箱庭的ノスタルジー

世界の片隅で、漫画を描く。

マンガ創作論

線に対するこだわりを持つ。

本気模写100枚企画も後半に差し掛かってきて、今日ついに70枚に到達した。 よし、これであと30枚だ。 こんな短期間でも随分と絵が変わったなーと実感する。途中から使うブラシを「しげペン改」に変えたのも大きかったけど、最初の頃と比べてタッチがめちゃく…

ツヤベタとか黒ベタの加工処理のやり方とか。

最近はずーっと模写ばかりやっているおかげで、今までよく分からなかった部分(適当にやっていた部分)がちょっとずつ分かるようになってきた。 分かりやすいところで言うと黒ベタの加工。 今までは何となく感覚的にやっていた部分なんだけど、選択範囲を取…

細い線でアナログ感を出すやり方が分かった。

今日はひたすら模写をやっていたんだけど、線画の概念とブラシの選び方が・・・少し・・・というか、かなり分かってきたかもしれない。今までずっとモヤモヤとしていた部分がパァッと晴れてきたような気分。 というわけで、忘れないうちにメモっとく。 これ…

作家性とか、自分の中にある「好き」とか。

「地獄楽」を連載している漫画家の賀来ゆうじ先生は、かつて自分の作家性に悩んでいたものの、当時アシスタントをしていた藤本タツキ先生と趣味が合い、「自分が好きなものを好きな人がちゃんといる」と気付くことが出来て、自分に自信が持てるようになった…

絵は「面倒臭い」と思った時点で負け。

練習記録2回目。 今日は、面倒くさがらずに細部のディテールを上げることを意識した。やっぱり「面倒臭がらずに細部をこだわる」というのは、絵が上手い人に共通して言えることだと思う。細部への描き込みが尋常じゃないというか。一切妥協しないというか。 …

ビジュアルイメージを優先させるためにはどうすれば良いのか。

ちょっと進んでは、壁にぶつかって、考えているうちに少しだけ光明が見えて、また少しだけ進んで、またまた壁にぶつかって…。創作活動は延々とトライアンドエラーの繰り返しなんだろうなと思う。 そんなこんなで、今日もトライアンドエラーをしていくかー。 …

漫画制作において「自分をさらけ出す」ということ。

noteに投稿されている漫画を色々と読んでいて、とあるエッセイ漫画が目に止まった。 それはいわゆる創作系のエッセイ漫画で、その人は漫画を描き始めた当初、純粋に「楽しい」という気持ちで作品を描いていたものの、そのうち他人の評価を気にするようになり…

漫画デザインのこれまでと今後について

昔、Twitterを覗いていたら、漫画のコマ割りの参考資料として、デザインの本を挙げている人がいて、その頃からデザインの考え方を漫画やイラストに活かせないかなーとずっと考えてきた。 それこそ、漫画は「コマ枠」「絵」「セリフ(文字)」の組み合わせに…

ストーリー漫画のコスパの悪さに辟易したので書き殴ります。

ここ数日間にわたってメンタルの落ち込み方が凄かったけど、ちょっとずつ持ち直してきたので、ここいらで気持ちに区切りをつけるというか、ネガティブ感情をリセットする意味でも、今考えていることをバーっと書き残しておこうと思う。あとで見返した時に、…

ポリコレや外見至上主義とは関係なくキャラの見た目の多様性を論じたい。

はじめに断っておくと、僕はポリコレにも興味がないし、外見至上主義(ルッキズム)を批判しているグループと意見を共にしているわけでもなく、もちろん、その反対側に位置する世論に与しているわけでもない。今日ここで書き記す内容は、それら世間の思想と…

「漫画貧乏」が指し示す未来について考えてみる。

こないだブックオフに立ち寄った時に、佐藤秀峰先生が書いた「漫画貧乏」という本がふと目に留まって、この本をちょっと読んだのね。今日はその感想をちょっと。 漫画貧乏 作者:佐藤 秀峰 佐藤漫画製作所 Amazon 漫画だけで食っていける漫画家なんてほんの一…

新海誠、浅野いにお、リアリズム、現代的多様性

僕は新海誠監督と浅野いにお先生はクリエイターとして近しい位置にあるのではないかと思っていて、若者の満たされない思いとか、発展途上にある若者の苦悩とか、不条理な社会に翻弄される若者とか、要するに「若者の不完全な自我」にフォーカスを当てている…

ログラインの考え方をそのまま漫画に持ち込むべきではないという話

「SAVE THE CATの法則」をはじめとして、ハリウッド映画界における脚本の考え方が日本の漫画業界にも持ち込まれるようになった結果、至るところで「ログライン」という単語を聞くようになった。 SAVE THE CATの法則 SAVE THE CATの法則 …

キャラクターの変化とか作品のテーマについての考察

少年誌と青年誌の決定的な違いとして「キャラクターの変化」が挙げられる。すなわち、少年誌では大きくキャラクターが変化していくけれど、青年誌ではそれほどキャラクターに変化が起きないという特徴がある…らしい。 jump-manga-school.hatenablog.com 例え…

商業主義に染まる少年誌についてあれこれ書いていく。

近年の少年誌ではほとんど見ることが無くなったジャンルの一つとして「SF」がある。 もちろん、少年誌でSF作品が全く連載されていないわけではないが、ロボットアニメのように人気が下降しているのは紛れもない事実であり、好んでSFを描く作家もめっきりと少…

