(一度書いた記事を大幅に加筆修正しています)
どうも。
Appleのプロダクツは基本的に好きだけど、マジックマウスと裸のアポーペンだけは本当に肌に合わない僕です。

今日は、アポーペンのグリップについて、色々と情報をリサーチした結果、自分の中で「アポーペンのグリップの最適解」まで辿り着いたので、長々と書いてみたいと思う。
ちなみに、これはアポーペンに限らず、液タブのペンとかでも全く同じことが言えるので、グリップで悩んでいる方は是非ご参考までに。
(※注)
あくまでも漫画家目線での話です。文字を書くのがメインの人とか、色塗りがメインのイラストレーターさんとかは事情が違うかもです。
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まず、参考までに僕が今まで使っていたグリップがこちら。
これは、エレコム製の太軸タイプ(ペンタブ風)のグリップであり、ワコムのプロペンと同じ太さに出来るというグリップである。Amazonでも結構売れてるグリップなので、たぶんこれを使っている人は結構多いはず。

ただ、このグリップは・・・
- 通気性が悪く、夏場はベトベトする。
- 汚れが付着しやすい。
- そこまでホールド力はない。
- 充電できるように側面が平らなっているが、頻繁に充電失敗する(ケースに干渉する)。
- 側面が平らになっているせいで若干持ちづらい。
といった問題点がある。
「通気性が悪い」「汚れが付着しやすい」「充電失敗が多い」という問題点については、「定期的にグリップを外してウェットティッシュで拭く」「充電の時はグリップを外す」という対策を取ればいいので、自分としてはそんなに大した問題じゃなかった。
問題なのは、「持ちづらい」という点。

このように、エレコムのグリップは側面がフラットになっているため、プロペンと同じ握り心地にはならず、向きによってはなかなかしっくりこなかったりする。グリップ力も弱いし、どうしてもプロペンと同じ感覚にはならないのだ。
このように、アポーペンのグリップは完璧なものがなかなか見つからない。
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そこで、側面がフラットになっていないタイプのグリップを色々探してみたり、オリジナルグリップを制作されていることで有名な「葉車堂」の商品を見たり、色々とリサーチする中で、「ペンの握り方は大きく2つに分かれる」という事実に行き着く。
ひとつは「ペン先をつまむタイプ」。これは最もポピュラーな握り方。

もうひとつは「握り込むタイプ」。別名「神絵師握り」と呼ばれる握り方。

ペンの握り方は大体このどちらかだという。
(正確にはもう1種類あるんだけど、ちょっと特殊なので除外している)
葉車堂さんの説明によれば、この握り方の違いによって、その人に合ったグリップは変わり、大まかに「標準」「太径」「倒立」の3つのタイプに分かれるとされている。
(「標準」はストレート、「太径」はペン先が太い、「倒立」はペンの中央部が太いという違いがある)
僕はこの説明を聞いて、それぞれのグリップの違いというのは、「手のどの箇所でペンをコントロールするのか」という話ではないかと理解した。
要するに、つまむタイプであれば「指先」、握り込むタイプであれば「親指の付け根」が力点となり、手首を支点にしてペンを動かす・・という感じではないかと。

んで、自分の場合は、アポーペンやプロペンを使っていて親指の付け根が痛むことがないので、たぶん「つまむタイプ」に近い握りだと思っており、「標準」ないし「太径」が合っているのではないかと推察した。
ただ、本当に「標準」ないし「太径」が自分に合っているか判別できず、もしかしたら「倒立」が合ってるかもしれないので、どうにか擬似的にそれらの形状を体験できるグリップがないかを探したところ、「太径」と「倒立」がそれぞれ見つかったので見ていく。
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まずは、世にも珍しい「倒立タイプ」から。
類似品がAmazonにないか探してみたところ、ひとつだけ似たような商品が見つかった。それがこちら。
ペンの中央部がボコッと膨らんだ特殊な形状。お値段はたったの620円なり。
レビュー数が少なく、品質はかなり謎だが、めちゃくちゃ安いので、倒立タイプの形状を試すにはうってつけである。
んで、早速購入して、届いた商品をアポーペンに装着したのがこちら。

装着した印象としては、かなり厚手の硬いシリコンなので、エレコムのグリップよりもアポーペンにフィットしている感じがする。
グリップを外すときに、かなり力を入れないと外れないという難点はあるものの、逆にいえばしっかりとアポーペンに嵌っているということであり、安定感やホールド感がある。
実際に手で握ってみる。

おー!全然滑る感じがしない・・・!
エレコムのグリップは表面が妙にツルツルしていて、手指が滑る感覚があったのだけど、このグリップは一度握るポジションを決めたら、そこからギュッと動かない。エレコムのグリップのように、クニャクニャと動くような感じもしない(汚れも拭き取りやすそう)。
タッチ操作用の削りもあるので、ダブルタップでペン↔︎消しゴムを切り替える人も使いやすいと思う(自分は使わないけど)。

