箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

ストグラから見るメタバースのあり方について

最近、某配信者の影響により、ストリーマーグラセフ(通称:ストグラ)を頻繁に見るようになった。まだ視聴歴が浅いため、ストグラ界隈のルール、風潮、勢力図、相関関係、歴史等を掴み切れていない部分もあるが、一応僕なりにストグラ配信を追いかけており、色んな視点でのRP(ロールプレイ)を楽しませてもらっている。

 

グラセフといえば、今年の7月18日〜7月29日まで開催されていた「VCRGTAスト鯖」も有名であり、有名配信者が多数参加していたこともあって大盛況を見せた。ちなみに、こちらのVCRスト鯖で名声を上げた「ファン太さん」がストグラに参加しており、飛ぶ鳥を落とす勢いを続けていることは周知の事実である。

 

※なお、第2回VCRGTAスト鯖が11月末〜12月頃に開催される予定となっている。

streamerjournal.com

 

こういうメタバースの世界について、僕は最近色々と思うことがあり、現代人が抱えている「現実逃避願望」を突き詰めていくと、最終的にたどり着くのがストグラなんじゃないかと思っていて、近い将来、人類はストグラの世界で生活を送るようになるのではないかと割と本気で信じている。

それこそ、グラセフの世界に学校を作って、そこで授業を受けるとか、リモートワークをしている会社員たちがグラセフ内で会議をするとか、そういう架空世界でのコミュニケーションが主流になっていくんじゃないかと想像を膨らませている。実際のところ、ストグラを見ていれば、それは十分に可能だと思う。

(もちろん、絶対にグラセフでなければならないと言ってるわけではなく、メタバースの舞台は、フォートナイトでも、ARKでも何でも良いと思う)

 

しかし、僕のこういう意見に対して、フェイス・トゥ・フェイスの重要性を説く派閥からは、「アバターを使ったコミュニケーションなんてけしからん」「メタバースは所詮ゲームじゃん」といった声が聞こえてきそうだけど、うまく社会に馴染めない人たちが、アバターを介して他人との関わりを作り、それによって社会への恐怖心を少しでも払拭できるのであれば(そうやって人生の幸福度を高めることができるのであれば)、どんどん積極的にメタバースを活用すべきだと思うし、たとえゲームだったとしても、メタバース世界が他人とのコミュニケーションを学べる場であることに変わりはない。いや、というか、限定的な人間関係しか構築できない学校や会社よりも、メタバースの方が遥かに多様性に富んだコミュニティであり、よっぽ人類社会の発展に寄与しているのではないかと僕は思っている。

また、少なくとも日本においては、Vtuberをはじめとして、アバターを使ったコミュニケーションが十分に市民権を獲得しており、ネット世代を中心として、明らかにアバター(もう1人の自分)を演じることに対して心地よさを感じている。そう考えていけば、もはやメタバースの考え方を否定するのは古臭い価値観に染まった老害だけではなかろうか。

 

ただ、VCRスト鯖やストグラのように、ある程度参加者を限定できるのであれば、コミュニティの質や秩序を保てると思うけど、「誰でもウェルカム」というようなオープンコミュニティにしてしまうと、一気にコミュニティの質が低下するという問題がある。つい先日、ストグラではない別のグラセフコミュニティを見ていたんだけど、たまたま覗いた配信者がむやみやたらに犯罪行為を繰り返す人であり、RPもクソもないただの荒らし(見るからに不良)だった。

こういうふうに、メタバースの世界では、"望まざる者"と不意に絡んでしまうリスクがあり、顔が全く見えないSNSよりも他人との距離が近いという点でタチが悪く、ちゃんと住民の棲み分けをしないと、それこそ民度の低い公立の小学校・中学校のような環境にぶち込まれて、QOLが爆下がりしてしまうという本末転倒な事態になりかねない。ここにメタバースの最大の問題点が潜んでいるように思う。

 

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僕は、昔からオープンワールドゲームが大好きなんだけど、なぜオープンワールドが好きなのかと聞かれてもよく分からない部分があった。ただ、最近ストグラを見るようになってから、その理由が徐々に分かるようになってきて、その理由とは、たぶんそこに「もうひとつの人生」があるからだろうなと思っている。

 

要するに、オープンワールドとは、「ここではないどこか」に行くことができ、「自分ではない誰か」になれる世界であり、メタバースとはそういった現実逃避の実現場所であって、無意識のうちに現実逃避への憧れが表出しているということなんだろう。おそらく、僕と同じようにオープンワールドゲームが好きな人であれば、少なからず似たような思想・価値観を持っていると思う。

 

ストグラを見ていると、そういう感情がふつふつと湧いてきてしまった。