箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

M2 Mac miniでもCintiq Pro 24(CLIP STUDIO)がちゃんと動くのかを解説する。

M2 Mac mini(メモリ16GB、ストレージ256GB)を使い始めてから1週間ぐらい経ったので、ここらへんで一応感想を書いておこうと思う。

Cintiq Pro 24や類似の4K液タブを使って漫画やイラストを描いている方で、M2 Mac miniへの買い替えを検討されているのであれば、是非ご参考までに。

 

まず、マシンの処理性能については、Youtubeを視聴するとか、音楽を聴くとか、画像をちょっと編集するぐらいの軽い作業にスペック差なんて生じるわけがないので、単刀直入に「Cintiq Pro 24でクリスタを起動してもサクサク動くのか」という本題に入る(ただし、僕の体感的な話であり、ベンチマークなどの具体的な数字は何も提示できないのでご容赦頂きたい)。

 

結論から言うと、もちろんちゃんと動くし、基本的には何の問題もないが、高負荷の作業については重くなるかなーという感じ。

 

僕の作業環境で言うと、漫画用の600dpi解像度設定のモノクロB5キャンバスに、10〜20個ぐらいのレイヤーを重ねて漫画を描いているんだけど、複雑な設定をしているハッチングブラシとかは、サクサク描けるわけではなく処理落ちしたりする(描写がゆっくりになる)。こういうところは、以前使っていたIntelCPUのiMac(2019,メモリ16GB)とさほど変わらず、テクスチャを設定している塗りブラシとかでも同じような処理速度になると思う。

あと、思いっきり拡大して、細かい描き込みをしていると、ペンの追従に若干の遅延が発生する。さすがに4K画面を拡大して細かい作業をすると、マシンの処理が追いつかないという印象。M2チップだったらもっとサクサク動くと思っていたので、この点はちょっと期待外れかもしれない。

 

それ以外にも問題はある。以前のIntelCPUのiMacでは発生しなかった現象として、クリスタアセットの画面を開いて、素材をダウンロードしている時に、ペンやマウスが変な挙動を起こすことがある。具体的に言うと、マウスやペンのポインタが表示されなくなり、なぜかずっとマウスの左クリックをしている判定(ペンで描写している判定)になってしまうのだ。これが結構な頻度で発生するので本当にイライラする。

あと、ヘッドフォンやキーボードのBluetooth接続がブツブツと途切れることがたまにある。Bluetooth接続が安定しない問題については、M1チップの時から指摘されていたし、そういう点ではたぶんM2チップも根本的には変わっていない。ただし、それはマシンスペックの問題というより、ソフトウェアや周辺機器との相性の問題だと思うので、改善される余地はある。

 

なので、ちょっとテンションが下がることを言うと、少なくとも僕は、iMac2019との変化をあまり感じないし、新たに発生するようになった不具合を考慮するなら、満足度は下がってしまったのが本音である。

やっぱり、20インチ以上の4K液タブでクリスタを動かすには、純粋にもっとマシンパワーがあった方が快適なんだろうなーというのが正直なところだ。それこそ、完璧な作業環境を求めている人であれば、M2 Pro Mac miniか、もしくは、M2 Max搭載のMac Studioを選ぶ方が無難かもしれない。その人の作業環境や作風にもよるけども、一応ご参考までに。

 

(※)その後、僕の中でM2 Mac miniに対する最終評価が固まったので、こちらも併せてどうぞ。

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