昨日、東京で「木枯らし1号」が吹いたという。そんなこんなで、今年はダウンジャケットを新調しようかなと悩みつつ、日々の雑念は募るばかりである。
僕は1年を通じてこの時期が一番嫌いだ。
ウィンタースポーツにあまり興味がなく、2月1日のプロ野球キャンプインまで目ぼしいスポーツイベントがないし、クリスマスにホームパーティを開く文化圏で暮らしてこなかったし、年末年始も特に予定がないのでいつも暇だ。そもそも寒いのが耐えられない。外に出かけようと思ったら、厚手の服を何枚も着なければならず、どうしようもなく面倒臭いし、風邪やインフルエンザの感染リスクも他シーズンに比べて爆発的に上がってしまうため、外出するのが酷く億劫になる。喘息&鼻炎持ちなので、鼻水や咳が止まらなくなる時もあって、心の底から冬が憎い。エヴァの世界みたいに、地軸が傾いてくれないかと毎年のように星に願いを捧げている。
まあ、そんな恨み節を言いつつ、実は冬キャンプは好きである。人間とは常に矛盾を抱えながら、あれが足りない、これが足りないと不平不満を垂れ流す生き物なのだ。僕も例外なく、そうなのだ。ふはは。
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さて、そんなこんなで、先日目標に掲げた「本気絵100枚企画」がどうなっているのかを報告しておくと、現時点でまだ1枚しか描けておらず、平たく言えば超スローペースで、超低空飛行を続けている。
もともと、何か新しいことを始めるのに腰が重くなってしまう性分であるため、毎度いつもの事ではあるのだが。
んでもって、現時点での感想を申し上げておくと、本気模写をやってきた甲斐もあってか、前みたいにペン入れで苦しむことは無くなったように思う。以前までは、ラフ・下書きがうまく描けたとしても、「ペン入れが上手く出来るんだろうか」と常に不安だったし、ペン入れの出来栄えに一喜一憂することが多かった。
だけど、今はペン入れの時に使うブラシも固定できており、「このブラシを使って、こういう風に描けば上手くいく」という道筋が見えているので、かなり気持ちは楽だし、実際のところ、ペン入れはかなりマシになったように感じる。
ただ、問題点を挙げるとすれば、やはりラフ・下書きの完成度・・・だろうか。
僕は以前から、「線画の良し悪しはラフ・下書きで決まる」と考えており、今後の僕の課題は「ラフ・下書きの完成度を上げること」だと自覚している。
ただし、下書きを描き込みすぎると、本番のペン入れが線をなぞるだけの単調作業になってしまうため、どこまで下書きを描き込むべきかは非常に悩ましい問題になっており、この点が昔からずーっと悩みの種だ。
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個人的なイメージとしては、ラフの段階で大枠のバランスを整えて、下書きの段階で細かいデザインを詰めていき、最後のペン入れの段階で細部のディテールを上げる…という流れを思い描いているものの、それぞれの段階で意識することをもっと具体化・明確化した方が良いと考えるに至った。
①ラフ
ラフは、見る人にこういう風に感じて欲しいという「テーマ」が根底にあって、それを伝えるための「ビジュアル」とか「イメージ」を具体化していくというフェーズであり、それを探す工程だと僕は位置づけている。
ただ、僕の場合は「決め打ち」することが多く、一度決まった構図・ポーズを後から自由に変更することが出来なくて、いわゆる「思考ロック状態」にハマってしまうことがよくある。
何と言うか、あとで振り返った時に、上手くいかなかった原因は、大抵の場合はそこにあって、「もう少しポーズを練っておけばなー」とか、「もっと魅力的に見える構図が他にあったんじゃないか」とか、そういう後悔が非常に多い。上手い人はこの工程にめちゃくちゃ時間をかけており、何度でも練り直すし、何度でも修正する。端的に言えば、この気合と根性が僕にはないのだ。
あと、前回も言ったように、漫画の絵というのは単にデッサン的に正しいものを描くことだけが正解ではなく、どこかで「崩し」や「デフォルメ」を施す工程が絶対に必要になってくる。そのため、ラフ絵は、デッサン的な狂いを修正しつつも、「テーマ」を伝えるための「崩し」も取り入れながら、全体のバランスを調整する意識を持つことが重要になる。
- 読者にこういう風に感じて欲しいという「テーマ」からスタートし、そのテーマを「イメージ」へと昇華させる。
- ラフ案をひとつに決め打ちせずに納得できるまで何度でも練り直す。
- デッサンに偏りすぎず「崩し」も意識する。
- 整えるのは全体バランスだけ。細かい部分は全無視する。
②下書き
ラフは「大枠の箱」であり、下書きは「箱の中身」である。
今までの僕はこの考え方が乏しくて、最初から下書きみたいなものを描くことが多かったのだが、本気模写に取り組んだ甲斐もあり、今ではラフと下書きの機能をちゃんと線引きできるようになった。何と言うか、ちゃんとラフが描けているのであれば、下書きをどのように描いたとしても、大きくバランスが崩れることはないという自信がどこかにある。全体の印象は「大枠の箱」でほぼ決まっているからだ。
つまり、ラフで意識することが「全体バランス」だとすれば、下書きで意識することは、ラフで決まったことに肉付けをして、「細部のデザイン」を詰めていく…という感じだと思う。
本気模写では、最終的な仕上がりは既に分かっている状態だったので、下書きはざっくりとしたものを描くにとどめていたが、今後の取り組みの方針として、もう少し下書きのディテールを上げてみようかなと思う。
- 下書きで考えるのは「箱の中身」。大枠の箱のバランスが整っているなら大きく崩れることはない。
- デザイン案をひとつに決め打ちするのではなく、何度でも練り直す。
- ペン入れで迷わないように、ある程度ディテールを詰めておく。
③ペン入れ
最後のペン入れは「オマケ」というか、下書きの「延長」みたいなものだと思う。何度も言うけど、ラフ〜下書きまでの完成度によって絵の良し悪しはほぼ決まっているので、最後のペン入れをめちゃくちゃ頑張ったからと言って、絵の印象が劇的に変わるということはない。
ただ、強いて言うなら、このフェーズは「細部のディテールにこだわるフェーズ」だと思っていて、絵の情報量を増やすパートだと理解している。このフェーズの手を抜けば、間違いなく絵の印象は悪くなるため、ここを面倒臭がることは出来ない。
「もうこのへんでいいか」と思ったところから、どれだけの上積みが出来るか、どこまでこだわれるか、そういった気概が問われている。
- 絵の良し悪しはラフ・下書きでほぼ決まっているため、ペン入れを頑張ったからといって絵の印象が劇的に変わるわけではない。
- ただし、ペン入れの手を抜けば間違いなく印象は悪くなるので、手を抜くことは出来ない。
- 絵の印象を上げるために最後の最後までこだわる。
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僕は、漫画作品に取り掛かるたびに、「今回は上手く描けるんだろうか」という不安が心を支配し、常にこの不安と隣り合わせの状態で絵を描くことを強いられてきた。
ただ、本記事でも触れたとおり、本気模写に取り組んだことにより、ペン入れに対する不安や恐怖が取り除かれた結果、こうやって一歩ずつ不安や恐怖を払拭していく以外に、絵が上手くなる方法は無いんだと今は考えている。
現状としては、「描いてみないと分からない」というレベルだけど、本気絵100枚企画に取り組むことによって、最終的には「最低でもこのレベルのものだったらいつでも描ける」という自信を手に入れたいと思う。これが今回の企画の最終目標のひとつかな。
というわけで、どんどん描いていくぞー。