年始に出来上がったネームに手直しを加えて、担当編集からのOKも貰えたので、そこで意識したことをメモっておく。
現在のネームを描き始めたときに、僕の中で青年漫画っぽい感覚がまだ残ったままであり、それが原因か分からないんだけど、キャラ描写が薄味になってしまっていたため、担当編集から指摘されて、キャラの特徴・心情・動機を補強する描写を付け加えることになった。それでまあなんとか少年漫画っぽくなったかな・・・という感じがする。いわゆるチューニングってやつである。
とにかく少年漫画では、「迷ったら分かりやすく描け」ってのが正解だと思う。表情をデカく描くとか、分かりやすい構図にするとか、オーバーなリアクションにするとかね。「迫力・インパクト」と「分かりやすさ」が命。「エモい」とかそういうのは二の次三の次。絵がエモかったとしても、「結局何が言いたいねん」と言われたら終わりである。
それを「基本性格」「行動動機」「願望・目的」「葛藤・悩み」の全てで行う。めっちゃ短気な奴なんだったら、冒頭からキレまくってるとかそういうシーンにする。そいつのライバルがいて、そのライバルに勝ちたいんなら「俺はコイツに勝つ!」とストレートに言わせちゃう。その分かりやすさが少年漫画だから。その単純さが嫌なら青年漫画に行くしかない。
僕は今回のネームがダメだったら、しばらく少年誌に投稿するのはやめると決めている。これ以上のアイデアやネタを出すのは、おそらく難しいと思うし、僕はチューニング出来ない人間だったと割り切って、今度こそ別の青年誌に移籍しようと思う。もちろん全力は尽くすけども、ダメだったなら仕方ない。
***
これからの流れとしては、ネームのさらなる解像度アップを行うことになる。具体的には構図やデザインの練り直し・・・である。
僕は、このネームの解像度アップについて、それなりに時間をかけて行うつもりであり、時間の許す限り、かなり隅々まで突き詰めて練っていきたいと考えている。
本当にそのカメラアングルでいいのか、背景をもっと練れないか、もっと魅力的な表情やポーズはないか、フレーミングはそれが適切か、パッと見の印象はどうか、デザインは分かりやすさとインパクトを両立できているか・・・等々。「ここまでやって無理なら、自分に少年漫画は無理だったんだな」と諦めがつくところまで。実際、そこまでやって無理なら、スパッと心を切り替えて青年誌に行けると思う。
今回は、「もうこれ以上は無理」という自分の限界を超える。どのみち、漫画の技術を伸ばすためには、限界突破するぐらいのやりこみが必要なのだ。やるしかない。