このブログを始めてから今日で10年が経った。
なぜこのブログを始めたのか、僕はその動機・理由を全く覚えていない。10年前の記事を振り返ってみると、自分が好きなガジェットやITサービスの話をしたり、かと思ったら急に引越しの話題を持ち出したり、何の脈絡もなさすぎて笑える。まさかこんな訳の分からんブログが10年も続くとは。人生とは摩訶不思議である。
今から10年前の2014年。今でもハッキリと覚えている出来事がある。
その当時はまだ実家で暮らしていたんだけど、自分の将来とか、人間関係とか、色んなことが自分の人生に重くのしかかり、あまりの苦しさから、全所持金をもって家を飛び出した。JRのきっぷ売り場で一番高い切符を購入して、「とにかく遠くに行きたい」「あわよくばそこで死にたい」と思って電車に飛び乗った。真冬の寒い日だった。
何ていう駅で降りたのか覚えていないが、確か滋賀県の田舎の駅だった気がする。その駅で降りて、途中のコンビニで日本酒の「鬼ころし」を買って、周辺をブラブラと歩きながら適当に山道に入っていった。人気のない場所で腰を降ろして、鬼ころしを浴びるように飲んだ。そのまま酔っ払って眠りにつけば凍死できると思ったのだ。
しかし、そんな簡単に死ねるわけもなく、僕は酩酊したまま電車に乗って家に戻った。電車に揺られながら、ふと窓の外を覗くと、田舎の田園風景が夕闇に染まっており、車内では部活帰りの高校生たちの楽しそうな声が響き渡っていた。あの日見た景色を僕は忘れることはないと思う。
「幸せは途切れながらも続くのです」。
これは僕が好きなスピッツの「スピカ」という曲の歌詞だ。この10年間を振り返ったときに、まさにこの歌詞のとおりだなと感じる。本当に色んなことがあった。苦しいこともあった。10年前ほどではないけど、落ち込むこともたくさんあった。でも、それ以上にめちゃくちゃ楽しかったなぁ。途切れながらも続いていくんだと思う。これからもずっと。
この10年間の思い出を背負って、また次の10年に向かおう。喜びも悲しみも苦しみも全て抱えながら。あの日見た電車の窓の外の景色をたまに思い出しながら。