箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

2023年の振り返りと来年に向けての抱負

振り返ってみると、2023年一発目の記事はこれだった。

 

 

記事の冒頭において、いきなり謎の胸痛・背中痛について書くところから2023年はスタートしているんだけど、この書き出しが2023年そのものを暗示することになるとは、この時の僕は露にも思ってないだろう。

 

詳言するに、この1年間、健康面で不調を感じることが多く、冒頭に述べた謎の胸痛については、9月頃に強い痛みがぶり返してきて、その時は病院に足を運ぶぐらい調子が悪かった。結局、心臓に問題は見つからず、ストレスからくる痛み(心臓神経痛?)だったらしいけど、そんなこんなで、身体やメンタルを崩すことがほんとに多い1年だった。

例年通り喘息の症状に悩まされたし、4〜5月頃には鬱症状が再発するなど、ひたすらずーっと調子の悪い日が続いた。後述するように創作活動の悩みもあったからだと思う。そして、つい最近は歯の痛みも感じるようになって、歯医者さんに診てもらったら、以前虫歯の治療をした箇所(被せ物をしているところ)に新たな虫歯が出来ているのではないかとのことだった。

 

要するに、何かが悪化して、それが良くなったら、また別の箇所が悪化して・・・という負のループをずーっと繰り返し、体調が万全だった時期がほとんど無いのだ。

 

この点について反省を込めて言うと、先ずもって、僕はもうそんなに若くない。間食をしても許される年齢じゃないし、食ったら食ったぶんだけ太る。若い頃に比べて代謝も免疫も圧倒的に落ちた。これからは、ちゃんと栄養バランスを考えた食事と、適度の運動を心がけ、塩分・糖分・脂質の取りすぎには十分に注意しなければならない。そうじゃないと、すぐに身体のどこかが悪くなる。

そういう反省から、今年の10月頃からジムに通うようになったし、妻と一緒に脂質を抑えた食事に取り組むようになったし、腸活も取り入れるようになった。この調子を維持しつつ、2024年は「身体の不調を治し、健康的な生活を送ること」を第一の目標にしたい。また、体重もかなり増えてしまったので、とりあえず僕の適正体重である65kgまで意地でも落とそうと思う。これが健康面での目標になるだろうか。

 

あと、虫歯の治療については、すでに歯医者の予約を取っており、来年の1月中には治療を終わらせる予定になっている。ひとまず、現時点で悪いところは早いうちに全部治して、スッキリと万全の状態で2024年をスタートさせたい所存である。

 

****

 

ただ、メンタル面については、自分ではコントロールできない部分もあって、少し悩ましいと感じている。

 

僕は、10代後半から重度のうつ病を発症し、20代前半までは非常にツラい時期を過ごしてきた。その時に医者からも「うつ病は完治しない」「一生付き合っていくしかない」と言われており、そういう病気であることは覚悟している。

現在は、うつ病の薬を飲まなくても支障のない生活を送れるところまで回復しているが、前述したとおり、今年の4〜5月頃にメンタル面で不調をきたすなど、未だに不安定な部分があり、時には心療内科にお世話になることもあると思う。この点はある程度仕方ないかなーと。

 

もっとも、自分なりにメンタルを安定させようと、4年ほど前からサウナを定期的に利用するようになり、去年からキャンプも始めた。今年は、自宅にサウナテントを導入するなど、より一層「サ活」に力を入れている。

 

 

・・・まあ、サウナに入ったからといって、根本的にうつ症状が治るわけでもないんだけど、「頭の中のごちゃごちゃした思考」や「処理しきれないモヤモヤとした感情」を整理するのには向いているというか、個人的には、心を安定させるのに凄く効果があるように思う。

あとは、ちゃんと朝起きて、ちゃんと日を浴びるということだろうか。他には、現在取り組んでいる腸活もうつに効果があるらしいし、自律神経の安定に役立つ腹式呼吸や瞑想も日々の生活のルーティンに取り込んでいきたい。そういった取り組みを通して、2024年は「メンタル面でも健康的に過ごすこと」を目標としていこうと思う。

 

カラダとココロの健康についてはそんな感じかな。とにかく健康じゃないと何も出来ないしね。

 

****

 

続いて、仕事面での振り返りを言うと、全く何の成果も上がっていないというか、収益構造についてはほぼ壊滅状態であり、早く本業で何らかの結果を残さないといけないという危機感を募らせている。

(この点については、後述の創作活動の項目で詳しく触れる)

 

一応、僕は去年フードデリバリーの仕事(UberEats、出前館)を副業としてやっており、来年はフードデリバリーを再開して、月に数万円程度の副収入を得ようと計画中である。というか、これで収益を改善していくしかない。

