箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

「書き殴りノート」の後継者を探していたら、とても素敵なノートを見つけてしまった。

僕が「殴り書きノート」と呼んでいるものは、こちらのノートになる。

 

 

このブログでも再三にわたって紹介してきたので、このノートのことを取り上げるのはこれで最後にしようと思う。

 

こちらは、2年ほど前に、Flying Tigerで購入したノート(A5・無地)で、たしか500円ぐらいだったような気がする。ご覧のとおり、表紙がコルク素材で出来ており、非常に触り心地が良い。

中身は、そんなに良い紙質ではなく、水性染料インクだと高確率で滲んでしまう(裏抜けしてしまう)が、ザラザラとした感触が僕の好みだし、普通にゲルインクのボールペンとかシャーペンで殴り書きをしているだけなら何の問題もない。ページ数もめちゃくちゃ多くて、たぶん200ページぐらいあるはず。

 

 

それなりに厚み(15mm程度)があるため、カバンに入れるときに若干嵩張るのが難点だが、「とりあえずこのノートを持っていけばOK」という安心感があるし、個人的には凄く愛着を持っていて、このノートのことが大好きである。

 

その名のとおり、とにかくどんなことでも殴り書くノートであり、「何でもノート」とか、スケッチジャーナルの著者・ハヤテノコウジさん流に呼ぶのであれば「ゼロノート」とか、そういう位置づけのノートになると思う。

 

******

 

・・・しかし、FlyingTiger はセレクトショップみたいなお店なので、品揃えがシーズンごとにコロコロと変わってしまい、現在このノートはどこにも売っていない。

 

そのため、このノートの後継者を探す必要があり、僕は色んなノートに手を出してみることにした。

 

ちなみに僕が求めている条件は以下のとおり。

  • A5またはA6
  • 無地
  • 綴じノート(パカッとフラットに開くタイプ)
  • それなりにページ数がある。

 

 

その結果、「殴り書きノートの後継者はこの子だ!」という、現時点での最適解が見つかったような気もするので、それを書き綴ってみる。

 

******

 

まず最初に僕が後継者に考えていたのは、セリアで見つけたこちらのノートだった。

 

 

A6サイズで、240ページもあり、しかも使いやすい無地。100円なのに栞紐までついている。憎いやつである。

 

「カバンにも入れやすいし、A5サイズよりも少し小さめのノートにしよう」と考えていたので、当初はこれで良いと思っていた。

 

・・・しかし。

 

A6サイズというのは、自分が思っている以上に小さかった。

 

 

一回り・・・というか、感覚的には二回りぐらい違う。

 

A5サイズだと、見開きページいっぱいにマインドマップを書くことも簡単にできるんだけど、A6サイズだとそれが気軽にできない。完全にパカッと180度に開くわけでもないので、「狭い」「窮屈」と感じてしまうのだ。

ただメモを書くだけなら、これでも良いんだけど、このノートだとアイデアが広がっていく感覚がなくて、少し触ってみたものの、使い続けようという気になれなかった。

 

僕は「じゃあ、やっぱりA5サイズにしよう」と思い直すものの、「丁度良い」のが見つからない。

 

 

Amazonで探してみても、ことごとく値段が高いのだ。どれもこれも1000円近くする。

ただメモを書き殴るだけのノートにそんな高品質なんて求めていない。

 

試しに、万年筆と相性が良いと評判のMDノート(MD用紙&コットン用紙)を買ってみたものの、このノートに対する不満がいくつも噴出した。それは別記事でまとめているため、ここでは割愛する。

 

 

じゃあ、もっと安いものを・・・ということで、無印良品のノートを探してみたんだけど、無印良品のA5無地ノートは、枚数がたったの「30枚」しかない。

 

 

価格が1冊110円と激安なので、これを買い溜めしておいて、使い切ったら新しいノートを使う・・・という方針でも良いんだけど、僕は「ひとつのノートを長く使いたい」と思う性格なので、すぐにノートとお別れしてしまうのが、なんだか寂しくて嫌だと思ってしまった。

 

紙質はこれでも良かっただけに非常に残念だ。

別に価格を3倍にしてくれてもいいので、これの90枚バージョンを出して欲しいと切に願う。無印良品さん、どうかお願いします。

 

なお、無印良品のA5サイズのノートの中には、一応ページ数が200ページのものもある。それがこちら。

 

 

しかし、残念なことに、6mm横罫が入ってしまっている。なんでだ。無地で良いのに。そんなに無地は需要がないのか。ちなみに、リングノート形状のものであれば、もう少しページ数の多い無地ノートがある。なんでだ。

 

(※)ひとまず、この横罫ノートについては、ライフログノートとして使うことにした。

 

******

 

そこで、僕は少し視点を変えることにした。

「殴り書きノート」については、「アイデアノート」と兼用にし、「少し高めでもいいから、ドローイングも可能なページ枚数の多いノート」にしてみてはどうか・・・と。

 

元々、僕は「殴り書きノート」の中で、雑メモ、簡易スケッチ、漫画のプロットまでぜーんぶひとつでやっていたぐらいなので、本来、「アイデアスケッチ」と「殴り書き」を分ける必要はない。そうやった方が情報が整理されるかなーと思って、敢えて分けてみようと思っただけだ。