ただ、いまいちどこを持てばいいのか分からない。
とりあえず、窪んでいるところに親指の腹を押し当てて、人差し指はペン先に沿わせるか、親指と同じように窪みの部分に沿わせる・・・というスタイルにしてみる。

少なくとも、文字はめちゃくちゃ書きづらい。
(・・・うーん、どうなんだ。これ)
百聞は一見に如かずということで、ひとまず描いてみる。

第一印象は意外にも「描きやすい」と感じた。
しっかりとしたグリップ力があるので、ペン先がフラフラとせず、しっかりと線をコントロール出来ている感覚がある。少なくとも裸の状態よりは全然こっちの方が良い。
ただ、しばらく描き続けていくうちに問題点が見つかった。
この倒立タイプのグリップは、親指の位置を固定することによって手の平をホールドし、手首や人差し指でコントロールする・・・みたいな感覚なんだけど、安定感が増す代わりに、指全体(手首?)の可動域が狭まるような感覚も同時に発生する。
なんというか、上から下、右から左・・・というように、自然なストローク(右利きの場合)で線を引く場合は何の違和感もない。むしろ安定していて描きやすい。

だけど、下から上、左から右・・・というように、逆の動きになったときに、親指がロックされているせいで、何とも言えない描きづらさを覚える。

なので、「同一方向にしかストロークしない」「細かい線画作業をしない」というイラストレーターにはオススメできるけど、「指先を柔軟に動かして緻密な描き込みをしたい」という漫画家にはたぶん合っていないと思う。もちろん個人差はあると思うけども。
ただ、このグリップ自体は、シリコンの質感とかグリップ力はめちゃくちゃ良いので、「握り込むタイプ」のイラストレーターさんは一度試してみる価値はあるかも。
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続いて、「太径タイプ」について。
偶然にも、フリマアプリで葉車堂さんの太径タイプのコルクグリップを安く譲ってもらうことができたので、これを使って試してみる(譲って頂いた方に感謝)。
(※)なお、太径タイプを安価で試したい人には、Amazonで売っているこのグリップ(880円)も良さげ。逆に嵌めれば「倒立タイプ」みたいに使うことも出来るらしく、汎用性が高そう。
んでもって、届いた商品をアポーペンに装着したのがこちら。

ずんぐりむっくりとした見た目。
当たり前だけど、コルク製なのでめちゃくちゃ軽い。
では、実際に描いてみる。

あーなるほど。
描きづらい!(ちーん)
しばらく線を描き殴っているうちに、徐々に分かってきたこととしては、「倒立タイプ」の力点が<親指の付け根>だとすれば、「太径タイプ」の力点は<人差し指>であり、握り込んだうえで、人差し指でコントロールするタイプの人に向いていると思う。
なので、「握り込んで、人差し指をペンに添わせる」という持ち方をするならこのグリップは合ってる。しかし、単に「ペン先をつまむ」という持ち方をする人には全く合っていない。

個人的には、これだったらまだ倒立タイプの方がマシだと感じた。自分には全く合わなかった。
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というわけで、自分に合っているのは「ワコムプロペン」だということが分かった。
原点にして頂点。やはりシンプルな形が一番使いやすい。

僕が思うに、普通の形状のペンを使っていて、変なところにペンダコが出来る人は、おそらく「握り込むタイプ」なので、「太径」または「倒立」が合っていると思われる。
そのうち、親指の付け根でコントロールする人は「倒立」、人差し指でコントロールする人は「太径」が合っている。
逆に、これに当てはまらない人は、「ペン先をつまむタイプ」なので、標準グリップを選んでおいて問題ないと思う。このタイプは、人差し指と親指の指先に力点があるため、ここをいかにグリップさせるかが重要になる。
僕の場合は、基本的にペン先をつまむタイプだけど、人差し指と親指を重ねるようにして握り込む場面もあり、先端がやや太めのプロペン形状が合っている。
つまり、基本的なグリップ形状はエレコムのグリップで良いんだけど、「持ちづらい」「滑りやすい」というのが問題であり、ここさえ解決出来れば良いわけだ。
・・・というわけで、葉車堂さんの「Apple Pencil用 木製グリップ」を購入することにした。
葉車堂さんでは、「ペンタブ風」という形状も販売されており、これがまさに「ワコムプロペン2」と同じ形状ということ。僕は迷わずこれをチョイスした。
ただし、現在は注文が殺到しているためか、商品完成まで16〜18週かかるとのことで、おそらく納期は来年3月頃になる。気長に待ちますかー。
というわけで、自分に合ったアポーペンのグリップの話でした。


