箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

今年も残り2ヶ月になったので今後の方針を練る。

さて、今年も残すところ2ヶ月となった。

 

2023年は、年始に掲げた目標を全く達成できていないんだが、途中から自分の弱点や欠点と素直に向き合えるようになり、何だかんだ結果としてはこれで良かったと思う。

もし、自分の実力不足に気づかないまま(目を背けたまま)、年始に掲げた目標をそのまま完遂しようとしていたら、全く結果が出せずに、自分の人生に絶望するか、あるいは創作界隈でよく見かける「こじらせている人」に変貌を遂げていたかもしれない。

 

自分は天才ではない。でも、それで良い。

ちゃんと実力不足だということを認めて、謙虚に学び、真摯に励んでいこう。そうやって少しずつ自分の表現を極めていけば良い。今はそういう風に思っている。

 

・・・で、今後の方針について検討するに、今の僕に足りていないものは「キャラクター」だと思っていて、まずキャラクターを作るところから創作活動を本格再始動しようと考えている。

 

今までの僕は「設定」や「ストーリ」から入るクセがあり、先にストーリーを考えて、そのストーリーの内容に合ったキャラクター(セリフ、行動)を後から当てはめようとするため、キャラクターに全く魅力がなかったし、説得力もなかった。

しかし、色んな書籍を読み漁り、X(旧Twitter)で情報を掻き集めた結果、それではダメだということを痛感した。兎にも角にもキャラ、キャラ、キャラ、だ。ストーリーが面白いからキャラが魅力的になるんじゃなくて、キャラが魅力的だからストーリーが面白くなるのだ。この順番を履き違えてはいけない。

 

ただ、キャラ作りが難しいところは、キャラだけを切り離して考えることはできず、必ずキャラとストーリーはセットで考えなければならないという点にある。要するに、キャラの重要性を説いている人たちは、「キャラクターが先行しなければならない」と言ってるだけで、「ストーリーを考えなくても良い」と言ってるわけではない。ここがとても難しい。

キャラを作ろうとすると、エピソード全体に整合性を持たせなければならないので、ストーリーを考える必要が出てくるし、かと言って、ストーリーを考えようとすると、どんどんパターンにハマってしまって、「ありきたり」「どこかで見たことがある」という展開に陥ってしまう。

 

そこで、僕はこれまでに収集してきた情報を頼りに、以下の手順でキャラとストーリーを両立させようと考えている。

 

①まずいったん箱書(大箱)だけを作る。

まず最初に、がっつりとストーリーの内容を固めるのではなく、全体の流れだけをぼんやりと決める(いわゆる「大箱」と呼ばれるもの)。

この段階で決めるのは、あくまでもざっくりとしたストーリーラインだけであり、具体的なシーンの中身はまだ決めない。

 

この箱書は、全体を通しての「指針」であり、作品のテーマみたいなものである。

箱の中身を後から変えても良いし、箱の順番を入れ替えても良いし、箱の数を増減させても良い。この時点ではそれぐらいふわふわしたものに留めておく。

 

ちなみに、箱書の考え方は「シナリオ・センター式 物語のつくり方」に準拠している。

 

②キャラの履歴書を練っていく。

次に、キャラクターの履歴書を練る。

氏名、性別、年齢といった基本プロフィールはもちろんのこと、好き・嫌い、対人スタンス、過去の失敗といった内面的な部分も考えていく。

 

キャラが勝手に動き出すようになるのが理想。

「このキャラだったら、こんなことを言いそう」とか、「このキャラとこのキャラが絡んだら面白そう」といった具体的なイメージが湧くようになったら、いったん次のフェーズに移る。

 

なお、キャラ作りで僕が重視したいのは「実在性(リアリティ)」と「共感性」。

読者にそのキャラをどう思って欲しいのかを常に考え、読者の感情をプラスの方向に動かすことのできるキャラを目指す。

 

③「キャラらしさ」が出るエピソードを考える。

ここからが本番。

箱書と履歴書が作り終わったら、続いて具体的なエピソード・シーンを考えていく。

 

ここで僕が重要だと思っているのは「キャラらしさ」であり、「そのキャラだったら、どう行動するか」を死ぬほど考える。この工程が無いと、主人公がどこにでも居る普通の人になってしまい、ストーリーがめちゃくちゃ単調になる。

逆に、「そのキャラならではの特徴」が出ているならOK。最初に決めた箱書の内容は変えてもいい(ただし、テーマは変えない)。魅力的なキャラの行動の連続によってストーリーが成り立っているという意識を持つ。

 

  • 読者がそのキャラに対してどういう感情を抱くのかを常に念頭に置く。何も感じないキャラはダメ。
  • 主人公の意志と行動が局面を動かす。思わずページをめくりたくなるような仕掛けを。
  • キャラには「らしい」ところと、「らしくない」ところの両方がある。物語終盤にはキャラの「らしくない」部分も出して、読者の予想を裏切っていく。

 

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細かいことを言うなら、構成の問題もあるし、コマ割りをどうするかといった演出の問題もあるし、考えなければならないことは他にもたくさんあると思う。

 

だけど、一度に全部をやろうとすると頭がパンクしてしまうので、まず出来るところからコツコツやっていきたい。細かいことは問題が発生したときに考えればいいし。

 

というわけで今後の方針でした。残り2ヶ月頑張ろう。