箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

絵・デザイン

原稿作業がほぼ終わったので、今回学んだことをまとめていく。

原稿作業がほぼ完了した。 費やした期間は1ヶ月半といったところだろうか。締切までまだ少し日数があるので、細かいところを微調整しているが、大きな変更はなく、原稿としては完成といって差し支えないと思う。 ちなみに、去年新人賞向けの原稿を描いたとき…

「線をコントロールできる範囲のスピードで描く」という意識を持つ。

こないだクリスタの素材を整理しつつ、次の原稿作業に向けての方針を練ってみたので、その備忘録を。 *** まず最初に線画について。 僕はラフっぽい線が理想であり、乱雑に描いているように見えてちゃんとまとまっている線をずっと追求してきた。なので、…

モノクロ漫画を描くのに必要な「モノクロ色彩感覚」について。

僕は岩原裕二先生の絵が好きだ。 岩原先生の絵柄は、Wikipediaにも記載されているとおり、「スクリーントーンをほとんど使わずに、力強い線画による重厚な描き込みと、印象的なベタで全体を表現する画風が特徴的」であり、僕はこういう線とベタだけのモノク…

キャラデザの修行とか漫画への活かし方について。

最近は、ちょっとずつ創作のペースが戻ってきて、デザイン感覚を養うためにキャラデザの研究をやったりしている。ほとんど模写しかやってないけど…。 個人的には、松浦聖さんのキャラデザがめちゃくちゃ大好きで、松浦さんの画集を見ながら、デザインのイン…

自分の現状を踏まえて「デザイン性を磨く方法」について考えてみる。

前回の記事に引き続き、「デザイン的な上手さ」をどうやって追求していくのかを考えよう・・・という企画の第2弾。 (前回の記事はこちら) 最初に、前回の内容を掻い摘んで話すと、絵の上手さには「写実的な上手さ」と「デザイン的な上手さ」の2種類があっ…

「デザイン的な上手さ」について考えてみる。

最近はボーッと本を読んだり、ネトフリで「地面師たち」を一気見したり、カフェに気分転換をしに行ったり、生産性があるのかないのかよく分からない時間をグダグダと過ごしていて、そんな時間を過ごすぐらいだったら、何でも良いから絵を描けよと自分に言い…

Alarikoさんのことを語る。

たぶんイラストを見ない人は全く知らないと思うけど、背景アートをメインで描かれている「Alariko(アラリコ)」という有名なアーティストさんがいる。インスタで約35万人、X(ツイッター)で約28万人のフォロワーがいるので、「有名」と言って差し支えない…

少年漫画における「記号」とは何か。

今日は、僕が直面している悩みと、少しだけ悩みが晴れた部分をちょこちょこと書いていく。 僕は、全ての漫画の中で、圧倒的に少年漫画が一番難しいと思っている。なぜなら、少年漫画では、分かりやすさが求められている一方で、分かりやすさを追求しようとす…

イラストとモノクロ漫画の感覚の違いについて考えてみた。

こないだ、激しく共感するブログ記事を見かけた。 その人は普段イラストを描いている人らしいんだけど、その人がデジタルでモノクロ漫画を描こうとした時に、両者の決定的な相違点に気づいたという。 その人曰く、イラストというのは、色が主役であり、影や…

ファンタジーを題材にした場合のキャラの服装デザインについて

ファンタジーを題材にしていると、おそらく一番悩むのはキャラの服装だと思う。 その一方で、現代を舞台にするのであれば、ぶっちゃけ、国や人種による服装の違いなんてほぼ無いし、いくらでも服装の資料は手に入るため、ほとんど悩むことはない。 ビジネス…

自分の描きたい絵から逆算して作風を考えてみる。

前回の記事の続き。 前回の情報を整理したうえで、僕が描きたい絵をまとめると、 デザイン:キャラの造形がある程度記号化されていること。 描き方:パキッとした線で描かれたコントラストを感じられる絵であること。 雰囲気:「スタイリッシュでカッコいい…

僕の好きな絵柄を挙げながら自分の好みを整理していく。

僕には、4つの絵の好みがあって、 線やベタの使い方がパキッとしている印象の絵(コントラストがハッキリしている絵) キャラや背景の造形が記号化されているデザイン性を感じる絵 スタイリッシュでカッコいいor可愛い絵 どこかノスタルジックに感じる優しい…

中村佑介氏の画集「NOW」に目を通しつつ、自分の絵柄について考えてみる。

燃え尽き症候群になってからというもの、「果たして僕は何が描きたいのだろうか」と再び自問自答を繰り返す日々が始まった。作品を描き終えると、僕には毎回この時間が訪れる。これは「僕は一体何者なのか」という問いに置換可能であり、僕にとっては禅問答…

初心者(画力の低い人)ほどコマは大きく割るのが良いという話

今日はパソコンの調子が比較的安定しており助かった。 最近は調子の悪い日が多く、今日みたいに安定している日が珍しくなってきてしまった。どうしてもレイヤー数が増えてきて本格的に原稿を仕上げようとすればするほど、パソコンの性能が追いつかずに処理落…

ペン入れで「線の太さ」や「アナログ感」よりも大事なこと。

さて、今日も作業の進捗と気付いた点を書いていきますかー。 ちなみに余談だけど、これが3月に入ってから29記事目であり、これはこのブログを開設して以来、月間投稿回数の最高記録である(今までは、2023年9月の23回)。まあ、だからどうしたと言われそうな…

