが…)。

 悪い洗顔料とは思いませんが、値段に見合った商品だと思います。個人的には、ニベアメン モイストフェイスウォッシュと同じような印象。

 

⑧ ロゼット 洗顔パスタ 白泥リフト(オススメ度:★★★☆☆)

ロゼット 洗顔パスタ 白泥リフト 120g

ロゼット 洗顔パスタ 白泥リフト 120g

 

 上記ロゼットシリーズのひとつである「白泥リフト」。泡立ちや、洗っているときの感触は海泥スムースと同じような感じ。この時点では違いがよく分かりません。

 違いが現れるのはすすいだ後。正直、こちらの白泥リフトの方が、キュッとした感覚があり、毛穴に対しても、しっかりアプローチされているような印象を抱きました。ピンクのパッケージなので女性向けのような気もしますが、全然メンズも使えますね。

 「海泥スムース」がイマイチだと感じた人は、こちらの商品を試してみてはいかがでしょうか?

警察官が巡回連絡で訪れてきたので、その時の会話内容を再現してみる。

巡回連絡

 「巡回連絡とはなんぞや?」という方のために、少しだけ説明を加えると、巡回連絡とは、めちゃくちゃ簡単にいうと、警察が家やアパートを訪ねてきて、巡回連絡カードと呼ばれる個人情報票に、家族や勤務先などの連絡先を記入させるなどして、個人情報を収集する活動です。

 一応、巡回連絡には、犯罪の抑止や災害の防止といった公共の安全と秩序維持…という大義名分があります。例えば、留守中に空き巣が入ったとか、何らかの犯罪に巻き込まれたという場合に、家族などの関係者に迅速に連絡ができるようにするといった目的が挙げられます。なお、巡回連絡は、警察法2条が根拠条文となっているようです。

 

 私の住んでいるマンションは、オートロックとなっており、近くのコンビニに出かけようとして、マンションを出たところで、ポツンと立っていた警察官(巡査)らしき人が、私に声をかけてきました。

 

会話内容

警察官「すみません。ちょっと宜しいでしょうか?」

私「はい?」

警察官「このマンションの住人の方ですか?」

私「はい」

警察官「今、巡回連絡に来ていまして。〇〇さんではないですか?」

私「いえ、違います(誰だよ)」

警察官「ちなみに、何号室にお住まいの方ですか?」

私「えーと、どちら様なんですか?」

警察官「△△警察の者です」

私「何か事件の捜査ですか?」

警察官「いえ、巡回連絡です。巡回連絡とは・・・(長々と説明が続く)。ということで、巡回連絡カードへのご記入をお願いしています」

※このとき、個人情報が記載されている巡回連絡カードの実物を見せる

私「いえ、結構です」

警察官「巡回連絡カードは、警察の方で厳重に管理しておりますので、個人情報の流出はご心配いりませんが・・・」

私「え?今、巡回連絡カードを見せたじゃないですか」

警察官「はい?」

私「だから、厳重に管理してるはずの巡回連絡カードを一般人である私に見せたじゃないですか」

警察官「それは、例としてお見せしたのであって・・・」

私「いや、例として見せるのであれば、記載例とかサンプルを見せればいいのであって、実際に住人の方が記載した巡回連絡カードの実物を見せるのはマズいんじゃないですかね」

警察官「すみません、手元になかったものですから。ただ、巡回連絡の目的についてはご理解頂ければと思います」

私「いやぁ、よくわかりません。緊急連絡先などは貸主にも伝えていますし、なにかあれば貸主とか管理会社に聞けばいいと思います」

警察官「そうですか、では結構です」

私「もう宜しいですか?」

警察官「あ、すみません、オートロックを開けて頂けないでしょうか?」

私「え?インターホンありますけど?」

警察官「インターホンで呼び出しているんですが、出ていただけないので・・」

私「(知らねえよ)管理会社に問い合わせてみてはいかがでしょうか?」

警察官「かしこまりました。ありがとうございました」

 

まとめ

 何と言いますか、全然厳重に管理されてないじゃんって感じでした(ちょっと挙動不審な感じでしたし)。

 色々と調べてみたのですが、過去に巡回連絡や同カードを悪用して、犯罪にまで発展したこともあり、個人的には、全く協力する気が起きませんでした。。

 以上、警察から個人情報の提供を求められた際は慎重になった方が良いと思います…という話でした。

DeNAの第三者委員会調査報告書を読んだ感想

 DeNAのキュレーション事業に関する第三者委員会調査報告書をやっと読み終わったので、その感想的なものを書き留めておきたいと思う。

 

 なお、本報告書の第12章「本報告書のまとめとして」にも記載のあるとおり、第三者委員会は、DeNAや個々の役職員を糾弾するためではなく、本問題を重大な教訓として心に刻み、より良い会社になっていってほしいとの願いを込められている。