実際のところ、「ライフログ」と「プロット・絵コンテ」は別のノートで行うことが確定しており、どのみち「殴り書き」はアイデアを広げるために行うことが増えると思うので、ひとつに集約しても構わないと思っている(本当にちょっとしたメモ書きであれば、それこそセリアのメモノートとか、無印のA5無地ノートでもいい)。

 

んで、その候補を考えてみたんだけど、MDノートはさっきも言ったとおり、色々と問題点があるため却下。

普通のMD用紙はツルツルし過ぎていて好みではないし、ザラザラとした質感のコットン用紙は裏写りが激しすぎる。しかも、その割には高い。

 

それ以外にも、ツバメノートとか、ノーブルノートとか、万年筆と相性が良いというノートは、実際に文房具屋で確認してみたんだけど、ことごとくツルツルとした質感のノートで、ドローイングに向いているようには見えなかった。

 

******

 

じゃあ、いっそのことスケッチブックにしようか・・・とも思った。

 

・・・しかし、絵を描くのはそれで良いとしても、単なる殴り書きをするには気が引けてしまう。

例えば、僕が持っているターレンス・アートクリエイションスケッチブックは、サイズも丁度良く(21cm×13cm)、厚紙なので裏写りや裏抜けの心配もない。

 

 

ただ、ページ数が160ページしかなく、「気軽に書く」ということがどうしてもやりづらい。ページ単価で言えば、MDノートとさほどコスパは変わらず、「雑に書き殴る」という行為には向いていない。

また、もっと言ってしまえば、スケッチ用の厚紙にメモ等を書き殴るのはどう考えてもオーバースペックである。スケッチをして、その空いたスペースにメモを書くぐらいなら良いんだけども・・・。

 

なお、コスパ的に良かったけど、「惜しい」と思ってしまったのがこちら。

 

 

こちらは税込み880円で、ページ数が384ページもある脅威のドローイングノート。なんとページ単価はたったの2.4円である。

コスパはめちゃくちゃ良さそうだし、雑に書き殴れそうな感じもいい。「ドローイングノート」と言うぐらいだから、たぶん描き心地もそれなりなんだろう。

 

しかし、安いということは、他に欠点があるということであり、調べてみると、案の定、このノートは「無線綴じ製本」を採用していた。まあ要するに、パカッと180度に開くのが難しいノートということである。

ちなみに、同じようにパカッと180度に開けないノートとしては、無印良品の「単行本ノート」がある。あちらは、このコクヨのノートよりもコスパが凄く、250円で368ページもあるので、なんとページ単価は0.6円。だったら、そっちを買うよと思ってしまう。

 

******

 

そして、あれこれと探しているうちに、僕はとあるノートに辿り着いた。

それが「BIBLIO PHILIC」というブランドから出されている「BIBLIO NOTE」である。

 

bibliophilic.shop

 

 

こちらのノートは、A5サイズかつ無地。256ページもあるのに価格は税込1,100円(ページ単価4.3円)。

製本の綴じ方もMDノートと同じく、パカッとフラットに開くタイプになっている。

 

「お、良いじゃん」と思った僕は、そもそもこのブランドのことを知らなかったので、ホームページのABOUTを読んでみたのだが、同社の理念・コンセプトに思わず感動してしまった。

 

「BIBLIOPHILIC」は、「本のある生活」を楽しむためのブランドです。本好きの皆様のために、本と人との間でそれぞれの役割を果たす、すべての「道具」を取り扱います。

三冊の本の上に、猫が乗っているロゴマークが目印。愛書家の邸宅、図書館の庭、古本屋の店先――不思議なことに、本のある風景の中には、よく猫がいます。「BIBLIOPHILIC」の猫のマークには、あなたの机の上や本棚の隅で、静かに長く愛されるブランドでありたいという意味がこめられています。

 

「本のある生活を楽しむ」

「あなたの机の上や本棚の隅で、静かに長く愛されたい」

 

何て素敵なコンセプトなんだ・・・。三冊の本の上に佇む猫の姿も不思議と、ずーっと昔から知っているような猫のようにも思えてくる。

(早速インスタの公式アカウントをフォロー。ポチッと)

 

実際のところ、絵の描き心地はどうなんだろうと思って、Youtubeで調べてみたところ、このノートに、万年筆、ミリペン、水彩絵具でスケッチをされている方がいて、「使い心地が良い」とコメントされていたし、同社の製品ページのレビュー欄にもポジティブな意見が多い。

 

万年筆やボールペンの色の乗り、発色が良く書きやすい。製本も丁寧で、フラットな両開き感も気に入っています。

絵を描く用にまとめて購入しました。紙質も、ガバッと開いたままになる作りもとても使いやすいです。
これからも作り続けてほしいです。

 

ノートのスペック的に気になる点がひとつもなく、コスパも非常に良い。評判も全然悪くない。

おそらく、僕が想像するに、本格的にスケッチをしたい人はスケッチブックを買うし、ただノートや日記を付けたい人からすると、A5サイズの無地(罫線なし)に魅力を感じないし、僕みたいに「スケッチブックとノートの中間みたいなノート」を探しているニッチ層にしか刺さらず、それゆえに知名度がそれほど無いんだと思う。

 

「静かに長く愛されるブランドでありたい」

 

このコンセプトも凄く素敵だと思う。僕も誰かにとってそういう人でありたいと思うからだ。

 

はい。というわけで、実際にこのノートを手に取って触ってみたいと思ったため、実店舗に行ってこようと思います。実際に触ってみた感想はまた後日・・・。