小さいコマを描くときに線が弱くなってしまう問題について考える。

今日は絵に関する反省会・・・ということで。 以前も言ったとおり、最近は出来上がった原稿をiPadで必ず確認するようにしていて、そこで、線の太さとか、描き込み量とか、全体的な見栄えをチェックするんだけど、総じて言えることとしては線が弱いなーと感じ…

CLIP STUDIOのアミトーンに関する考え方がちょっと変わった。

今日はクリスタでのアミトーンに関する覚書とか、M2 Mac miniのBluetooth接続問題とか。 以前、モアレに関して書いたんだけど、その続き。 pochitto.hatenablog.com 最初に僕のアミトーンの塗り方について説明しておくと、僕は以下の2種類の方法を場合によっ…

【CLIP STUDIO】モアレ防止のために網点トーンの取扱いを考える。

これは以前からずっと言われていることだが、クリスタの網点トーンをそのまま書き出してしまうと、書き出した画像を縮小したときに、高確率でモアレが発生してしまうという有名な問題がある。 要するに、液タブやiPadで描いている時には網点トーンが綺麗に表…

「自分が思っている3倍の太さで描け」というのはマジである。

以前、僕はこちらの記事の中で、スカーレット・ベリ子先生の動画を紹介し、先生が「デジタルでアナログっぽい線を描きたいなら、自分が思っている3倍の太さで描け」と指南されていることを紹介した。 pochitto.hatenablog.com 「3倍」と聞くと、いくらなんで…

最後のペン入れ・仕上げ工程で意識することを整理する。

iPad版クリスタを使って、ネーム・下書き作業をずっと続けてきたが、ひとまず作業が一段落ついたので、いよいよ最後のペン入れ・仕上げ作業へと移っていこうかと思う。 結局、ネーム作業で1ヶ月、下書き作業で1ヶ月かかってしまった。途中でPCがぶっ壊れるな…

ネームはiPadで描いた方が良いことに気づいた。

昨日パソコンがぶっ壊れてしまい、ネーム・下書き作業をiPad Proで引き継ぐことにしたんだけど、これぞ怪我の功名と言うべきか、iPad Proで作業してみて色んなことに気づくことができた。 まず、すごく初歩的なこととして、クリスタの編集データの共有・同期…

漫画のキャラデザに関する覚書

今日は珍しく漫画のキャラデザについての覚書を。 僕は漫画のキャラデザインの考え方はイラストとは微妙に違うと思っていて、凝ったキャラデザにしようとすればするほど、「分かりづらさ」が増していき、最終的にキャラの魅力がうまく伝わっていない感じがす…

下書きのフェーズで意識したいことを確認する。

さて、ネームが完成したので、これから「下書き」のフェーズに移っていこうと思う。 本来、僕は漫画を描くときに、「下書き」と「ペン入れ」はほぼ同時にやることが多く、もし締め切りが近いのであればそうした方が良いんだけど、今回は「自分自身が本当に納…

ネームに取り掛かる前にイメージラフから描いていく。

現在、ネーム作業に取り組んでいるんだけど、がっつりとネームを描く前に、まずはイメージから描き出そうと思い、iPadのProcreateを使って、イメージラフのようなものから描き始めることにした。 とは言っても、イメージラフについては、去年からコツコツと…

「イメージを練る」ということとネーム作業との関係性について

少し前に、「イメージを描き出す作業」を優先してやっているという話をしたばかりなんだけど、ラフスケッチも含めて現在26枚ぐらい描き出すところまできた。 最近は、iPadのProcreateを使ってラフスケッチを描くようにしていて、Pinterestとか写真資料集を眺…

最近使うようになった鉛筆ブラシとか、絵のイメージに関しての備忘録とか。

早いもので、あっという間に12月になってしまった。早いねぇ。 2023年の振り返りはまた今度やるとして、今回は最近の近況をダラダラと書いていこうかな。 *** 最近、鉛筆ブラシを見直し、メインで使っている「パーフェクトペンシル」と「SUクリームペンシ…

本気の模写を100枚描いたので感想を書いてみる。

8月末頃から開始して約2ヶ月。やっとこさ「本気模写100枚企画」を最後まで完走できたので、やってみた感想とか、実感した効果などをツラツラと書いてみたい。 ちなみに、「本気模写」とは、線のタッチ、黒ベタ・トーン、効果線などの細部に至るまで、そっく…

線に対するこだわりを持つ。

本気模写100枚企画も後半に差し掛かってきて、今日ついに70枚に到達した。 よし、これであと30枚だ。 こんな短期間でも随分と絵が変わったなーと実感する。途中から使うブラシを「しげペン改」に変えたのも大きかったけど、最初の頃と比べてタッチがめちゃく…

主線補強用のブラシとまつ毛の質感デザインについて。

練習記録もこれで25回目。とりあえず50回を目指して頑張ろう。 さてさて、まずは普段使っている主線用のブラシについて。 僕がメインで使っているブラシは、再三申し上げているとおり「しげペン改」なんだけど、最近はこれに加えて「墨筆」というブラシを使…

【CLIP STUDIO】アナログ手書き風のコマ枠線がめっちゃ良かった。

さてさて、今日も気づいたことをメモメモしていきます。 模写をしていて気づいたんだけど、手の込んだ作画をしている先生は、やっぱり自分たちでオリジナル素材を用意している。服の柄とか、地面や壁の質感とか、何かのマークとか。 そういうところで世界観…