 私は、同じIT企業で法務として勤める以上、本件は決して対岸の火事ではなく、自分たちの立場に置き換えて、本報告書において指摘されている種々の問題点を拝する必要があると考えている。

 

キュレーション事業に対するリスクの認識とその回避策について

 本報告書では、DeNAが運営するキュレーションサイトにおいて公開・使用されている記事および画像の著作権侵害や薬機法等違反の点について、著作権法違反の可能性がある記事・画像の存在、薬機法、医療法及び健康増進法に違反する可能性のある内容を含む記事の存在が指摘されている(35頁以下、244頁以下)。

※ 一部報道がなされた不適切な内容の記事に対しても言及されているが、ここでは問題の対象とはしない。

 

 法務として気になるのは、キュレーション事業を開始または本格展開するにあたって、①具体的なリスクを正しく認識・把握していたかどうか、②それに対する必要且つ適切なリスクヘッジが図られていたかどうかという点である。

 

① リスクの認識・把握は適切であったか。

 この点、DeNAは、iemo社やペロリ社を買収する過程で法務DDを実施し、iemoMERYにおいて公開されている記事において使用されている画像について、著作権侵害の事実を明確に認識している(54・55頁、60頁)。

 他方、投稿記事については、iemo関係者に対するヒアリングの結果、第三者の文章の無断使用が発見されたことはない旨報告されているものの、全ての記事に関してコピペチェッカーによる著作権侵害が確認されていたわけではなく、むしろ「記事部分に著作権侵害が存在する可能性を否定できない」とされており(55頁)、MERYについても、目視による確認には限界があり、iemo同様に、記事部分に著作権侵害が存在する可能性を否定できない旨が報告されている(60頁)。

 

 このように、画像と投稿記事のそれぞれに対する調査密度や報告結果が異なった原因として、使用画像については、その使用態様から比較的容易に著作権侵害の有無を判断できるのに対して、投稿記事の著作権侵害の有無については、①当該記事は、DeNAの指揮監督のもとで作成・投稿されたわけではなく、iemo社・ペロリ社の外部ライターに対する個別的な指導に依存していること、②文章の著作権侵害を判断することは容易ではなく、本格的な調査のためには相応の費用と時間を要し、スピード感が重視されていたM&A施策(51頁等)の弊害となりかねず※、簡易的なヒアリング調査にとどまるざるを得なかったという背景があるのではないかと推測する。

 個人的には、買収前の法務DDの段階において、投稿記事に対するリスクの認識や評価が不十分であったとの印象を受ける。「著作権侵害が存在する可能性を否定できない」と報告されていながら、この点について対応策を講じることがクロージング条件とはされておらず、画像表示に対する対応策だけが経営会議や取締役会の議論の中心に据えられていたが、プラットフォーム化の件と併せて、十分な審議・検討を重ねるべきであったと思われる。この点は、Find Travel社の買収においても同様である。

 

iemo社の買収が社内で初めて検討されたのは、本報告書を読む限り、平成26年7月22日の取締役会であり、買収が決議されたのは同年8月20日(クロージングを迎えたのは同年9月18日)であった。わずか1ヶ月足らずという短期間で意思決定がなされたことになる。

 一方、ペロリ社の買収が社内で初めて検討されたのは、平成26年8月20日の取締役会であり、買収が決議されたのは同年9月19日(クロージングを迎えたのは同年9月30日)である。こちらも、たった1ヶ月間で買収の意思決定がなされたということになる。

 

 なお、本報告書によると、法務部は、DeNAの内製サイトであるCAFYJOOYcutaについては、取扱うテーマの性質に鑑み、特段の法的リスクを認識しておらず、この3サイトにiemoMERYFind Travelを加えた計6サイトについては、抜き打ち記事チェックを実施していないとの記述がある(221頁)。

 その理由として、iemoMERYFind Travelについては、買収時に著作権の問題は全て解決されたという認識であったとのことであるが、著作権侵害が存在する可能性を否定できない」と報告し、この点について特に対策が講じられていないにもかかわらず、何故著作権の問題が全て解決されたと認識するに至ったのか明らかでない。

 

 また、事業開始後の内部監査および役員によるチェックも不十分であったと思われる。

 内部監査室は、著作権法上のリスクについて、関係者に対する概括的なヒアリングと契約書類のレビュー等を実施したにとどまり、発見されたリスクに対するフォロー監査もなかったとの記述がある(228頁以下)。但し、平成28年度においては、記事や画像に対するサンプルチェックを実施することが計画され、プラットフォームの建前をとりつつ、DeNAが記事作成に関与している実態を懸念していたことを付言しておく(229・230頁)。

