箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

「こういうおじさんの服装はダサい」と揶揄する今の風潮に対して思うこと。

最近、Youtubeでファッションに関係する動画を見漁っているからか、おすすめ動画として「こういう服装をしているおじさんはダサい」みたいな動画が流れてくることが増えてきた。Google先生は僕のことをおじさんと見抜いているらしい。

 

その動画を見ながら、最初のうちは「ふむふむ、なるほど」とファッションに詳しい専門家の話に耳を傾けて聞いているんだけど、そのうち強烈な違和感が襲ってきて、その違和感をぶつけるためにブログを書き殴ることにした。

 

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ファッションの専門家たちは、おじさん世代に対して、何年も前のトレンドを未だにアップデート出来ておらず、トレンドから外れているダサい服を平気で着ていると指摘する。例えば、数年前に流行った黒スキニーが最たる例だという。

 

僕はこれを聞いたときに、この人たちが言っている「トレンド」とは一体何を指すんだろうと思ってしまった。

 

この人たちは、今のトレンドはビッグシルエットの服装であり、ボトムスもワイドパンツが流行っているというけども、街を歩いていて、10代の若い人以外にワイドパンツを履いている人を見かけることはほぼない。30代・40代のおじさんはもちろんのこと、20代ですらワイドパンツを履いてる人は珍しいと感じてしまう。本当にそんなものがトレンドなのだろうか。

 

僕が思うに、今は「若者たちの文化圏」と「おじさん世代の文化圏」との間に断絶が起こっていると感じている。ファッションに限らず、エンタメも同じであり、若者の間で流行っているTikTokをおじさん世代が見ることはほぼない。ちなみに僕は切り抜き以外でTikTokを見たことがない。

しかも、おじさん世代には「おじさん世代のトレンド」がちゃんとある。例えば、僕はTwitchで釈迦さんや関さんといった30代のストリーマーの配信を見るのが好きなんだけど、こういう風におじさん世代にウケるコンテンツがちゃんとあって、その世代にウケているトレンドというものがちゃんと存在している(逆に、若者が見ているストリーマーはほとんど知らない)。

 

つまり、今の多様性の時代において、特定の世代にウケているものが、全世代に共通してウケているということはほとんどなく、それぞれの世代の感性に合ったものが各世代で流行っているというだけである。

だから、ファッションに関しても、10代の感性に合ったファッションのトレンドもあれば、30代・40代の感性に合ったファッションのトレンドもある。にもかかわらず、10代の若者のトレンドがあたかも全世代のトレンドであるかのように触れ回っているインフルエンサーの意見を聞いていると、こういうファッションを流行らせたいと思っているファッション業界側の人間のポジショントークではないかと勘繰ってしまう。僕の違和感の源泉はおそらくそこにあるんだろう。

 

それが証拠に、Youtuberの中には、30代・40代の大人世代に向けたファッション情報を発信している人もおり、そういう人は「ワイドパンツがトレンドだから、30代・40代もワイドパンツを履け!」なんて絶対に言わない。ちなみに、僕は「もりすん」という方のチャンネルが好きでよく見させて頂いている。落ち着いた服装が好きな人にはオススメ。

 

www.youtube.com

 

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僕は、ファッションについて、「最初は何も分からないため、とりあえずトレンドに乗っかるしかないけど、そのうち自分に似合うものが段々と分かってくるもの」だと思っている。つまり、ファッションのトレンドとは、何も分かっていない人に対して、ある程度の方向性を示すものであり、それ以上の意味はあまり無いと認識している。

 

自分に似合うものさえ分かっていれば、ぶっちゃけトレンドなんて全無視でも大丈夫であり、ゴーイングマイウェイを貫いても問題ない。というか、そういうものが一切なく、ただ周囲の流行や意見に流されている人の方がダサいと思う。

 

というわけで、今日はファッションについて少し触れてみた。また別の機会に大人のファッション事情について書いてみたいと思う。