【漫画】作風のミスマッチ問題を考える。

本日は創作活動に関する雑談を。 ここ1〜2ヶ月ぐらい自分の作風に悩みまくっていて、WEB持ち込みをした作品も大撃沈してしまい酷く気分が落ち込んでいたのだけど、よくよく自分の作風を見つめ直し、今後漫画を投稿するのは某青年誌だけに絞ることにした。現…

デフォルメ絵の漫画に未来はあるのか

イラスト・漫画界隈では「デフォルメ絵は下手」と言われることが多い。 実際本当に下手か?と言われれば、別にそんなことはなく、デフォルメ絵も技術的・デザイン的なことを言えば難しい要素がたくさんあるし、それが証拠に「デッサンは出来るけどもデフォル…

【ストーリーは重要ではない?】漫画と映画の着眼点の違いについて

僕がよく参考にさせて頂いている「佐渡島チャンネルさん(元モーニング編集部)」に、以下の動画がある。 www.youtube.com この動画は、青年誌と少年誌の両方を経験したことのある稀有なキャリアをお持ちの村松さんという編集者が、青年誌と少年誌の違いを語…

「マンガ脚本概論」は物語を作る人にとって一番大切なことを伝えている。

世の中は、数多の脚本指南書で溢れかえっている。大きな書店に行けば、必ずシナリオ制作に関するコーナーがあって、そこには花屋の店先に並んだ色とりどりの綺麗な花のように、「物語とはこう書くんだよ」と訴えかける本がズラリと並んでいる。 物語創作に関…

僕が抱えている線画の悩みの原因が分かった気がする。

僕は自分の描く絵について、「線が弱い」「余白が多い」と感じることが多くて、ペンの入れ方や線画の考え方に問題があるんじゃないかと長年思ってきた。それこそ線画に関する動画をどれだけ漁ったか分からない。 そして最近、「ああ、やっぱりそうだよな」と…

漫画の情報提示に必要なのは「ワクワク感」だと思う。

本日は、漫画の「情報提示」についての考察を少し。 漫画は物語であり、キャラの感情だけを切り売りしているわけではないので、オチに行き着くまでの前フリが必要になる。つまり、キャラが怒ったり泣いたりしているところだけを見せて感動が生まれるわけがな…

漫画のキャラクターが「立っていない」とは何か?

漫画では「キャラが弱い」とか「キャラが立っている」とか、キャラの重要性を説かれることが多い。 ただ、これは別に創作に限った話ではなく、我々の日常生活においても全く同じであり、学校や会社においても、「キャラが立っている人」や「キャラが弱い人」…

漫画におけるダイアローグの位置付けとモノローグ構成の重要性

僕は、映画やアニメといった映像作品を観ることの方が好きで、どちらかと言うと、漫画よりもそういう映像コンテンツをこよなく愛してきた。漫画を描いていながらこんなことを言うのもアレだけど、純粋に1人の消費者としてどちらの方が好きかと言われたら、…

年齢が理由で漫画持ち込みが断られてしまう話

久しぶりに創作関連の話題を。 最近、SNSで「編集部に持ち込みに行っても、年齢が理由で断られる」みたいなことを言ってる人がいた。その人は「年齢が理由で将来性が否定される」「作品ではなく、年齢しか見てくれない」と、いささか年齢のことを気にしてい…

商業漫画家ではなく同人作家を目指す理由を分析してみる。

漫画家として活動をしていくにあたって、ほとんどの人が「商業漫画家としてやっていくか(プロを目指すか)」または「趣味や同人活動としてやっていくか」の二択を迫られる。 fumufumunews.jp 例えば、この記事でインタビューに答えられている小田桐さんは、…

イラスト自動生成AIが描く漫画の未来について

最近読んだ記事。 nlab.itmedia.co.jp これは、イラスト自動生成AI「Midjourney」が描いた絵だけで漫画を作ったって話なんだけど、この作者さんは、自分で絵も描けないし、漫画の作り方も知らないらしい。 つまり、この人は、AIが描いたイラストを "漫画っぽ…

アニメ・漫画における顔の素体のバランスについて

どうもこんにちわ。今日は珍しく絵の創作に関するメモ的なものを。 Youtubeに「hide Channelさん」というアニメーターの方がいらっしゃって、顔や全身の描き方について、めちゃくちゃ参考になる情報を発信されているんだけど、その中で気になるノウハウがあ…

物語の内容よりも先に描きたい絵を描き出していく。

いつの話だったかな。 確か、Twitterとかブログで読んだ話だと思うんだけど、何でも良いから思いつきで絵を描き始め、それが上手くいきそうならそのまま最後まで描き続けて、ダメそうならさっさと諦めて次の絵を描く…みたいな人がいた(ちょっと違うかも…だ…

物語の内容が分かりづらいことはそんなに問題ではない。

これは岡田斗司夫さんの受け売りだけど、最近のアニメ制作では、「とにかく分かりやすく作ってくれ」と製作委員会が現場に要望を出すらしい。 鬼滅の刃なんかが良い例で、「そんなことまで説明しなくていいだろ」と思うようなことでも、セリフを増やしてわざ…

近年の漫画作品は「官能性」を蔑ろにしている。

最近の漫画作品を読んでいて、世界観に引き込まれるものが少ないなーと感じる。 誤解のないように伝えておくと、今の漫画家さんは純粋に画力が高い。マジでビビるぐらい高い。キャラクターデザインも凝ったものが多く、背景の作画もレベルの高いアシスタント…