箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

下書きのフェーズで意識したいことを確認する。

さて、ネームが完成したので、これから「下書き」のフェーズに移っていこうと思う。

 

本来、僕は漫画を描くときに、「下書き」と「ペン入れ」はほぼ同時にやることが多く、もし締め切りが近いのであればそうした方が良いんだけど、今回は「自分自身が本当に納得できるものを描く」と決めているので、やや作業工程が緻密丁寧すぎるかもしれないけど、そうさせてもらう。

 

んで、下書きを描いていくにあたって、意識したいと思っていることを備忘録的に書き留めておく。

 

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まず、ネームはあくまでも設計図なので、ネーム段階で描いている絵に引っ張られすぎないように注意し、「ネームの内容が変わらない範囲で新しい絵を描く」という意識を持っておく。

もちろん、必要に応じてコマを足してもいいし、コマの大きさなども適宜変えても良い。そういう意味では、「下書き」というより、「絵の解像度を上げつつ、ネームを改良する」という意味合いが強いかもしれない。

 

そして、絵に関しては、全体を通してのテーマを決めてこれを一貫する。読者に絵が「響く」というのは、「伝えようとする内容(テーマ)」と「伝え方」が一致したときであり、伝え方を一致させるためにもテーマの一貫性を遵守したい。まずこれが大前提。

 

絵を描き進めていくにあたって、全体のイメージとなる参考の絵を決めておき、迷ったらそこに戻ってくるようにしておく。

ちなみに、資料はあくまでも補助でしかなく、そのまま正確に描くことに意味はない。そこから「何を感じ取って欲しいか」を考え、必ずそれをデザインへと昇華させる(シンボル化)。このときに遊び心を持つことを忘れない。わざと汚い線を描いたっていい。

 

キャラの見た目や動き(演技)は、一目でそのキャラだと分かる個性が表れていなければならず、大袈裟に描くぐらいで丁度良い。手が大きいとか、重心が低いとか、そのキャラらしさを考えて、それをデフォルメして描く。

もし、キャラの動きが大人しかったり、記号的な絵(ありきたりな絵)が思い浮かんだら、他にもっと面白い動きや表情や構図があるんじゃないかと考えてみる。「分かりやすさ」と「インパクト」を重視。

 

特に意図のない限り、平面的な絵を避けて、立体的に描くことを意識する。また、全体→細部の意識を持つ。ボケ足の強いペンで全体のバランスを取りつつ、シャープなペンで細部を描いていく。下書きで重要なのは全体のバランスであり、これが違和感の無いものになっているのであれば、大きく絵が崩れることはない。

また描き込みすぎないように注意を払う。あくまでもキャラの当たりを取るぐらいの意識で良い。何度も言うが、ちゃんとバランスが取れているのであれば、それをどうペン入れしたって、絵の印象が大きく崩れることはない。

 

  • 絵の解像度を上げつつ、ネームを改良するという意識を持つ(新しい絵やコマを増やしても良い)。
  • 全体のイメージとなる絵を決めておき、迷ったらそこに戻る。
  • 資料はあくまでも補助でしかない。必ずデザインへと昇華させる。
  • そのキャラだと一目で分かる個性が必要。遊び心をもって大袈裟に描く。(→分かりやすさ)
  • キャラの動きが大人しかったり、記号的な絵が思い浮かんだら、他にもっと面白い絵が描けないか考え直す。(→インパクト)
  • 平面的な絵を避けて立体的に描く。
  • 全体のバランスを重視し、あまり細部を描き込みすぎないように注意する。バランスさえ合っていれば、その絵の印象が大きく崩れることはない。