 内部統制に関わる部署とのコミュニケーションが欠乏していたのかどうか定かではないが、取締役会において、キュレーション事業における著作権法上のリスクや事業上のリスクが報告されたことはなく(報告を求めたこともなく)、議論されることもなかった。監査役による業務監査においても特段の問題点は指摘されていない(230・231頁)。

 

リスクヘッジは適切であったか。

 とはいえ、投稿記事のコピペ等については、潜在的リスク意識として存在していたように思う。だからこそ、新4サイトの同時立ち上げ後、抜き打ち記事チェックを実施したといえる(70頁)。

 また、薬機・医療法についてのリスク意識も明確に存在していた。法務担当者から、薬機・医療関連記事については医師等の専門家の監修を付けるよう指示するなど(71頁)の措置が講じられていたことがその証左である。

 

 但し、このような法務部門のリスク意識が、現場に十分に浸透していたかと言えば、決してそうはいえない。

 薬機・医療関連記事の作成フローについて法務部の確認はとられていないし(72頁)、外部ライターに記事作成を委託する際の記事作成マニュアルについても、法務部の確認はとられておらず(81頁)、DeNAとしての統一的な見解や基準として設けられていたわけでもなかった。各サイトごとに蓄積されたノウハウがマニュアルという形で具体化したといえる。

 

 正直なところ、本報告書に目を通していて、個人的に一番驚いたのは、法務部が、各サイトごとに記事作成マニュアルが作成・更新されていることを知らず、現場からの相談に対する個別的な回答がマニュアルを作成するにあたって参照されていたことも知らなかったという点である(222頁)。

 先ずもって、法務部としては、外部ライターによって、反復継続して大量の記事作成が行われていることを認識していたうえに、クラウドソーシング会社との間の業務委託契約においては、記事内容に著作権違反等の問題があり、第三者の権利を侵害することがあった場合は、クラウドソーシング会社が責任を負うと規定しつつも、記事作成の指示及び内容のチェックをDeNAが全て行うために、クラウドソーシング会社に対する責任追及ができないという点も認識していたはずである(79頁)。また、CSに寄せられたクレームのうち、重要度が高いクレームへの対応にも関与しており、その中には画像の無断使用に関するクレームもあった(223頁)。

 だとすれば、法務部としては、各サイトにおける記事作成委託の実態を調査・把握したうえで、積極的且つ能動的に、記事作成マニュアルの作成・更新(再委託先である外部ライターに対する指導監督)に携わるべきであったと思うが、これらの対応に乗り出したことが伺える記述は本報告書には見当たらない。

 また、法務部は、DeNAが運営するキュレーションサイトがプラットフォームであることを前提として、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の適用により、法的責任が免除されることを意識したクレーム対応を行っていた。無断使用された画像について、ペロリ社のサーバーに保存されていること、当該記事を作成したのが一般ユーザーではなくペロリ社の社員であることを把握していながら、あたかも会員登録をした一般ユーザーが自由に記事を作成・投稿できるプラットフォームであるとのテンプレート回答を伝えるように助言していた点は、多かれ少なかれ問題があるように思える。

 

 なお、DeNAの社内におけるコンプライアンス研修は、全社的に周知徹底すべき一般的なコンプライアンス事項を概括的に教育することに主眼を置いたものであって、キュレーション事業に特化した著作権や事業上のリスクに関する研修はなかったとのことであるが(232頁)、全社的に実施されるコンプライアンス研修会の性質に照らして、ある特定の事業にのみフォーカスされた研修が実施されなかったとしても、その一事をもって、本件を引き越した主因・副因足り得るとは思えない。

 

総評

 本件を俯瞰したとき、私が強く思うのは、会社という組織は、スピードと利益確保が重視・優先される場面においては、リスクに対する認識が極めて鈍感になるということであろうか。もっとも、それは本件に限った話ではなく、その他の企業不祥事にも共通して言えることである。

 本件において特筆すべきは、ただでさえリスクに対する認識が鈍感になっている場面において、キュレーション事業に対するリスク分析や評価が適切に実施されていなかったという点である。私は常々、事業部門に対して、新規事業のリスク分析・評価において、法務部門をはじめとする牽制部門との意思疎通の重要性を説いている。リスクを適切に把握できなければ、必要となるリスクヘッジを図ることは画餅と化すからである。そのような視点から本件を見たとき、「起こるべくして起こった」という感が拭えない。

 

 DeNAという大企業が起こした事案だけに社会の関心も高く、マスコミ等による過度な報道によって炎上した側面があることも否定できないが、IT業界を牽引する企業として、それ相応の社会的責任を負うことは自明であり、本報告書を受けて、心機一転再スタートを切って欲しいと思う。

 また、冒頭にて申し上げたとおり、本件は決して対岸の火事ではない。「明日は我が身」との思いをもって、日々の業務に取り組んでいきたい。