ちなみに、フードデリバリーは、本業としてやっていくにはリスクがあるけど、副業と割り切るのであれば、そこらへんのバイトよりも割の良い仕事だと思う。空いた時間にちょこちょこっとやるなら本当にオススメ。

 

****

 

最後に、本題である「創作活動」を振り返っていく。

 

創作活動については、一言で言うなら「もがき苦しんだ1年」であり、自分の方向性が分からずに、光の見えない暗闇の中をひたすら歩いている感じだった。それぐらい苦しかった。

 

まず、2023年の初頭はどんな感じだったかというと、2022年の10月頃からいくつかストーリー案を練り、「あーでもないこーでもない」と言いながら修正しつつ、プロットとネームを行ったり来たりしていた。

しかし、それでもなかなか形にならないので、思い切ってコメディ路線に舵を切り、何とか12ページの漫画を描き上げたものの、持ち込み先の編集者に色々とダメ出しされてしまう。

 

ここらへんの記事を読んでいると、その時の苦しみが伝わってくる。

 

ちなみに、この作品とは別に、もうひとつ8ページ程度のショート漫画を描いて、それも持ち込んだけど、それも見事に撃沈した。その作品については、結構自信があったし、妻にも「良い」と言ってもらえたものの、持ち込み先の編集者からはかなりボロクソに批判されてしまい、この時はさすがにショックを受けて、「もう漫画を描くのはやめようか・・・」と絶望するぐらいメンタルがヤバかった。

 

そして、僕は自分の作品を認めようとしない大手商業誌への憎しみを募らせると同時に、自分の作品を認めてくれる媒体が他にあるのではないかと考えるようになり、投稿先媒体の変更を決意する。

 

それが3月頃の話であり、その当時の僕が考えていたのはこんな感じ。

 

この時から、自分の作風(描きたいもの)を探すために、完全に充電期間に突入する。

そして、あれこれと悩んでいるうちに、ひとつの答えに到達した。それが「原点回帰」だった。

 

今回は自分の中でのテーマも明確で、僕はやっぱり「ワクワクするもの」「ほっこりと優しい気持ちになれるもの」を描きたいと思う。

 

今から振り返ると、分かったような、分からないような、かなり曖昧なことを言ってる気もするが、何と言うか、このときの僕は「自分にしかない個性」を出そうと必死になっており、それが「ワクワク」とか「ほっこり」といった抽象的なテーマに凝縮されているように考えていた。

そして、この抽象的なテーマを掲げ、新たな媒体に投稿するための作品へと取り掛かることになる。確か、賞の応募期間が9月中旬であり、そこから逆算して6月末までにネームを完成させようと計画していた気がする。

 

しかし、そんなに上手くいかなかった。結果として、ここから更に長いトンネルへと突入することになる。

 

何が僕を苦しめたかというと、「ワクワク」「ほっこり」といったテーマがかなり抽象的なため、作品のイメージがなかなか広がらず、キャラクター像も全く見えてこなかったのだ。

そのせいでボツになったプロット案もたくさんあり、その時点で、作品の方向性が間違っているのではないかと気づくべきだったが、それでも僕は、それが自分の個性なんだと信じて、「ワクワク」「ほっこり」というテーマにこだわり続けた。

(ちなみに、新たな投稿先媒体は青年誌だったので、青年漫画っぽい作風にしなければならないというプレッシャーもあった)

 

そういった苦労を経て、やっとこさネームが出来上がったのが7月のことである。なんとプロット作業に取り掛かってから3ヶ月もの期間を費やしていた。

 

 

多分、あとにも先にもネーム作業だけで3ヶ月もの期間を費やすことは無いと思う。それぐらい時間と労力をかけて作り上げたネームだったので、この時の僕は妙に悦に浸っており、「良いネームが出来た」と本気で思っていた。

しかし、この時の悦びは直ぐに瓦解する。ペン入れ途中の原稿を妻に見せると、すこぶる反応が悪く、はっきりと「面白くない」と言われてしまったのだ。まさにぬか喜びとはこのことだ。

 

・・・もうね。心が壊れそうだった。

 

いや、というか、僕の感性を認めてくれない妻に対して怒りすら覚えていた。「なんでこのセンスが分かんねえんだよ!」とイライラが募り、日常生活においても、妻の呼びかけにそっけない態度を取ったりしていた。今から思えば幼稚だが、やっとの思いでたどり着いた「答え」を否定されたことにより、僕は半ば自暴自棄に陥っていたのだ。

 

 

この当時、新たな投稿先への応募を断念するだけでなく、僕の中にフツフツと湧き上がった怒りは、漫画そのものに対しても向かっていった。

 

