箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

弱い者イジメを笑いに転化させるメディアとの付き合い方

僕は家にテレビがなく、ここ数年間はテレビ番組をほぼ見ていない。

リアルな話をすると、実家に帰省した時か、病院の待合スペースで待っている時か、あるいは、行きつけのサウナで汗を流している時ぐらいしかテレビを見る機会がない。それぐらい僕の人生はテレビと無縁になりつつある。

 

そんな僕だけど、つい最近、ABEMAで放送されている「チャンスの時間」というバラエティー番組の過去放送アーカイブをたまたま目にする機会があって、その時にテレビ番組の限界を悟ったというか、自分にはテレビが合ってないということを猛烈に再認識させられた。

 

その番組がどんな内容だったかと言うと、アンジャッシュの渡部建さんが共演者の楽屋挨拶に伺う際に、裏で千鳥の大悟さんが指示を出し、その指示通りに渡部さんが動くという企画だった。

もちろん、大悟さんの指示は普通ではなく、アンジャッシュの渡部さんに奇怪な言動を促すものであり、渡部さんが過去の騒動を猛省し、まるでピエロを演じているかのような印象を視聴者に与える内容となっている。

 

・・・もうね。はっきり言おう。

こんなの見るに堪えないよ。ただの弱い者イジメだよ。

 

僕もかつては生粋のテレビっ子であり、そういうバラエティー番組を嬉々として視聴していた身分なので決して偉そうなことは言えない。けど、30代後半という年齢に差し掛かった今となっては分かる。「かつての僕は"弱い者イジメ"を面白いと感じていたんだな」と。テレビというのは、そういう弱い者イジメを笑いに転化させるメディアなんだなと。

 

だからこそ、僕はテレビを見ないし、仮にテレビ番組で弱い者イジメをしている場面を見かけたとしても、僕は「弱い者イジメを笑う人間にはなりたくない」と心に楔を打ち、そっとチャンネルを変えるようにしている。ある種の反面教師として、テレビとはそういう距離感を保っている(まともな番組もたくさんあるけど)。

 

テレビに限らないけどね。人間関係もそう。僕は弱い者イジメを笑う奴とは関わらない。弱い者イジメをしている奴なら尚更だ。