なんとか、プロットが形になりつつあり、やっとこさネームラフを描く段階まで来れたので、現時点における雑感を書いとこうと思う。
現時点での方針として、もしこのネームがダメだったとしたら、しばらくネームコンペには参加しないでおこうと勝手に決めている。
前回編集者から指摘された問題点は、自分でも納得できるものだったので、今回は大人しくその意見に従うこととした。なので、ネームを修正することについては全然構わないし、むしろ有益な指摘だったと感謝している。
しかし、もし仮に、自分の中で「よし、これだったら文句を言われないだろう」と言えるところまでネームを改善できたとして、そのネームに対して、自分が納得できない直しを要求されるとか、もしくは、そのネームがコンペに通らないのであれば、それはもはや「あなたの感性ではやっていけません」と言われているのと同じであり、たぶんこれ以上ネームのやり取りをするのは、お互いにとって時間の無駄だと思うので、潔く活動場所を別の場所に移そうと思う。
ただし、その代わり、自分の中での本気のベストを目指す。
今回、僕がネームで意識したいポイントは以下のとおり。
説明を必要とするSF・ファンタジー設定を創らない。
これは僕の悪い癖なんだけど、物語の本筋に関わるようなSF・ファンタジー設定を盛り込もうとする傾向があって、しかもページ数の関係で、その設定を十分に説明できないため、「いちいち世界観が引っ掛かってしまい、物語に集中できない」と苦言を呈されることが多い。前回もそうだった。
そのため、説明を必要とするSF・ファンタジー設定は一切作品には盛り込まないか、あるいは、SF・ファンタジー要素を盛り込むにしても、物語の本筋とは関係のない部分での世界観にとどめておく。物語や設定は「説明しなくても分かるもの」でなければならない。
キャラの魅力をどんどん出す。
前回は、「キャラの特徴(魅力)を出すまでにページ数を使いすぎ」と指摘されたので、序盤から出し惜しみをすることなく、どんどんキャラの魅力が伝わるシーンを描いていく。キャラの魅力が前面に出てこなければ、「物語を説明しているシーンが多い」ということであり、途端に退屈な漫画になってしまう。
何度も言うように、物語の内容や設定は「説明しなくても分かるもの」であることが望ましく、主人公が主体的に行動し、自らの意志で局面を動かしていくことによって、キャラの魅力を伝えると同時に、ストーリーの意味も分かるものにしなくてはならない。
印象的な絵や展開をもっと増やす。
前回のネームは「よくまとまっていたけど、どこか既視感のあるストーリーだった」と評された。つまり、「物語の内容は理解できたし、キャラに共感も出来たけど、あまり印象的な絵・展開が無かった」ということになる。自分でもそう思う。
そのため、今回のネームでは「ありきたり」と感じたら、すぐにアイデアノートを取り出して、「もっと違う表現はないか」「もっとインパクトを与えることは出来ないか」とアイデアを練り直す。上手さはどうでもいい。大事なのは「おっ」と驚くような絵。それをもっと追求していく。
ストーリーを考えない。
自分の中で一応構成は考えているけど、これはあくまでもストーリーの基本的な枠組みであり、どんどん中身を変えても良いし、印象的なシーンになるなら(キャラの魅力が伝わるなら)、全然そっちに脱線してもいい。というか、脱線した方が面白い。
読者が求めているのは「キャラへの感情移入」や「見たことのない驚き」であって、「物語に対する納得感」ではない。ストーリーなんて多少強引に進めてもいいし、微妙にズレていてもいい。キャラに感情移入出来ているのであれば、別にそんなこと誰も気にしない。どんどんずれろ。キャラを好きになってもらえ。
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・・・という感じです。
一歩ずつ、一歩ずつ。自分らしく進んでいこう。