 

この時は、商業用のストーリー漫画から心が離れ、全く別のことをやるか、あるいは趣味で漫画を描こうと考えるようになっていた。「この世には、自分の作風を認めてくれる人は居ないんだから、完全に趣味と割り切って好きなことをやろう」というマインドだったと思う。要するに、「自分は悪くない。僕のことを認めない世間が悪い」という思い上がった独善的な思想に闇落ちしていた。

 

しかし、頭を冷やして、冷静に物事を考えていくうちに、自分の考え方が完全に間違っていることに気づく。そもそも、「個性」とか「オリジナリティ」を主張できるほど上手くない。自分は下手なんだ、と。

 

 

今から思えば、ここが2023年の転換点であり、長い目で見たときに僕自身の創作活動におけるターニングポイントになるかもしれない。

 

この頃から、僕は「個性」とか「オリジナリティ」で勝負しようとする発想は完全に消え去り、純粋に「もっと上手くなりたい」「もっと謙虚に練習しよう」と考えるようになっていった。それが8月頃の話だ。

そして、9月になると、もっと漫画の絵を研究したいという気持ちが強くなっていき、「100枚模写企画」を開始する。堀越耕平先生や村田雄介先生の絵を模写して、自分がいかに未熟であったかを思い知り、ひたすら裏那先生の絵を模写しまくることで、漫画の「線」に対する考え方も変わっていった。

 

この時の僕は、完全に自分の実力不足を痛感しており、今まで自分が描いてきた作品がいかに稚拙であったかを100%理解していた。自分に合った媒体があるとか無いとか、そんな問題ではなく、純粋に実力が足りていなかっただけなのだ。それと同時に、漫画表現がどうあるべきかを本気で考えるようになっていて、イチからシナリオ創作についても勉強し直し、ストーリー漫画に対する見方も変化していった。

 

シナリオの考え方について、めちゃくちゃ参考になったのはこのあたり。

 

そして、10月末に「100枚模写企画」を完遂し、次なるステップに向かって動き出したところで現在に至る・・・という感じだ。

 

****

 

現在は「本気絵100枚企画」をやっているんだけど、2023年の振り返りを踏まえて、現在の心境と、2024年に向けての方向性を語っていこうと思う。

 

まず、一時はストーリー漫画に辟易としたものの、結局自分が描きたいのはストーリー漫画なんだということを再認識した。模写をやっているときも、「こういう絵が描きたい」と感じていたし、現在取り組んでいる「本気絵100枚企画」についても、自分が描きたいイメージはあくまでも漫画の「ストーリー」や「キャラクター」なんだなと気付かされた。何と言うか、一周回って同じところに戻ってきたというか、僕はどこまでいっても漫画から離れられないんだなーと思う。

 

なので、当初は本気絵100枚企画を完遂しようと思っていたんだけど、自分の描きたいイメージも膨らんできたので、このイメージを漫画という形で完成させることで結実させたいと思う。これが2024年における創作活動の目標かな。

ただ、2023年と違うのは、「自分の作風を認めてほしい」とか「今の自分を認めてくれる媒体を探す」とか、そういう他者評価軸の活動ではなくて、自分が下手だということをしっかりと認めたうえで、「自分自身が納得できる作品を描く」という自分軸の目標にしたい。つまり、結果が大事なのではなくて、大切なのは自分自身が「成長した」「納得できるものが描けた」と思えるかどうかなのだ。他者が評価してくれるかどうかではない。一応、応募する賞も決まっているけど、結果はどうでもいいと思っている。

 

ただし、「1年間で作品がひとつしか描けませんでした」というのではあまりにもペースが遅すぎるので、ひとまず3月末までに作品をひとつ完成させることを短期的な目標とする。スケジュールとしては、1月末までにイメージとネームを完成させて、2〜3月までには原稿を完成させるという感じかな。漫画にベストはなく、ベターしかない。その時点で自分が出せるものを全部出し、納得出来なかったのであれば、また次の作品に向かって進む。そういう感じでいこう。

 

****

 

2023年は総じて苦しかったけど、「その苦しみにも意味があった」と思えるぐらい色んな収穫もあったし、来年はそれを花咲かせられるように頑張っていきたい。

 

というわけで2023年の振り返りと来年に向けての抱負でした。2024年は絶対に飛躍するぞー。ではでは。

 

  • 身体とメンタルの両面において健康的な生活を送る(適正体重(65kg)まで落とす)。
  • 副業に取り組んで収益を改善させる。
  • 自分自身が「成長した」「納得できるものが描けた」と思える作品を描く(3月末までに作品をひとつ完成させる)。