箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

青年誌に移行するにあたって、ひとまずネームの進捗状況について。

少年誌から青年誌に移籍するにあたって、原稿が完成するまでの軌跡をブログに書いていこうと思う。今日はその第1回目。

 

一応、自分の中で、今年中にネームの原型を完成させて、来年の3月末頃までを目処に原稿を完成させようとスケジューリングしており、今年いっぱいはネームに取り掛かることになるかなーと想定している。

 

んで、現在ネームが20ページぐらいまでは終わっていて、その途中経過状況としては、まあまあ青年誌のネームのやり方に順応出来ているような気もする。

少年誌は、「キャラの感情」や「状況説明」をとにかく分かりやすく伝えることに注力しなければならないが、青年誌では、たとえ少し分かりづらかったとしても、テーマに沿った演出になっていればOKとされている。個人的には、この青年誌の描き方が自分に物凄く合っているように感じる。

 

また、少年誌では、「読者を驚かせること」が基本コンセプトなので、「迫力のある構図で描かなければ」「もっとキャラのリアクションをオーバーにしなくては」というプレッシャーを感じながらネームを描くことが多かった。

しかし、青年誌では、必ずしも驚きのある絵である必要はなく、「作家独自の空気感」が出ていれば良しとされることが多い。この点も自分には合っていると感じており、少年誌のように「少年少女の成長物語」にする必要もないので、そういう少年誌のプレッシャーを感じることなく、自分の作家性を出すことに集中することができている。

 

要するに、ここまでのネームの流れとしては、「上手い絵を描こう」とする意識ではなく、「テーマに沿った自分らしい絵を描こう」とする意識で描けており、少しでも「テーマに合っていない」「自分らしくない」「個性がない」「ありきたり」と感じたなら何度でも描き直すことでうまくいってる感じがする。「上手く描けてるかどうか」ではなく、「テーマに沿って自分らしい絵が描けているかどうか」が重要なのだ。

 

  • 既視感のある陳腐なコミカル演出に走らない。
  • ストーリーの説明(会話)は、インパクトのある展開で読者の興味を引いたあとに短く行う。
  • キャラの演技を一連の映像として捉え、カメラワークを工夫しながらキャラの実在性・意外性・人間臭さを切り取っていく。
  • ワクワク・ほっこりとするような温かみのある空気感を目指す。
  • アイデアに行き詰まったら一度作業を中断し、「諦観」「適当」の境地でクリエイティビティを解放する。

 

***

 

・・・さて、とはいえネームはここからである。

 

僕のこれまでの経験上、序盤から中盤まではすんなり描けることが多い。問題は中盤から終盤にかけてであり、ここでありきたりな展開に陥って、「イマイチ盛り上がりに欠ける」「予定調和」と言われる要因を作ることになってしまう。おそらく、この点については少年誌だろうと青年誌だろうと変わらない気がする。

僕が思うに、中盤以降に描かなくてはならないのは、「キャラのもうひとつの顔」である。序盤で「表向きの性格・行動原理」に触れたので、もうその部分を描写する必要はなく、後半にいくにつれて、「そのキャラの本当の姿」を抉り出していく必要がある。

 

そこを意識しながら中盤以降のネームに取り掛かっていこう。